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サンケン電気と警察公安が一体となった弾圧〜「尾澤孝司さんは無実だ!」報告会

尾澤邦子

 6月12日(日)午後2時から、葛飾区の青戸地区センターで「尾澤孝司さんを支える会」主催の「尾澤孝司さんは無実だ!」報告会パート2が開催されました。

 浅野史生弁護士(写真下)は、裁判の経過、今後どうなっていくのか、裁判の中でどういったことが争点になっているのかなどについて報告しました。「公判前整理手続き」という形で非公開で進められていますが、ていねいなレジュメで、わかりやすく説明してくれました。「公判前整理手続き」は現在8回まで進んでいて、証拠や証人、裁判の論点などが話されています。公判の日程について裁判所からは11月9日、11日、22日、30日が提示されています。

 浅野弁護士は、弁護側が証人として申請している韓国サンケン労組のキムウニョンさんと、「暴行」と通報したサンケン電気従業員の証人採否が最大の攻防点になるのではと話していました。そして、キムウニョンさんの証言予定要旨を紹介してくれました。

 検察側は、尾澤孝司さんは労組の構成員でもなく、韓国サンケン労組から依頼や要請を受けたわけでもなく、勝手に交渉要求をしたとしていますが、ウニョンさんの予定証言でみごとに粉砕されています。「(尾澤さんを)名誉組合員として認定しています」や「コロナ禍で日本に行けない状況で『韓国サンケン労組を支援する会』に団体交渉を含む『包括的な支 援』を要請しているのであり・・」など、ぜひとも法廷で証言していただきたい内容です。

 サンケン本社従業員の証人立証趣旨についても、サンケン従業員が以前より「韓国サンケン労組を支援する会」のニュースや活動に参加している人の情報を警察に提出していたことや、「サンケン電気本社正門前でのケンカ」と新座警察に通報していたことについてなど追加申請したと報告がありました。

 今年1月から弁護団に加わった上野真裕弁護士(写真上)からは、自己紹介と弁護団に加わった経緯などについて話しがありました。また、「支援する会」が任意団体であることや、韓国サンケン労組が日本国憲法の定める労働基本権の保障の範囲外であることなどで、それまであまり論じられてこなかった「団体交渉の申し入れに付随又は密接に関連する行為としての正当防衛(刑法35条)に該当し、違法性が阻却される(=犯罪不成立)」という主張について弁論を書いたことなどを報告しました。そして、目的と手段の正当性を主張し、正当行為として無罪を勝ち取っていきたいと話しました。

 質疑応答では、非公開で裁判の内容まで決めてしまう「公判前整理手続き」の問題点などが話されました。また、闘う労働運動への弾圧であり、ぜひとも無罪を勝ち取ってほしいという感想も出されました。

 尾澤孝司さんからは、獄中よもやま話として、5か月間の新座警察留置所、2か月半の浦和拘置所の食事や生活などについて話しがありました。留置所では、同房の20代の若者たちともじっくり話しができ、貴重な体験だったようです。貧困について考えさせられ、またサンケン闘争について、理解してもらったことなども話していました。

 またサンケン闘争については、韓国の公的機関である労働委員会が出した和解勧告さえ拒否するサンケン電気の異常さ、社会的常識の欠如について話し、逮捕の狙いについては、韓国サンケン闘争を潰そうとして、また日本と韓国の労働者民衆の国際連帯を断ち切ろうとして、サンケン電気と埼玉県警公安が一体となってかけてきた弾圧であると話しました。

 質疑応答の中で、メッセージを書いた檄布や思いもよらない方からの激励、差し入れなどにとても励まされたことなどを話していました。また会場から「裁判は時間もとられるし大変だと思うけど、健康に気を付け、サンケンの悪いところを余すところなく暴露し、記録としても残してほしいと思う。尾澤さんがんばれ!」と声援がありました。

 行動提起では、「無罪判決」要求署名がネット署名も合わせて2059くらい集まっていますが、引き続き署名活動を行っていくことと、「韓国サンケン労組を支援する会」が進めているさいたま地裁宛ての無罪判決要求のハガキにも取り組んでいこうと提起がありました。

 閉会のあいさつで、加藤正姫共同代表から、抗がん剤治療・手術をひとりで耐えてきたと尾澤邦子へのねぎらいが話され、また拍手があり、涙。加藤さんは「尾澤孝司さんの無罪を勝ち取り、サンケン電気の横暴を許さず、韓国サンケン労組の闘いを支援するために共にがんばりましょう」とあいさつしました。

 参加者は34名。地域から、また遠方から参加してくださったみなさんの暖かさをとてもありがたく、うれしく思いました。


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