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米州首脳会談、最終宣言を採択できずに閉会

「人権としての医療」を拒否したオバマ大統領

ウォン・ヨンス客員記者 2015.04.22 18:31

▲4月10〜11日パナマで7次米州機構(OAS)首脳会談が開かれた。[出処:OEA-OAS]

医療は人権ではない?
「人権としての医療」を拒否したオバマ大統領

4月10日〜11日にパナマで開かれた米州機構(OAS)7次首脳会談は、 キューバのラウル・カストロが参加して世界の注目をあびた。 ラウル・カストロは1962年のキューバ革命の直後に米州機構から追放された。

米国は昨年12月27日、キューバとの関係を正常化し、歴史的和解局面になるかに見えた。 しかしオバマ政府は1月27日、ベネズエラを米国の安保の威嚇と宣言し、 ラテンアメリカ諸国の反発をかった。

米国とカナダは米州機構33の会員国の全幅の支持を受けている最終宣言を拒否した。 4か月間の事前協議で作成された草案の8項目の中には、 人権としての医療、開発途上国への技術移転、電子諜報行為の中止、オバマの行政命令撤回などの項目が含まれていた。 最終宣言は全員一致で採択しなければならないが、 米国とカナダが拒否権を行使して結局、採択できなかった。 2012年の首脳会談もキューバ封鎖に反対する文句に米国が反対したため、 最終宣言が採択されなかった。

首脳会談で最終宣言を採択できなかった最大の理由の一つは、米国側が 「医療は人権」という条項に最後まで反対したためだ。 ボリビアのエボ・モラレス大統領は、米国のバラク・オバマ大統領を強力に非難した。 オバマは医療は特権であり、個人の支払能力に基づくサービスだと主張した。 これに対してモラレスは「宣言の草案の重要なポイントは『人権としての医療』だが、 米政府は医療を人権と見なすことを拒否した。 オバマ大統領は受け入れることを拒否した」と指摘した。

ラテンアメリカのニュース・ネットワーク、テレスールの報道によれば、 7次米州首脳会談が最終宣言なしで閉幕したのは一部の条項に米政府が反対意見を出したためだ。 オバマ大統領が直接反対した。 参加したアルゼンチンのエクトル・ティメルマン外相は 「大統領の間で論争が行われた」と確認した。

「ベネズエラは米国の威嚇ではない」
ラテンアメリカの首脳は口を揃えて米国を非難

今回の首脳会談で、ベネズエラを米国の国家安保の威嚇だと規定したオバマによる3月9日の執行命令に対し、 ラテンアメリカの指導者たちはいっせいに米政府を激しく非難した。 ラテンアメリカ-カリブ共同体(CELAC)33の会員国も全てオバマの行政命令と制裁措置を批判した。

今回の会談に初めて参加したキューバのラウル・カストロは、 米国との関係改善措置を肯定的に評価しつつ、 米国のベネズエラに対する敵対的態度を非難し、一方的な制裁を撤回するよう要求した。

エクアドルのラファエル・コレアも 「オバマの執行命令は国際法違反」だと非難した。 ブラジルのジルマ・ルセフ大統領は 「新しい時代に『一方的孤立措置』はもはや通用しない」と ベネズエラに対する制裁を拒否すると明らかにした。

ウルグアイのタバレ・バスケス、ボリビアのエボ・モラレス、ニカラグアのダニエル・オルテガ、エルサルバドルのサルバドル・サンチェスも、 米国の一方的なベネズエラ制裁を強い調子で非難した。 米国に対する批判がいっせいにあがると、 オバマはコロンビア大統領との面談を理由に会談場を出た。

オバマと米国側の官僚は、ベネズエラが米国の威嚇ではないという点は認めたが、 人権侵害と腐敗などの問題を理由として現在の制裁を撤回する意思はないと明らかにした。 オバマと10分間、非公開で会談したベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は、 オバマにベネズエラの立場を伝えたと話し、 世界で1300万人の執行命令反対の署名を受けたと明らかにした。

4月15日のボリビアのモラレス大統領の発言

「米国は、ラテンアメリカとカリブ海を自分の裏庭と見なしてきたし、 この地域の民衆を自分の奴隷と見なしてきた。 これがまさにこの地域に極度の貧困が存在する理由だ。 米国に尋ねる。 私たちを米国の奴隷扱いすることを正当化するために、何をしたのか? オバマ大統領、あなたに話したいが、ラテンアメリカは完全に変わった。 われわれはもうこれ以上服従はしない。 われらの国でクーデターを起こすのはもう可能ではない。 われわれ自身の未来は、自分たちで決める。 われわれはこれ以上、米国帝国主義の陰の中にはいない。 私たちが考えることを語る。 われわれは、あなたがわれわれの民主主義とわれわれの主権を尊重することを要求する。 ラテンアメリカは米国に拉致され続けてきた。 われわれはこれ以上、こうしたことが続くことを望まない。 われわれはこれ以上、われわれを威嚇だと宣言する米国大統領の行政命令を望まない。 われわれは、米国が私たちにスパイ行為をすることを望まない。 われわれは、米国に文明全体の破壊を中断しろと要求する。」

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2015-04-23 09:51:33 / Last modified on 2015-04-23 09:52:39 Copyright: Default

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