本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:「保育園の全面休業は院長の私腹を肥やす」...保育の公共性に逆行
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1330512052405St...
Status: published
View


「保育園の全面休業は、院長の私腹を肥やす」...保育の公共性に逆行

容易ではない『無償保育』、団体により立場は様々...『保育教師処遇改善』は共通

ソン・ジフン修習記者 2012.02.28 14:39

韓国保育園総連合会民間分科委員会は、2月24日に声明を出して、保育料の 現実化と保健福祉部のさらなる規制緩和を要求して27日の全面休業を予告した。 全国の民間保育園が休業すると『保育大乱』と呼ばれる程、大きな混乱が 予想されていたが、休業に賛同した保育園が多くなく、心配されていたような 混乱は避けられた。しかし議論は続いている。

連合会民間分科委員会のチャン・ジナン非常対策委員長は28日午前、仏教放送 『チョン・ギョンユンの朝ジャーナル』に出演して「満5歳児の場合、標準保育 の原価は28万4千ウォンだが、3月に政府が支給した保育支援費は20万ウォン」 とし、政府の保育支援が現実からかけ離れていると主張した。

彼は続いて「物価引上げ率を考えれば、保健福祉部の標準保育原価自体も 現実性がないのに、それさえきちんと支給されない」とし、保育料収納限度額 を引き上げて支援金を増やし、「政府が実質的な100%無償保育」を実施しろと 主張した。

▲公共運輸労組保育協議会

だがこれに対して一線の保育教師は民間保育園の休業を「保育の公共性に逆行 し、自分たちの腹を肥やそうとするもの」とし『民間保育園院長の会』である 連合会が保育料を上げて規制を緩和し、さらに多くの利益をあげようとしていると 反発している。

公共運輸労組所属保育協議会は27日に発表した声明書で「民間保育園はすでに 利益追求の対象に転落している。現在のような保育政策では、保育の質を確保 できない。政府は民間保育園の拡張を根幹とする保育政策を廃棄して、国公立 保育園の拡充、保育教師処遇の改善のような政策を即刻出せ」とし、政府と 民間保育園をまとめて非難した。

また、保育教師は、連合会が教師の処遇改善を口にしているが『まったく おかしい』と批判した。公共運輸労組関係者はチャムセサンとの電話通話で 「(民間保育園院長が)これまで保育教師の賃上げと処遇改善には全く関心を 見せなかったのに、自分たちの実利のために保育教師の処遇改善問題を使い、 世論を糊塗している」と話した。つまり連帯会議の真意が疑わしいということだ。

保健福祉部による民間保育園の規制が強すぎるという連帯会議の主張にも、 保育教師の批判は続いた。

連合会は、保健福祉部の代表的な規制として『特別活動費』の規制をあげる。 特別活動費は、標準保育過程の他に、保育園が別に講師を採用して進める 体育や外国語などの特別学習にかかる費用だ。

だが特別活動費は父兄の保育負担を高め、地域別、所得別に教育格差を発生 させるという社会的な問題が絶えず提起されていた。特別活動費の策定に細部の 項目を示さず総額だけを記入する民間保育園の主張は、財政の不透明性と父兄の 過度な保育費負担を誘発する憂慮もある。

公共運輸労組の関係者は「特別活動費の規制をなせというのは、結局これまでの 保育費よりさらに多くの金を受け取りたいという意味」とし「細部項目も示さず 使い道もわからず、さらに多くの保育費を取り、父兄の保育費負担を増加させる」 と連帯会議の主張に反論した。

連合会が休業を予告して押し出したのも、保育教師処遇改善であることからも わかるように、現在、最も中心的な争点は、保育教師の処遇問題だ。

実際に、保育教師は最低賃金に近い給与で一日12時間近く労働する。保育職員 の賃金は、保健福祉部が指定した号俸で決定されるが、保健福祉部が今年の保育 教職員の賃金を凍結したためだ。すべての保育関連団体が立ち上がる程、劣悪な 労働環境だ。勤労基準法は一日8時間労働を法で規定しており、超過勤務時は1.5倍の 賃金を支払うことになっている。

『公共運輸労組保育協議会』は24日にソウルの普信閣で開かれた『公共運輸労組 保育協議会文化祭』で、「政府が無償保育を騒ぎ立て、今年の保育予算を36% 増額したが、保育労働者の処遇改善予算は後まわしだ」とし、保育教師の賃金 現実化と労働条件の改善を要求した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-02-29 19:40:52 / Last modified on 2012-02-29 19:40:57 Copyright: Default

関連記事キーワード



このフォルダのファイル一覧上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について