| 韓国:サムスン半導体説明会、事実上疑惑を否定 | |
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サムスン電子、『疑惑の払拭』より『過去を隠す』異例のサムスン半導体製造工程説明会、事実上疑惑を否定
チョン・ジェウン記者/ 2010年04月16日10時10分
サムスン電子が記者に対して『半導体製造工程説明会』を開き、これまで半導 体の生産ライン労働環境の疑いを事実上全面否定した。 4月15日午前10時からサムスン半導体器興工場で行われた説明会は、報道機関当 たり一人の記者だけが取材が許されたが、80人余りの記者が出席、熱い質疑応 答が行き来した。 この日の説明会は公式には1995年に器興工場所属の生産職女性労働者が急性白 血病で死亡した事件を含み、22人の白血病、リンパ腫をはじめとする造血系ガ ン患者発生、10人の死亡事件があった後、サムスン側で15年で初めてのイベン ト。またサムスン側が公式に被害者の数に言及したのも初めて、一部のライン 公開も異例だ。 しかしサムスン側は半導体5ライン勤務経験者のチョン・エジョン氏と被害遺族 推薦専門家の当日の出席という主張は認めなかった。反面サムスン電子半導体 事業部メモリー担当のチョ・スイン社長は「白血病で死亡した労働者の遺族側 が信用できる機関を推薦すればコンソーシアムに入れる」とし、遺族への生産 ライン公開は「適当な時に適切な方法で公開する」と付け加えた。 またこの日、サムスン側は半導体工場の労働環境と白血病問題が社会的にもち あがったことでさまざまな計画を発表した。これまで実施された二度の疫学調 査とコンサルティングでも問題点が発見されなかったと強調しつつ、国内外の 信用ある研究機関、学術団体などとコンソーシアムを構成し、再調査を実施す ると立場を明らかにした。チョ社長はコンソーシアムに対して「市民団体が公 信力ある機関を推薦すれば、これを受け入れる」と説明したが、再調査の具体 的な時期と日程には言及しなかった。また職員の『保健問題』を専門的に扱う ために『サムスン電子健康研究所』を発足すると紹介した。 サムスン側のこのような行動は3月31日、パク・チヨン氏が白血病で死亡した後、 サムスン半導体労働環境問題が社会的に高まり、早期に遮断する措置と見られ る。半導体労働者の健康と人権守備パノルリム(以下)等市民社会団体は何年か 前から多様な問題を提起して、白血病およびリンパ腫をはじめとする造血系ガ ンを労働災害と認定せよと主張してきた。 白血病、ガン発病率に関心ない? しかし疑惑を払拭するというサムスン側は、過去に半導体生産ラインで発生し た社会的な問題を全面的に否定して今後の計画だけを発表、過去は隠そうとす るような態度を取った。 今後の解決方案についてサムスン側は、「(サムスン半導体)の勤務環境で勤務 者がガンにかかる確率は全くないと確信できるか」というある外信記者の質問 に「リスクはない」と話した。続いて「(サムスン電子は白血病、リンパ腫をは じめとする造血系ガンの)発病率には関心はない。一歩一歩進んでリスクが何か、 何が改善できるかが重要だ。第3機関の調査まで話したのはそうした理由だ」と 話し、半導体生産ラインの被害者を事実上無視した。 故パク・チヨン氏の死亡に言及して『大切な職員が命を失い無念さを禁じ得な い』というサムスン側だが、透明に公開されていない過去の資料についての公 開には答えなかったり、疫学調査結果、3回にわたる独自調査の結果など、結果 としてサムスン側に有利な資料だけを強調した。 代表的には2009年国政監査の時に白血病誘発物質であるベンゼンが出てきたと いうソウル大『産業保健危険性評価』の調査結果は全て公開されていない。 サムスン側はこの資料の公開には答えず「1次調査で検出された放射線は、自然 状態の放射線と同じ水準だったし、2次調査でも作業環境と死亡率の間で統計的 な有意性がないと出てきた」と伝えた。