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「総督府も検認定制を維持したのに...」

歴史教師の97%が「国定教科書反対」

イ・チャンヨル記者 2014.08.26 18:05

▲国会は25日午後、議員会館で「韓国史教科書『国定転換』、何が問題か?」を主題とする討論会を開いた。[出処:教育希望イ・チャンヨル記者]

韓国史教科書の「国定転換」の問題を緊急に診断する討論会が8月25日午後、 国会議員会館で開かれた。 この日の討論会は、歴史の正義実践連帯と金太年(キム・テニョン)・都鍾煥(ト・ジョンファン)・安敏錫(アン・ミンソク)・柳基洪(ユ・ギホン)などの新政治民主連合議員、 正義党鄭(チョン)ジヌ議員が共同で主催した。 討論会の参席者は口を揃えて韓国史教科書の国定化に反対した。

「日帝朝鮮総督府の教科書も『検認定』だった」

歴史の正義実践連帯のイ・ジュンシク政策委員長が 「維新体制と国定教科書-支配イデオロギーの道具になった教科書」を主題としてまず火ぶたを切った。

イ委員長は教育部が韓国史教科書の国定化推進に未練を捨てられない背景には、 昨年、教学社が発行した韓国史教科書の採択率が「0%」を記録した事実に関係があると診断した。

イ委員長は 「教科書として使うには不十分な『雑書』というのが学界と教育界の評価であり、 ほとんどの国民もこうした評価に同意した形」とし 「しかし朴槿恵(パク・クネ)政権は、時代遅れの『歴史教育の国家統制』という無駄な夢を放棄せず、 今度は韓国史の教科書を維新体制のように国定制に変えようと試みている」と指摘した。

イ委員長はまた 「1974年以前も中・高校国史教科書発行は検定制だった」とし 「その上、日帝植民地時期に朝鮮を統治した朝鮮総督府も、 国定ではなく検定制教科書を維持した」と強調した。

イ委員長によれば、維新体制下での国定教科書は1974年と1979年に二回発行された。 イ委員長は「当時の教科書を見ると、5・16軍事クーデター以後、 大韓民国には朴正煕(パク・チョンヒ)1人、または朴正煕(パク・チョンヒ)政権しか存在しない」とし 「結局こうした政権を称賛する歴史の記述が意図するのは、 育つ世代に維新イデオロギーを内面化することにより維新独裁に対する永遠の忠誠を担保するところにあったこと」と指摘した。

歴史教師の97%が国定教科書に反対する理由...

全国歴史教師の会のチョ・ハンギョン(京畿道、富川女子高歴史教師)会長は、 学校現場の歴史教師が韓国史教科書国定化に反対する理由を説明した。

全国歴史教師の会と歴史教育研究所が共同で7月11日から17日まで、 全国の歴史教師858人を対象としてアンケート調査をした結果、 回答者の97.0%(828人)は韓国史教科書の国定転換に「反対」と答えた。 「賛成」の返事は3.0%(26人)に過ぎなかった。

望ましい韓国史教科書の発行体制を問う質問には 「検認定制」が68.8%(589人)で最も多かった。 「自由発行制」(28.6%、245人)と「国定制」(2.6%、22人)がそれに続いた。 国定に転換せず、教育部の編修機能を強化する方案についても91.7%(774人)は 「必要ない」と答えた。

これは、与党と教育部の韓国史教科書の国定転換に現場教師が 強い拒否感を持っていることを示している。

チョ・ハンギョン会長は 「正解は国定制転換でも編修官制度の復活でもない。 今、教育部がすべきことは、現在の検定制度を趣旨に合わせて着実に運営し、 国家の統制を最小にして、多様で創意的な歴史教科書を学校現場に普及すること」と強調した。

「国定教科書そのものが反教育的」

全国教職員労働組合(全教組)のチン・ヨンヒョ正しい教育室長は 「国定教科書は教育的ではない」と断言した。 国定教科書は画一性そのものであり、思想と理念を別として、 教育原理に適さないという指摘だ。

チン室長は 「国定教科書は、国家だけが唯一教育課程を解釈できるということを前提として、 一つの教科書だけを開発し、教育の多様性を制限しようとする制度」と規定した。 チン室長はまた 「韓国史教科書の国定化は、李明博政権の時から続いてきたニューライトの教科書掌握の陰謀」と指摘し 「こうした教科書国定化の試みは、韓国史だけでなく、 国語、道徳、社会など他の教科に拡大する」と憂慮した。

国定教科書、学生の「教育を受ける権利」を侵害

亜洲大学校法学専門大学院のオ・ドンソク教授と民主社会のための弁護士の会(民主弁護士会)のソン・ヨンシル弁護士は、 教科書国定制に対する法律的検討意見を出した。

オ教授は 「韓国史教科書の国定化は学生の観点から見れば人間の尊厳、知る権利と教育を受ける権利を侵害し、 教師の立場から見れば学問の自由、表現の自由を侵害し、 教育の立場から見れば教育の自主性・専門性・政治中立を侵害し、違憲的」と主張した。

憲法裁判所は1992年に教科書の検定・認定制と国定制はどれも合憲だと判断したが、 法的な議論の余地があるという。

ソン弁護士もオ教授と同じ見解だが、オ教授はさらに一歩踏み込んで 「教育部が韓国史教科書国定化を強行すれば、 行政訴訟でこれを無力化させる」と主張した。

ソン弁護士は「1992年の憲法裁判所判決の論理は、 教科書の発行に国家が介入したのは正当だということに焦点を合わせている。 だが今回の教科書国定化の問題は違う。 現行の教科書検定制でも教育の公共性と教育の質を十分に保障できるのに、 あえて国定制を導入し、基本権を制限する理由がないという点を強調すれば、 違憲性を立証するのは難しくない」と見通した。

ソン弁護士はまた 「国定教科書で授業をすることになる学生と教師が一次的に基本権を侵害されるので、 彼らが原告になれる」と説明した。(記事提携=教育希望)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-08-27 08:30:25 / Last modified on 2014-08-27 08:30:26 Copyright: Default

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