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韓国:獣(サムスン)の目には人間が見えない
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獣の目には人間が見えない

サムソンがなくならなければ私たちは生きられない

イ・ドクチェ(大邱カトリック大)/ 2010年04月05日17時21分

あとどれほど殺すのか。国家は天安艦事故で数十人を海の中に生きうめにして、 資本は労働者であれ漁民であれ、すべてを殺す。その上、国家と資本は八百長 をして、自然を殺している。いったいあとどれほど人を殺せば気がすむのか。 去年、竜山4区域の普通の市民を国家が殺し、サムスン資本は泰安近海で牡蛎の 養殖をしていた李某氏を自殺させたかと思えば、サムスン半導体労働者中22人 が白血病にかかり、そのうち9人が亡くなった。ガンで死んだ労働者も足せば 何人になるのかわからない。

国家と資本がためらいなく人を殺しても悠々自適の世の中。こんな世の中は人々 が生きる世の中ではなく獣が生きる世の中だ。今はそれでも足りず、国家と資 本が一体になって4大河川を殺している。いつまでわれわれは労働者・農民・漁 民・市民の『社会的な死』をいたみ、慰霊祭をしなければならないというのか。

サムスン解体を主張するがサムスン一族と家臣グループをサムスン全体にまと めて批判するなと言う。しかしサムスン一家の栄達のためにこれほど多くの人 を殺しても堂々と経営一線に復帰して『主人は私だ』と威張る破廉恥な態度に、 サムスン解体という激怒が自ずと出てくるほかはない。わずかな金で200兆以上 の資産価値を持つサムスンを飲み込むその金が、循環出資などですでにサムス ン全体を結び付けているのに、サムスン全体とサムスン一家を分離して、サム スン一家と家臣グループだけを批判して何の意味があるだろうか。

まずサムスンが解体され、サムスン一家がサムスンを網のようにまとめるその 汚い金が消滅し、それでこそサムスン一家が解体されるのではないか。サムス ン全体が意図的な共犯ではなくても、サムスン一家がサムスン全体にぶちまけ た墨汁から誰も自由ではない。企業が正常性を回復して国家が正義を回復すれ ば、問題が解決するという純真無垢な発想ができるだろうか。国家と資本は恩 恵授与は施しても、自分たちの利益は絶対に出さない。それも好景気には何か を施すふりをしても、不景気には全てを取り込む。最近すべての雇用の扉にしっ かり鍵をかけた財閥の態度を見よ。

残念だがサムスン不買運動以外に妙案が思いつかないのはいらだたしいばかり だが、サムスンは消えなければならない。そうすれば、少なくとも労働者たち が白血病で、各種のガンで死なずにすむ。サムスン重工業の態度に激怒した漁 民が自殺を選択せずにすむ。しかしサムスンもいくらも残っていない。モデル を追撃し、1等神話を作ったサムスンにもあまり選択肢が残っていない。米国は グリーン資本主義の先頭集団を確保し、GNR革命を追い抜いている。製造業だけ でサムスンが生き残る方法はない。この際、サムスンの首根っこをさらに抑え つけなければならない。サムスン製品不買運動がその答だ。

サムスンが遺伝子革命(G)を主導するだろうか、ナノ革命(N)を主導するだろう か、でなければロボット革命(R)を主導するだろうか。サムスンが米国、日本と 並んで肩を組み、ユビキタス革命を主導していくのだろうか。別名『室』に通 じる構調本の指示のとおりに全体が動くサムスンには、世界産業全体を革新す る能力がない。すでに産業は米、日主導で革新されている。李健煕一家とその 家臣グループにできることは、初めから超法規的、あるいは芋蔓戦略で組み上 げた金庫管理だけだ。その莫大な持分を維持するために経営一線に復帰したの ではないのか。

白血病で労働者を殺しても、金で生命を維持しようとするサムスンが企業の正 常性を回復するなど、期待が暗い見通しだ。あらゆる懐柔と脅迫、逃げ腰を続 けるサムスンに労災の要求は入り込むわけがない。李健煕(イ・ゴニ)会長を単 独赦免した李明博政権は、4大河川事業で財閥に金を集めてやっている。『国家 は私に何をしてくれたか』だけでない。『資本は労働者に何をしてくれたか』だ。

労働力への報いがまだ論争中の事案とは。今、生産要素を問題にする経済学の 話をしているのでもなく、労働価値説を話しているのでもない。サムスン解体 スローガンの前で無意味な経済学の話をしている時ではない。資本主義の下で は資本が労働を生産要素と考えるのは当然だというような主張をする前に、資 本が労働に適切な補償をすれば良いではないかという教科書的な話をする前に、 サムスンの実体を正しく見て話してほしい。ではなぜこれっぽっちもそんな資 本(主義)を越えようとしないのか。

そしてお願いだからサムスンは人を殺すな。認知科学にこんな話がある。人は 自分と似たように作られた生命体の死には悲しみを感じるが、そうではない生 命体の死には無感覚だという。サムスンがそうだ。サムスンの目には各種のガ ンと白血病で死んでいく労働者は、堪忍袋が切れて自殺した漁民は人間に見え ない。なぜならサムスンは人間の集団ではなく、獣の巣窟だからだ。そんな獣 に、人間が自分と似た生命体とは見えないのだ。

レンギョウを折ってもあれこれ言われる世の中で、こうして人を殺すとは。い つ獣の巣窟から抜け出すのか。サムスンは、パク・チヨンを労災で補償しろ。 さもなくば生き返らせろ! そしてお願いだから人を捉えるのをやめろ! 私は、 労働者である以前に君たちが認知できない人間なのだ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-04-19 01:47:25 / Last modified on 2010-04-19 01:47:26 Copyright: Default

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