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武器は人を生かすことはない〜志葉玲さんがウクライナ取材報告

笠原眞弓

9月23日、「武器はこうして使われた〜ウクライナ、パレスチナから武器見本市を問う」と題した志葉玲さん、杉原浩司さん、小寺隆幸さんのお話を聞く会が千葉県弁護士会館であり100人(主催者発表)が集まった。主催は、幕張メッセでの武器見本市に反対する会・安保関連法に反対するママの会@ちばの会。

志葉さんは、ウクライナに単独取材に行った話から始める。報道の中立性を保つのに、何 かあった場合のために、メディアであるという証明書はもらったが、それ以外はウクライ ナ政府の世話にならず、取材ツァーにも参加せず、現地に入ったという。

ということは、彼の見たものは政府の作られた、あるいは発信したい情報ではないありの ままの姿ということだ。ある時は、ウクライナ兵士の話を聞いていて現場を離れた直後に 爆撃があり、すんでのところで…という場面もあったと。直後に車に避難した短い動画に 、青ざめた志葉さんが現れ、声も上ずっていて、一緒に怖くなった。相手はこれが日常だ という言葉に、ゾッーとし、戦場の惨状が想像できた。

ブチャで彼は、被害にあった人から直接話を聞いている。その状況は、ロシアが言うのと は違うと。インフラが破壊され、水を求めて外に出ただけで殺害される。墓地での大量の 遺体…など、聴くに忍びない。4割がロシア語の話者であるところでのこの紛争は、いっ たい何なのか。このままだといつロシアが核兵器を使うかと心配する。今世界で核兵器廃 絶の運動があるが、これも被爆者自らが世界を回り破棄を訴えたから。国葬やるより、彼 らと共に核兵器廃絶を訴える方がいいのでは?と投げかける。

一方イスラエルでは、一時停戦中でも無人攻撃機で子どもを狙い撃ちにしていた。救急車 の狙い撃ちも日常的にあったとか。これはれっきとした戦争犯罪で、そういう国が、武器 見本市に出展するなんて、考えられないと怒る。中東の国々は、自分たちと重ねてか、ウ クライナへの攻撃を批判しているという。

戦闘機など、まるで分からないが、現場写真はかなり迫力だった。

杉原さんは、日本で武器見本市が開催されると知った時から、展示物を見て発信し、防衛 相や外務省などに抗議をしてきた。

展示物の説明書きに「(前モデルより)殺傷能力を向上しました」「戦場で実証済み」と 書いてあり、それは何を意味するかとゾーッとしたという。イギリスの大手武器会社は、 初の海外見本市を日本でする。日本も紛争加害国に売ろうと、あの手こと手で、探る。日 本は今武器そのものは輸出できないので、相手国と共同開発という形などで売ろうとして いるということだ。

9月27日にキーフで、武器見本市があるが、今のところ日本政府はいかないということだ。そういう中で、河野太郎はウクライナから要請された武器の提供を断ったことを「チャンスがあれば供与して実力を示す必要がある。今回もそのチャンスを逃した」という。日本は武器は輸出できないのに。

小寺さんは、日本の学術会議が軍用研究は行わないことにしていることの危機を語る。大学などの研究機関が軍用研究を拒否しているが、それは今や困難と言い始めたことについて細かく解説してくださった。


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