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新たな闘いのスタート〜尾澤裁判初公判を傍聴して

白田真希(尾澤孝司裁判を支援する会・埼玉)

 韓国サンケン労組支援の行動の中で起きた弾圧事件−尾澤裁判の初公判が11月9日、さいたま地裁で開かれました。
 開廷前、尾沢孝司さんを支える会、韓国サンケン労組を支援する会が「公正な『無罪判決』を求める署名」を提出するとともに「公判を大法廷で行うこと」「動画の再生は大画面を利用すること」「予断と偏見をやめ公平な裁判を行うこと」「傍聴券配布を他の裁判同様に30分前にしてほしい」等の申し入れを行いました。尾澤孝司さん、つれあいの邦子さん、そして支援者からの口頭での申し入れに対し、対応した管理官は「ご意見として承ります」という通り一遍のまさにお役所的対応。誠意の欠片も感じることはできませんでした。

 これらの申し入れは裁判の冒頭で弁護団も行いましたが、裁判長の答えは全て「このまま行う」であり理由も言いませんでした。尾澤さんが発言しようとすると言葉を荒げるようにそれを止め、この姿勢は一貫しており、まさに「予断と偏見」に満ちたものでした。  狭い傍聴席を取り囲むように5人の廷吏。さらに廊下にも数名の廷吏が控えていました。

 裁判長は法廷よりも傍聴席ばかり見ているようで、あまりにもひどい訴訟指揮に傍聴者から思わず抗議の声が上がると逐一誰であるかを指摘し「次に発言したら退廷させる」と、脅すかのように言い続けました。また廷吏たちも、傍聴席から咳ひとつ上がるだけで立ち上がり威圧しました。

 当日の映像を見ながらの証拠調べでは、大きなモニターを使わず傍聴者には見せず、音声があった15分のみ聞くことができましたが、1時間は何も見えず何も聞こえずただじっと法廷を見ているだけ。裁判長はモニターよりも傍聴席ばかり見ているのです。たまりかねた傍聴者が「モニターを見ていない」と声を上げると、裁判長は色を成して「裁判官に何を言っているか」「私に対して何か言うな」と声を荒げたのです。痛いところを衝かれたのでしょうが、その後もますます傍聴席ばかりを見ていました。

 証拠調べはまさに苦行のような時間でしたが、尾澤さんの冒頭陳述は逮捕・起訴の不当性、そしてこの労働争議がどういうものか、なぜ関わるようになったかのかの堂々たる主張で、尾澤さんとともに私たちがこの2年間闘ってきた韓国サンケン労組支援は正しかったのだと改めて確信すると同時に、尾澤裁判に勝利することが韓国サンケン労組の皆さんにも報いることになるのだと決意を新たにしたのでした。

 韓国サンケン労組を代表して駆けつけて下さったオ・ヘジンさんが報告集会で「真実は沈まない、嘘は真(まこと)に勝てないという言葉が韓国で広まりました。真実が何なのか、日本政府と資本が結託して作り上げた嘘が何なのかということが、皆さんと尾澤さんの闘いによって明らかになると思います。私たちも勝利の日まで闘います」という言葉を胸に刻み、全て傍聴するつもりです。


Created by staff01. Last modified on 2022-11-13 10:01:32 Copyright: Default

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