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安倍元首相「国葬」閣議決定に抗議し、「国葬」と「国葬」弔意・半旗掲揚・黙とうの強制に反対する!

2022年7月31日 ユニオンと連帯する市民の会

岸田政権は、7月22日午前の閣議決定で、安倍元首相「国葬」を9月27日に日本武道館で行うことを決定した。政府は「国民に政治的評価や、喪に服することを求めるものではない」とするが、「国葬」を行うことが弔意の強制である。「国葬」の対象や形式、手続きなどを定めた法令はなく、岸田首相は、内閣府設置法第4条『国の儀式』を根拠にし、費用は全額国税から支出される。戦前の「国葬令」は、戦後、日本国憲法制定により1947年に失効した。「国葬」の法律・基準がない中、岸田政権は政治判断で決めた。安倍元首相「国葬」は、本来は個人の自由意思であるべき弔意を、安倍元首相が行ってきた行為を国として正当なものとして評価し、国と「国民」をあげて安倍元首相を追悼することが正しいと国が「国民」に押し付けることになる。「国葬」に伴う半旗の掲揚や黙とう等が強制される弔意・追悼の押し付けは、日本国憲法第19条の「思想良心の自由」を侵害し決して許されないものである。

「国葬」とは、国費を投じて「国民」に追悼を強いるものである。日本のアジア侵略戦争の指導者である東郷平八郎が1934年6月、山本五十六が1943年6月、「国葬令」による「国葬」が行われた。戦後、1967年に「閣議決定」による「国葬儀」という形で吉田茂元首相の「国葬」が行われた。1967年10月の吉田元首相の「国葬」以降の首相経験者の葬儀は、内閣と自民党の合同葬が大半である。安倍元首相以前に首相連続在任最長の7年8カ月の佐藤栄作元首相は、政府、自民党、国民有志による「国民葬」、1980年の大平元首相以降は、首相経験者の葬儀は政府と自民党の合同葬が慣例となり、2020年の中曽根康弘元首相の葬儀も政府と自民党の合同葬だった。安倍元首相「国葬」閣議決定の問題は、「国葬」の法的根拠や国税使用以上に、「国葬」強行によって安倍元首相と「安倍政治」全体の礼賛を強要することにある。

安倍礼賛の「国葬」の前に考えるべきは、安倍元首相は何をしたかである。沖縄の民意を踏みにじり辺野古新基地建設を強力に進め、日米地位協定見直し要求も無視し続けた。安倍元首相の「台湾有事は日本有事」、「核共有」などの発言は、日本を再び戦場にしようとするものであり、在任期間を通して人権無視と民主主義を空洞化させた。「安保法制」等で強行採決を重ね、森友・加計問題、桜を見る会問題では、権力の私物化を続け、国会では虚偽答弁を積み重ね、公文書改ざんなどを引き起こし、証拠隠滅と責任者逃れを行い、赤木俊夫さんを自死に追いやった。愛国心教育強化の教育基本法改悪、「集団的自衛権行使」の名で海外派兵を行える「安保法制」制定、人権侵害の「秘密保護法」や「共謀罪法」制定などを行った。

安倍政権「アベノミクス」下で、非正規労働者の増大と低賃金構造を維持しながら大企業は肥え太り、中小企業倒産も増え、労働組合つぶし攻撃や過労死・過労自死で労働者が亡くなる事態も起きている。

私たちは、安倍元首相銃撃事件の社会的背景にも留意する。事件の容疑者は、「旧統一教会に家庭を破壊された、安倍元首相がその旧統一教会の支援者であるので殺した」、「2021年の旧統一教会の式典に安倍元首相がビデオメッセージを送り、それを見たことも今回の事件につながった」と供述している。政府・自民党は、旧統一教会から選挙における組織票、事務所スタッフの提供、献金を受け、1990年初頭には国会に200人もの「勝共推進議員」が存在した。第2次安倍政権以降、安倍晋三氏は選挙支援等で旧統一教会への依存を深め、2013年参院選以降、選挙支援と献金により関係は維持強化され続けている。

安倍元首相「国葬」は国費を投じて追悼を強制するものであり、在任中一貫して改憲・海外派兵を狙ってきた安倍元首相の「国葬」と弔意強制に断固抗議し、多くの人々と共に共同で闘うことを表明する。


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