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ウクライナ反政府デモ、誰がなぜ?

マイダン広場に集まった普通の人々、野党圏と右翼

チョン・ウニ記者 2014.01.24 19:00

「野党圏は単に権力を掌握したいだけなんです。 私は自由のために、そして権利が尊重される国で暮らしたいからここに来ました。 沈黙しません。」

ウクライナ反政府デモの中心地、首都キエフのマイダン・ネザレージュノスチ(独立広場)で暮らすウクライナ中部リヴィウ出身のイゴールが話した。 彼は野党圏の話には関心がない。 それでも政府を支持しているわけでもない。 彼は「TVを見て、政府のためにこれ以上座っていられなかった」とし 「私の人生で一番重要なことだと思ったからここにいる」と明らかにした。 彼の両親はキエフに行くなと言ったが無駄だったとドイツの進歩言論、ターゲスツァイトゥングが1月23日に伝えた。

ウクライナの反政府デモは、政府がヨーロッパ連合との経済協力のための協定を始めたが昨年11月に締結を中断し、これへの反発から始まった。 今年はじめ、しばらく静まっていたが数日前、政府と与党がデモ参加者の処罰と野党圏指向の言論に対する統制を大幅に強化する法を一瀉千里に通過させたことで、また火がついた。

都市の中の都市、マイダン

[出処:www.taz.de画面キャプチャー]

マスコミ各社は主に燃えている激戦地に照明を当てているが、マイダンとキエフの中心街ではテント座り込みも行われている。

多くのデモ隊が共同生活しているが、マイダン広場はデモの前より清潔だ。 マイダンは実際、都市の中の都市になり、バリケードで囲まれている。 広場に常駐するデモ隊の他にも、多くの人々は仕事が終われば広場にくる。 人々は単に広場に立ち寄ったり、あるいは食料品や医薬品を買ってきて支援したりもする。 バリケードを作る仕事を手伝ったり、医者は病院での診療が終わるとここに来て患者を世話したりもする。

娘と共にキエフで暮らすガリーナは業務の後にほぼ毎日、マイダンを訪れる。 「私は、娘が裏庭で百万長者に性暴行された後に殺されても、自分のミスで死んだと非難されるような国で育つことを望みません」と話す。

現地を取材したターゲスツァイトゥングによれば、マイダンのデモ参加者らは、レストラン従業員、サービス業者の労働者だ。 平凡な彼らは政府も野党圏も信じない。 彼らはロシアと西欧に分れて政治と経済を掌握する二つの支配勢力に、もう十分機会を与えたという立場だ。

ヨーロッパ連合を支持する野党圏連帯...「そいつがそいつ」

[出処:www.taz.de画面キャプチャー]

ウクライナには大きく5つの政党がある。 ヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領の与党であるウクライナ地域党、 オレンジ革命を率いたユーリヤ・ティモシェンコの祖国党、 世界ボクシングチャンピオン出身者が党首になったビタリ・クリチコの改革民主同盟、 極右民族主義のスバボーダ党、 そして旧ウクライナソビエト社会主義共和国を継承することを自任する共産党がある。 2012年の総選挙では、言及した順に支持率を確保したが、現在はビタリ・クリチコの改革民主同盟とスバボーダ党の支持率が高くなった。

共産党以外の3つの政党は、野党圏連帯を作って反政府デモを主導している。 1月23日、ドイツ左派ポータルのリンケツァイトゥングによれば、彼らは政府の腐敗、反民主主義を批判する一方、ヨーロッパ連合との協力を主張する。

こうした野党圏連帯はどれも、公式、非公式に米国とドイツの支援を受けている。 改革民主同盟はドイツのアンゲラ・メルケル総理のキリスト教民主連合(CDU)が、 スバボーダはドイツのナチス党の民族民主党(NPD)が支援している。 地域的にもロシアと近い東部では与党が、ヨーロッパと近い西部では野党圏連帯がそれぞれ根をおろしている。

与党はオレンジ革命の後、ある程度民主化された政治制度を後退させ、暴力政治と腐敗で、オレンジ革命を率いた祖国党は新自由主義的構造調整と腐敗で信任を失った。 その間で改革民主同盟が浮上しているが、自由主義的な指向のこの政党が、ウクライナ人の渇望にどの程度応えられるかは未知数だ。

右翼勢力拡大

[出処:www.taz.de画面キャプチャー]