続いて「ベンゼンが検出されたという 調査結果も大気中ではなく、試料に一部含まれていたとのことで、私たちが別 に研究を依頼して調べた結果、ベンゼンはなかった」と釈明した。 この他にも公開されていない資料は企業の営業秘密という理由で半導体業者別 の主要化学物質取り扱い現況、放射線発生装置使用現況、白血病発生現況など、 韓国半導体産業者13社への情報が網羅されている労働部の『一斉調査結果』だ。 チョン・ウンチャン国務総理も4月7日に国会本会議で民主労働党のイ・ジョン ヒ議員の批判に公開を検討すると答えたが進んでいない。 器興工場で働いていて病気にかかり亡くなった故ファン・ユミ氏の勤務環境に 関してサムスン側は、「ファン氏が作業していた3つの水槽には各々過酸化水素、 フッ酸とフッ化アンモニウム、超純粋物だけが含まれており、発ガン物質はな かった」とし「安全担当管理者の監督下で作業服と保眼鏡、PVC手袋などを必ず 着用することになっていた」と話し、労働者個人の不注意にしようとした。 また女性労働者に生理不順や脱毛などが多いという疑いに関する実態調査実施 の有無を問う質問には「産業安全公団の2次疫学調査当時ガン疾患統計分析で女 性勤務者は普通の人と同等の水準という結果を発表した」と指摘を避けた。 情報提供者と労働者の証言から確認された安全装置設備のインターロック解除 に関しても、サムスン側はインターロックを解除して作業するのは不可能だと 繰り返し強調した。しかし半導体工場の被害労働者たちは、過度な作業物量と 安全不感症でインターロックを解除することはたびたび現場で発生したと証言 している。当日サムスン側はインターロック解除問題と生産性とは無関係だと し、議論を一蹴した。 毒性がある化学物質のトリクロロエチレン(TCE)には1995年まで使っていたと認 めたが、これにより今後発生する問題にもサムスン側は回答を避けた。しかし 『手袋をはめずTCEを綿棒につけて作業した』というキム・オギ氏は1991年1月、 サムスン半導体に生産職社員として入社し、2005年に白血病診断、責任をめぐ る議論は続くものと見られる。 防塵服着用イベントに転落 器興工場の5ライン、Sラインが公開されたがこれさえ6人ずつ組に分かれ、30分 ほど進行、防塵服を着て施設を調べる程度の『産業見学』の性格を越えなかっ た。『目ばたきしてもホコリが発生するかと思って現場で気を付ける』という 半導体労働者が、記者の防塵服、マスク、手袋をなでつけてくれるだけ、対話 も難しかった。 各種の事故が頻繁に起きる所と言われる1〜3ラインのサービスAREA区域公開の 要求も簡単には許諾されなかった。
公開された5ラインは1993年に建設、閉鎖された1〜3ラインと、サムスンLEDに 移転された4ラインを除き、最も古いラインで、各種のセンサーに使われる 200mmウェハーを生産する。Sラインは2000年代に建設された最新式ラインで、 300mmウェハーを生産する。 しかし白血病などのガン被害労働者が集中する既存の1〜3ラインはすでに閉鎖 された。5ライン、Sラインも自動化設備導入などで新しく変わっていると提起 されている。白血病被害者はこれらのラインも実際に働いていた現場とは180度 違うとし「問題とされていた作業環境と全く違う現場を公開しても白血病議論 に終止符を打てない」と声を高めた。現在の工程ラインと、発病した労働者が 働いていたラインの勤務環境が同じはずがないと指摘されているが、当日サム スン側は5ラインの施設は18年間ほとんど変わっていないと話すだけだった。 このような状況で、一部の記者は「被害者や被害者が指名した専門家が入らない 状況で5ラインを見て何か意味があるのか」と不満を吐露した。 (記事提携=メディア忠清) 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2010-05-03 12:08:04 / Last modified on 2010-05-03 12:08:07 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ | |