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新しい運動の芽をさがして〜2022参議院選挙の取材ノート(1)

                 森 健一

 7月2日(土)から9日(土)まで東京の選挙を取材した。観ようとしたことは、一つは、現代日本の選挙にジェネレーション・レフトという動きや芽があるのか、二つ目は、さきの杉並区長選のような市民の連合、草の根からの共闘はあるのか、である。

 7月3日(日)錦糸町駅前でのれいわの街頭宣伝は、ブラスバンドやチアを入れて、盛り上がり、沸かせるものだった。千名にもなろうか。ただし、通行人のビラ受取は意外と少ない。ボランティアの動きはテキパキして熱量に満ちている。若い世代も多い。杉並区長となった岸本聡子、緑の党の長谷川うい子のスピーチは、地域から変えていく、生活に根差した経済を、と時宜に適ったものだ。雨宮処凛もロスジェネレーション、氷河期世代、非正規雇用の仕組みを糾せと。

 7月4日(月)共産党の山添拓の街頭演説を目黒駅で見る。「赤旗」に同封された予定表では、区議がリレー方式で演説場所を仕切る。JPCサポーターの若者がシニア層とともに動いている。

 7月5日(火)社民党の大椿ゆう子の新橋駅SL広場で見る。使用者勝手の非正規雇用を許さない、消費税増税を許さない、を野党共通のスローガンにと大椿のスピーチから痛感する。正規雇用も隷属させられている、共に労働運動を。若い人に繋ぎたいと。コミュニティ・ユニオンからの応援や女性としての生きづらさを強いられてきたとの内容は聴くものに響く。シニア世代だけではない、社民党の若い支持者もいる。

 7月6日(水)山添拓の東大正門前での街頭演説、文京区議からの性被害、暴力、性差別のストップを訴える。吉良よしこ参議院議員からは、山際大臣の野党の声を聞かないとの暴言、LGBT差別の自民党冊子を批判。支援者は地元のシニア世代と学生、院生は半々、正門前の聴衆は少ない。内容では「赤旗」記事をもとに演説している。

 7月7日(木)山添拓を多摩センター駅で見る。小池晃書記長も入る。小池はアドリブもあって上手いが、立ち止まる聴衆は少ない。夕刻、秋葉原駅前、シニア世代のコアな党員で会場はよく整理されている。拍手は屋内集会のようだ。JCPサポーターら、若手もボランティアで会場を取り巻いている。黒服の私服が多い、機動隊も離れて待機。志位氏の演説に、立ち止まりの聴衆は、ミドルか、シニアか、大きく二千名もの規模に比して少ない。内容は若い世代向けではない。網羅的、啓蒙的でジェネレーション・レフトにもなるはずの若者の閉塞感、焦燥感へのつかみは今一つだ。日曜討論、党首討論と、秋葉原駅前の広場の行き交う聴衆相手とは違うはずだ。昨日の社民党の福島党首の錦糸町駅前では、少ないが、目の前の通行人、聴衆に合わせていた。各党、明らかな長短がある。

 夕刻、中野ゼロホールに参政党の屋内集会を視察する。小ホール(507名収容)に入りきらないミドル層が集まる。東京からの女性候補は、水商売がコロナ禍で不当な扱いを受けた。義務教育から商売のセンスを養わせよと。武田邦彦。松田学と並ぶ代表の歯科医師、吉野敏明は、対米従属で日本人の食と健康が破壊され、医療複合体の植民地とされた。コロナワクチンの蔭にユダヤの金融資本家とマネーがある。今や軍産複合体を越える。まず、日本人が大和魂を回復、ユダヤマネーに乗っ取られた日本を取り戻そう、と演説している。教育、食と健康、国防が参政党の柱だと説いている。もと空自幕僚長の田母神俊雄や赤尾敏の姪など、民族右派の総結集で要注意である。伝統食の意義や最新医薬の問題(免疫力を下げる云々)から入る説法は巧みだ。写真は、「失われた20年」での国富は1京円との説明パネル。

 7月8日(金)社民党の東京選挙区・服部良一候補と沖縄の読谷村から応援に見えた彫刻家の金城実氏は「九条をなくせば、つぎには地獄を見る、本土の人間はそれに気づけ」と演説した。身が引きしまった。全労協から「扇のかなめは少数政党だが、無くてはならない」と。その通りだ。シニア層に限られ、ジェネレーション・レフトとなる芽が党として小さいのが惜しまれる。金城実の訴えは既報。上野駅公園口では、福島みずほが演説。全ての暴力を許さない。言論封殺を許さない。社民党のコアな支持者がスタッフとして、数十名、通行の中高生に声掛けする。企業の内部留保に課税を、非正規雇用の増加、ロスジェネレーション世代の声を国政へ。最賃引き上げる。

 7月9日(土)最終日、夕刻、新宿駅周りで取材。立憲民主党は西口地下広場に辻元きよみの宣伝カーと限られたスタッフ。共産党は、西口の小田急前で山添拓と志位和夫の演説会だが、往来が大きく、マイク収めの広場としては不向き、緑のカラーの学生のJCPサポーターはよく動いている。初めてでも車上で山添候補応援のマイクも取っている。社民党の福島みずほは、東南口で最後の訴え。バスターミナル前でれいわの天畠大輔と山本太郎、ボランティア、聴衆への熱量は衰えない。(2022年7月11日記)

*取材ノート(2)総括編は、16日以降に発表予定です。


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