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顧客の苦情が労組弾圧の道具に、南原から浦項に追い出されたKT職員

[監視統制、崖っぷちの感情労働者](7)人員退出プログラムの結末、死んでいくKT労働者

チョン・ヨンギル記者 2013.11.20 16:26

KT浦項支社で勤務するウォン・ビョンヒ(50)氏は、今日も退勤後にあるサウナへ 向かう。彼にこのサウナは宿泊する家になった。家を失ったわけでも、莫大な 借金があったわけでもない。サウナ生活が始まったのは今年3月からだった。 全羅北道の全州に家があった彼は、南原支社で勤務している間、今年3月2日付で 浦項支社への配転発令を受けた。個人的要請があったわけでも、全国的な循環 配置計画があったわけでもなかった。ただ指定して、全北南原から慶北浦項に 発令が出た。

▲KTの不当労働行為に1人デモをしているウォン・ビョンヒ氏

南原から浦項に...KT職員がサウナ生活?
労働弾圧に活用される感情労働評価

あきれる転勤発令に腹が立ったが、ウォン氏は理由を察していた。87年、韓国 電気通信公社だった時に入社したウォン氏は、労働組合活動をしたという理由で 解雇と停職通知を体験したためだ。

2009年、李錫采(イ・ソクチェ)元KT会長の就任を控えて株主総会に参加しよう としていたウォン氏は、入場を阻止された。KT職員で「私たちの社主」だった ウォン氏は、李錫采会長の構造調整計画を確認しようとしたが、逆に株主総会 妨害の容疑で告訴された。そのためウォン氏は2010年、家がある全州から南原 支社への配転発令を受ける。勤務を続け、手の手術をして病暇で治療を受けて いる間にウォン氏は2011年6月30日付で解雇通知書を受け取った。

「1年間は特別なことなく過ごしました。私の業務は苦情相談ですが、KTの商品 販売を指示する仕事です。商品の販売は私の所管ではないといいました。苦情 業務もしますが、商品の販売は容易ではなく、同僚は泣く泣く主に家族や近い 知人に売ります。商品強制販売は不公正取引なのでだめだと指摘しました」

解雇理由は一つではなかった。KTの苦情業務処理は3段階だ。普段受け付ける KT 100番コールセンターが1段階、100番で解決できない苦情を該当担当部署に 渡す2段階、この二段階を経ても解決できない苦情だけを受け付ける3段階。 ウォン氏はこの3段階の苦情業務と直接訪問した顧客苦情解決業務を担当する。

「2011年のある日、老人1人が支社に来て『お前が解約させただろう』と言って いたが、いきなり悪口を言い始めた。何の問題できたのかもわからなかった。 何度かそうして訪ねてきた。後で知った事実だが、その人は塾を運営していた 2006年頃、114掲載の名義を削除させたという理由であった。定額料金制割引を 受けるには商号は使えず、個人だけが可能だ。割引のために、当時の勤務者が 加入変更をしたためだった。私はその時、南原で働いてもいなかった。

請願人の親戚だという同僚の職員がその方に『痴呆』もあると話した。それで 本部にこうした状況だったと報告した。ところがその顧客がまた本社に来て 私を解雇しろという要請を何度かしたそうだ」

病院で通院治療を受けていた時にウォン氏はそうして解雇された。その後地方 労働委員会で不当解雇の判定を受け、2012年7月30日付で彼は復職した。復職後、 自分のコンピュータを開けてみると当時の苦情に関係する資料と疏明文書が すべて削除されていた。

「処罰のためにこうした方式を作ったりするんだな、と思った。92年から労働 組合活動を始めた。2002年に民営化したKTは、着実に構造調整を進めた。公社 だった時の給与体系で長期勤続者の年俸が多いといって追い出した。それと共 に、民営化反対の闘争をした民主労組組合員を中心として弾圧が進められた。 解雇と懲戒を受け、不当解雇という判定も受けた。それして今はVOC(顧客の声)を 解雇と懲戒の根拠にし始めた」

100番コールセンターの相談員がKT職員ではない?
3段階を経て増幅された不満、労働者に向けて発散

ウォン氏は復職後、たった一か月でまた停職3か月の懲戒を受けた。解雇期間中、 系列会社のKTCS労組幹部の自決で、遺族と共にKT本社を訪問したためだった。 業務妨害と名誉毀損による報復性の懲戒だ。また出勤して、一か月ほど勤めて、 突然浦項支社への配転発令を受け、縁故もない所にくることになった。

「浦項にきて、初めて苦情を扱い、何を言ってるのかもよくわからなかった。 慶尚道のなまりに適応するのが大変だった。語尾が下がる全羅道なまりで請願 人が突然『お前、今タメ口をきくのか』と激しくののしった。お前たちは俺の 料金で暮らしているのだから、私が何をしてもいいという調子で話す。縁故の ない浦項に発令された理由が推測できる」

苦情受付1段階の100番コールセンターは、KT職員ではない。100番の相談員は、 子会社(KTCS、KTis)の非正規職だ。2段階と3段階の職員はKT所属職員だ。100番 相談員とKT苦情勤務者は、互いに通話ができない。事前に苦情が解決できない 理由が何か、詳しく把握できない。苦情を提起する顧客はこうした内部体系を 知らない。

こうした体系は、民営化後にKTが収益経営に没頭して作られた。2008年、KTは 顧客苦情処理(VOC)業務と100番業務を外注化する。それと共に本社職員約550人 を転職させる。希望者を募集して転出した形だったが、KT民主同志会によれば 長期勤続者に出て行けという圧迫があったという。

そして3年経った2011年、またVOC業務をKTが回収する計画を明らかにして、 子会社で働いていた人は辞めたり100番相談業務に転換された。事実上のリストラ 計画だった。こうした複雑なKTの収益経営は、請願人にも複雑さを転嫁する。

「3段階の私たちにくる苦情は不満が増幅している。1段階と2段階を経ても解決 しなかったためだ。怒りや憎悪心でいっぱいだ。こうした部分を精神で耐え抜 かなければならない。

それでも100番相談員が悪いのでもない。彼らは自分の意志と判断で苦情を処理 できるわけではない。組まれたスクリプトをそのまま読むしかない。悪口を言っ た、セクハラ発言をした、与えられたスクリプトだけを繰り返すほかはない。 積もり積もっても解決しない理由だ」

KTCSの所属で100番コールセンターで働くA氏は「私たちが相談できることは決 まっている。マニュアルに明示された問題なら処理すれば良いが、そうでなけ れば渡すしかない。賃金も低く、契約職の形態で働くので、長く働いている人 はめずらしい。突発状況が発生しても処理できる権限もなく、解決方法を知ら ないことも多い」と話した。

100番相談員は業務量が多く、待機中の苦情は予約コールで処理する。ところが A氏は相談が多い時は予約コールを処理できない時もあるという。そのために、 顧客の不満はさらに積もり、そのまま労働者に向けられる。相談員を増やせば 簡単に解決する問題だが、人件費削減のためにリストラを施行したKTと子会社 に期待するのは難しそうだ。

「感情労働、顧客と労働者を争わせて利益をあげる経営陣の問題」

ウォン氏は苦情問題を解決するために数回本社に問題を提起した。KTの制度に より解決できない苦情は、相談員が相談しても解決しないからだ。だが戻った 返事は「わかっている。努力している」という言葉だった。

A氏は「顧客相談業務を遂行する私たちも、顧客になる時があります。その時は 他の相談員の気持ちが理解するが『お前も一度やられてみろ』という気がする 時がある」と話す。

ウォン氏は「本当の苦情解決は、請願人の意志を受け止め、長期的な解決方法 を探さなければならない。請願人も弱い人だ。料金に関してKTの料金が高いと いう問題提起は必要だ。しかし、これはコールセンターの職員が解決できない 政策的な問題だ。問題を解決すべき経営陣はこうした問題は無視して、労働者 の苦痛を増加させるだけだ」と話した。

毎年の業務評価が進行中で、ウォン氏も業務評価を待っている。評価の基準は 苦情解決の実績が50%、商品販売の実績が50%だ。商品販売に問題を提起したウォ ン氏が良い評価を受けるはずがない。もし南原のように顧客が「この職員は解雇 しろ」と要求でもすれば、彼はまた懲戒に直面するかもしれない。

「感情労働の評価が解雇と労組弾圧の道具になるのが現実だ。感情労働は、ブ ラックコンシューマーの問題でも、苦情を早く解決できない労働者の問題でも ない。顧客と労働者を別に分けて、互いに戦わせて職務遺棄する人の問題だ。 利益をあげる所がどこなのかを問わなければならない。人間を侮蔑するような 苦情を提起する理由は何か。ここから誰が評価するシステムを作ったのかを考 えなければならない」

この企画はニュースミン、ニュースセル、メディア忠清、蔚山ジャーナル、チャムセサン、チャムソリの共同企画です。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2013-11-20 22:24:15 / Last modified on 2013-11-20 22:25:31 Copyright: Default

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