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LNJ Logo 12.2法案可決、共謀罪の対象犯罪拡大に強く反対します
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みなさま
角田です。
12月2日、参議院本会議で共謀罪の対象犯罪拡大をもぐりこませた
政府間機関 ・FATF(金融活動作業部会)の 勧告に基づく法案が可
決されました。
共謀罪NO!実行委員会、「秘密保護法」廃止へ!実行委員会の反対
声明です。
声明を添付しますので、ぜひご一読ください。

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共謀罪対象犯罪の拡大を強く批判します

2022年12月4日
共謀 NO !実行委員会
「秘密保護法」廃止へ!実行委員会

政府は、今臨時国会に政府間機関・ FATA ( 金融活動作業部会 ) の勧告をうけ、マネ
ーロンダリング(資金洗浄)関係の一括法案(正式名称「国際的な不正資金等の移動等
に対処するための国際連合安全保障理事会決議1267号等を踏まえ我が国が実施する
国際テロリストの財産の凍結等に関する特別措置法等の一部を改正する法律案」)に共
謀罪の対象犯罪の拡大をもぐりこませる形で提出しました。同法は10月26日に衆議
院に提出され、11月15日衆議院本会議で、12月2日参議院本会議で採決されまし
た。 FATA 勧 告法案といわれる同法案はマネーロンダリングなどにかかわる罪の法定刑
をを引き上げるものですが、これは6つの法案を一括して改正する「束ね法案」です。
私たちは、政府・法務省が共謀罪の対象犯罪を姑息なやり口で拡大したことに強く抗
議します。

言論・表現の自由を規制

共謀罪法は、市民が法律に違反する行為を実行しなくても話し合い、相談のするだけで
処罰できる恐るべき思想、言論弾圧法です。2003年に同法案は提出されましたが、世
論の強い批判をあび、三度も廃案に追い込まれました、2017年安倍政権のもと強行採
決され、制定されました。この際、同政権は参議院法務委員会での議論が白熱し、会期末
が近づき同法案の成立が危ぶまれる中で、法務委員会での審議を中断し、省略し、本会議
に上程するという暴挙にでたのです。同法は、こうした経過で成立した違憲の問題法案で
す。同法の廃止を求める声は根強く、そのため同法はいまだ一度も適用されていません。
こうした中で、共謀罪の対象犯罪が拡大されたのです。
共謀罪の勧告があったわけではない
同法案には、共謀罪の対象拡大がもぐりこまされています。 FATA は日本にマネロン関
係の犯罪の法定刑引き上げを求めていますが、共謀罪の適用を求めているわけではありま
せん。その点は、政府・法務省も衆参の内閣委員会の審議において共謀罪の勧告はなかっ
たと認めています。つまり、政府・法務省の判断で共謀罪の対象犯罪の拡大をおこなった
のです。政府は共謀罪の対象犯罪の拡大の理由を、日本が批准した国際組織犯罪防止条約
(以下、 TOC 条約と略)は長期4年以上の刑を共謀罪の対象とするよう求めており、そ
れ
に従っただけと強弁しています。同法案は、共謀罪が包摂されている「組織的犯罪の処罰
及び犯罪収益の規制等に関する法律」の一部を改正し、「犯罪収益収受罪」が3年から7
年に、「麻薬特例法」の改正で「薬物犯罪収益等収受罪」の刑も同じく3年から7年に引
き上げています。二つの罪が長期4年以上の刑になったので、共謀罪の対象犯罪としたと
いうのです。この説明は全く信用できません。
因みに、 FATA は政府間機関であり、各国の法執行機関関係者で構成され、市民の人権
保障について関心が薄いといわれ、法律家団体、人権団体から批判されています。、

対象犯罪のさらなる拡大を意図

TOC 条約は、国境をこえておこなわれているような、広範に行われている組織犯罪を対
象にするとしています。政府・法務省は同条約が長期4年以上の刑を共謀罪の犯罪対象に
していることから、それに該当する国内の犯罪をすべて対象犯罪にしようとしたのです。
その
結果、対象犯罪の数は619となりました。市民が法律名さえ知らない罪名まで対象にな
っ
ていました。この条約の趣旨を逸脱した政府・法務省の姿勢に世論の強い批判がまきおこ
り、
対象犯罪は277ヘと削減されました。
政府・法務省は、法案の修正で共謀罪法を強行採決し、同条約を締結しました。これは、
政府・法務省が、同条約との関係で共謀罪の対象犯罪は277と認めたことにほかなりませ
ん。ここにきて、同条約を理由に違憲の共謀罪の対象犯罪を拡大するなどということは絶対
に認めることはできません。
私たちは、日本の法体系は整備されており、 TOC 条約を締結するために国内法・共謀罪
法を制定する必要はないと主張してきました。そのことは、共謀罪が制定されて7年たち、
同法が一度も適用されていないことからも明白です。
今回の共謀罪の対象犯罪の拡大は、政府・法務省が共謀罪の対象犯罪の拡大への道を開く
ために行おうとしたものです。これを容認するならば、世論の批判の前に共謀罪の対象犯罪
からはずされた多くの長期4年以上の刑の罪が次々に共謀罪対象犯罪にされてしまいます。
と同時に、今回の FATA 勧 告法案でしめされたことは、政府が姑息なやり方でしか共謀
罪の
対象犯罪の拡大をできないこと、共謀罪の是非をめぐる議論が焦点化することを恐れてい
るこ
とを明らかにしました。
私たちは、改めて言論、表現の自由を規制し、団体の活動を制限しようとする共謀罪の廃
止に向けてたたかうことを宣言します。

Created by staff01. Last modified on 2022-12-05 09:05:33 Copyright: Default

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