
*レイバーネットMLから
ひょうたん島研究会・TT(高木@千葉高退教)です。
すべての友人の皆さんへ。
発表場所はないけど、次の雑文を書いたので紹介します。
根津さんの本、みんなで買ってくれると、ぼくも嬉しいです。
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読後雑感
『「日の丸・君が代」をめぐる私の現場闘争史』
T.T.0620(ひょうたん島研究会)
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「本」というものを読まなくなってから、何年経っただろうか?
正確には「読まなく」ではなく「読めなくなってから」なのだが、たぶん20年
くらいは経ったのだと思う。メールを始めたのが全ての原因で、「本」を読む時
間が確保できなくなったのだ。
そんなぼくが、今回1冊の「本」を読むことができた。その「本」とは−−根
津公子さん著『自分で考え判断する教育を求めて/「日の丸・君が代」をめぐる
私の現場闘争史』である。
著者の根津さんから直接買わせてもらったのが、11月13日(月)。その日から読
み始めて読了したのが、11月19日(日)。ちょうど1週間で読み終えたことになる。
たぶん20年?ぶりに読んだ「本」なので、「書評」などは当然書けないが、「若
干の雑感」を書くことにする。
(ア)この本にも当然多くの人物が登場するが、ぼくが一番興味を持って読ん
だのは、根津さんのご両親とお子さん(お兄さんと妹さん)の登場する場面であ
る。実は登場場面はほとんど一瞬なのだが、あの根津さんがどういうご両親のも
とで生まれ育ったのか、根津さんの闘いを支えたお子さんたちの思い−−みたい
なことを、勝手に想像しながら読んだ。
(イ)次はたくさん登場する一群の人たちである。それは在校生や卒業生たち。
「公的」な裁判での「陳述書」だけでなく、メール等での雑談まで含め、根津さ
んを応援したいという思いが伝わってくる。実はぼく、この本のほとんどは電車
の中、あるいは駅のベンチで読んだのだが、在校生・卒業生たちの言葉を読みな
がら泣きそうになってしまいました。
(ウ)「敵役」で登場する各学校の校長たち管理職も、けっこう面白い。「職
務命令発出」まではもちろんみんな同じなのだが、それ以外の場面での校長間の
「違い」がけっこう個性的で、興味深く読めた。
それに対し、都教委の役人たちもそれなりに登場したが、彼らにはほとんど
「表情の違い」が感じられなかった。
(エ)「日の丸・君が代」をめぐる「闘争史」なので、「裁判」のことを最後
にちょっとだけ書く。
「07年事件(鶴川二中)」の控訴審判決について、根津さんは次のように書く。
┌─────────────────────────────────┐
│ しかし、想像だにしなかったことが起きました。”当たりくじ”を引いた│
│のです。良心をもった裁判官(須藤典明裁判長)に出会うことができ、07年│
│(鶴川二中)停職6か月処分が15年5月に控訴審で逆転勝訴となり、16年5│
│月に最高裁もそれを「全員一致」で決定したのです。控訴審判決は、処分を│
│取り消しただけでなく、処分によって受けた精神的被害に対し、都に損害賠│
│償10万円の支払いも命じました。 │
└─────────────────────────────────┘
実はぼく、この判決を、傍聴席で直接聴いている。それも、根津さんのけっこ
う近くの席で。
この判決を聞いた時、根津さんは中身がよく理解できないようであった。隣の
弁護士さんが根津さんを指でツンツンした時、初めて逆転勝訴と理解したらしい。
「鳩が豆鉄砲を食ったよう」という表現がピッタリの根津さんの表情を、今で
も覚えている。
(オ)その他、都庁に何回か押しかけた−−という話もあるが、ぼく、端っこ
の方で参加した程度なので、省略する。(23/11/21早朝)
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TT <hyotantt0612@nifty.com>
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staff01.
Last modified on 2023-11-21 07:47:01
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