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韓国政府の通信監視に対する国連の憂慮

[寄稿]基地局捜査を制限して国家情報院を監督しなさい

チャン・ヨギョン(進歩ネットワークセンター) 2015.11.25 12:31

人権活動家たちが初めて「基地局捜査」の存在を疑い始めたのは、相次いだ情報提供のためだった。 2008年の狂牛病キャンドル集会や2011年の半額登録金集会に参加した後、警察に呼び出され、 自分のように平凡な(特に普段に他の集会に参加したり警察署に行ったことがない)人々を警察はどのようにして知り、 追跡したのか不思議だということだった。 その秘密の一つが2010年にあらわれた。

2010年4月2日、政府は"基地局捜査"というものが実施されていると明らかにした。 政府は毎半期ごとに通信事業者が情報捜査機関に提供した情報現況を発表する。 ところが半期前には合計44万6900件提供されていた通信事実確認資料が、 この時には1608万2957件が提供されていたことが明らかになったのだ。 何と35倍も増加した。 この増加分について釈明しなければならなかった放送通信委員会は結局、 報道資料で「通信事実確認資料の電話番号提供件数が急増したのは、 一部の裁判所が基地局単位の通信事実を確認するために、 従来は刑事訴訟法上の『押収捜索令状』を発行していたものを、通信秘密保護法上の『通信事実確認許可書』で代替したことが原因」だと説明した。 「特定の時間帯に特定の基地局から発信されたすべての電話番号を対象として」 携帯電話番号の提供を受けるされる基地局捜査は、基地局当たり通常1万個内外の電話番号数が統計上で集計されるということだった。 びっくりした国会と人権団体は真相の究明を要求したが、警察は連鎖的な犯罪捜査のためには基地局捜査が必要だと主張するだけで、 詳しい内容は公表しなかった。 電話番号が提供された被害者が誰なのかも分からなかった。 警察が提起された情報が多いとし、これをいちいち当事者に通知することができないと主張したためだ。

捜査機関が集会デモ参加者の身元を把握するために基地局捜査を利用しているという疑いが持たれたが、 この時にはそれ以上、真相に迫れなかった。 だが憂慮はすぐに現実となってあらわれた。 2011年、検察が野党の民主統合党の政治イベントでの金品授受容疑を捜査するとし、 イベント参加者全員に基地局捜査を実施したのだ。 この時、携帯電話番号が提供された659人の中にはインターネット言論チャムセサンのキム・ヨンウク記者がいた。 キム・ヨンウク記者は人権団体に対応方法を問い合わせた。 誰なのかわからない人を捜査するとし、すべての参加者を容疑線に上げて身元を調べあげる底引き網式の捜査技法が問題であった。 何よりも、その過程で取材のため参加した記者の情報もすべて提供されていたということが問題だった。

そして2012年、キム・ヨンウク記者が請求人になって公益人権弁護士の会「希望法」が代理した憲法訴願が提起された。 キム・ヨンウク記者はその後も統合進歩党中央委員会に取材に行ったことでまた基地局捜査の対象になった。 まだ通知されていない如何に多くの集会などで基地局捜査が行われないたのか、わからない。 憲法裁判所はまだこの事件の結論を出せず、今も審査中だ。 基地局情報は「捜査に必要な場合」という簡単な要件だけで、捜査機関に提供されている。 基地局情報は基本的に個人の位置情報を侵害するだけでなく、集会デモの権利も萎縮させる。 そのため、2014年に国家人権委員会も基地局捜査の問題点を指摘し、 この捜査技法を「被疑者が犯罪を犯したと疑うに足る情況があり、該当事件との関係があると認められる場合」に限定することを勧告した。 [関連内容]

憲法裁判所がためらっている間に、基地局捜査が国連で問題になった。 国連の市民的政治的権利規約委員会(国連Human Rights Committee、自由権委員会)が 今年、韓国の自由権実態を審査し、韓国政府は何と60種類の勧告を受けた。 特に眼に付く点は、自由権委員会が基地局捜査の名前をあげて、改善を勧告したという事実だ。 委員会は「集会参加者を特定するための、いわゆる『基地局捜査』の執行およびこれに対する不充分な規制」に憂慮を示して 「基地局捜査が恣意的に行われないように保護手段を強化しろ」と韓国政府に勧告した。 韓国政府は自由権審査の過程で集会への参加事実を確認する目的では基地局捜査を実施していないと主張したが、 自由権委員会はこの主張を受け入れなかった。

国連の勧告で、韓国の情報機関や捜査機関の態度が変わるかどうかは未知数だ。 すでに政府は国家人権委の勧告を受け入れないことにした。 無差別監視で得をする人々が、自分の首に鈴を付けることを期待するのは難しい。 国会が動いて法制度を改善すれば、多少は状況が良くなるかもしれない。 監視が強化されるほど、通信秘密保護法改善への社会的な要求も強くなる。 4月にはサイバー査察の被害者をはじめ3千人の市民が、基地局捜査の対象を特定犯罪に最小化し裁判所の許可要件を強化するという内容の 「サイバー査察禁止法」を立法請願したが、国会はこの問題を無視している。

いや、むしろ国会は監聴強化法を通過させようとしている。 政府と与党はテロ防止という理由を上げている。 だが政府と与党が通過させようとしている通信秘密保護法改正案は、 国家情報院のために国内すべての通信事業者に対し監聴設備の設置を義務化する内容だ。 その名分は、捜査機関には携帯電話とSNSの監聴ができないということだ。 だが最近の政府の公式統計によれば、検察、警察、軍捜査機関の監聴件数をすべて合計しても41件に過ぎないのに比べ、 国家情報院だけで2791件の監聴を行ない、全監聴件数の98.6%を一人占めしている。 監聴法は一般の犯罪捜査をしない国家情報院のためのものだ。 なぜテロ防止のために、いつも国内の政治と選挙に介入する国家情報院の監聴を強化しなければならないのかわからない。 その上、カカオトーク監聴が再開された状況で、SNSが覗けないだとか、 イタリアのハッキングプログラムを使いながら、携帯電話の盗み聴きができないだのというのか、まったく分からない。

そのためか、韓国の通信監視に対する国連の憂慮は深い。 自由権委員会の勧告がさらに2つある。 「国家情報院の通信捜査を監督するしくみを導入しなければならない」と 「利用者情報は令状がある時に限り提供しなければならない」というものだ。 国会が通信秘密保護法を手に入れたければ、まず国連の勧告に従わなければならない。 基地局捜査制限、国家情報院監督、利用者情報提供に令状主義導入!

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2015-11-26 12:39:30 / Last modified on 2015-11-26 12:43:36 Copyright: Default

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