ターゲスツァイトゥングは、ウクライナでの暴動は何よりも右翼と極端主義者などのためだと伝える。

デモ隊を抑圧する法案を発表した後の激烈な衝突は、野党圏をはじめ、誰にも予想できなかった。 しかしデモ現場での右翼の勢力はますます強まり、急進化している。 彼らには知られている指導者はなく、インターネットを通じて組織される。 彼らは先日、ロシアのソーシャルネットワークであるVKで1万人のフォローを確保していたが、最近では数日でその数が2万に増加した。 彼らはヨーロッパ連合との関係を拒否し、国家主義的な革命を望んでいる。

右翼勢力は、政府ばかりか米国やドイツからの後援を受け、権力者と秘密裏に協力してきた伝統的な野党圏への失望に基づいている。

ウクライナ政府は23日、3人の野党指導者と会い、双方とも流血を自制することにした。 だが交渉の結果については互いに異なる評価をしており、デモ者も反発しているため、抵抗と対立は続きそうだ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


ウクライナ、デモ激化...デモ隊、政府庁舎を占拠

大統領、内閣改編で譲歩...「デモ隊、今すぐ退陣」

チョン・ウニ記者 2014.01.25 14:11

ウクライナ政府と野党圏との交渉の後、反政府デモがまた激しくなった。ウクライナのデモ隊は西部の6つの地方庁舎を侵奪し、占拠した。野党圏はデモ隊への統制力を失っている。

外信によれば、1月23日から24日(現地時間)の2日間、デモ隊はウクライナの農産部庁舎と西部の6つの地方庁舎を占拠した。 右翼デモ隊は、リビウ、テルノーピリ、リウネ、ルーツィクとイヴァーノ=フランキーウシクを占拠し、ヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領が任命した州知事に辞任を認めろと要求した。 一方、デモ隊はキエフ西部のチェルノビキ(Tschernowcy)地方庁舎を占拠したが、また警察が奪還し、この過程で58人を連行した。 またデモ隊はジトームィルでも官庁の襲撃を試みたが失敗した。

[出処:シュピーゲル画面キャプチャー]

ユンゲヴェルトは「ウクライナ西部でのクーデター」という題でこれを報じ、地域庁舎を占拠したデモ隊は極右勢力だと伝えた。 チェルノビキ、リウネ地域の官庁襲撃場面のインターネット動画では、覆面をした数百人が「ウクライナに栄光を」、「英雄に栄光を」という古典的な極右のシュプレヒコールをあげ、群衆の間にはファシスト組織であるUNA-UNSOの黒赤旗が見える。

キエフにある農産部建物を占拠した人々は右翼勢力の「右翼セクター」運動の支持者で、右翼国家主義者の拠点であるリビウでは、インターネット放送局ZIK TVに自称軍事専門家が出演し、デモ隊に対し武装して警察を阻止しろと要求した。

ユンゲヴェルトはウクライナ西部の地方庁舎侵奪と占拠について、今まで大統領に忠誠をつくしてきた東部出身の警察に対する威嚇の一部だと評した。

▲22日、反政府デモ隊が都心で政府支持者と推定される人々を連行した。[出処:ユンゲヴェルト画面キャプチャー]

一方、24日夜10時頃(現地時間)、キエフではデモ隊が政府と野党圏との交渉の結果を批判し、大統領宮方向にデモ行進をした。 デモ隊はまた、キエフ中心部のバリケードに火を付けて警察と対峙、警察に火炎瓶と石を投げ、警察は催涙弾と放水銃で対応した。

ウクライナ政府と野党圏との交渉で、野党圏は大統領辞任と早期の大統領選挙と総選挙を要求したが、ヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領はこれを拒否した。 しかし大統領は内閣改編、連行されたデモ隊の全員釈放と、最近改正されたデモ統制法の再議論を約束したが、デモ隊の反発を静めることはできなかった。

代表的な野党圏指導者といわれるボクシングの世界チャンピオン出身のビタリ・クリチコ改革民主同盟党首は「流血のない権力交替はまだ可能だ」とし、デモ隊に暴動を自制するよう要求したが無駄だった。 これについて外信は、野党圏の政治家たちがデモ運動の統制力を失っていると報道した。

ウクライナの内務部は現在、キエフでスポーツ用に使われる武器を販売するすべての建物の扉を閉めるよう命令した。 野党圏によれば、現在のところ激烈な衝突で最低5人が死亡し、1700名が負傷した。 女性1人も失踪したという。

[出処:シュピーゲル画面キャプチャー]

[出処:シュピーゲル画面キャプチャー]

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


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