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LNJ Logo サンケン木曜行動(5/12)報告 : 6月24日の株主総会に向け、闘いを一段階強化する!
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●韓国サンケン労組を支援する会・5月12日第80回木曜行動報告

6月24日の株主総会に向け、闘いを一段階強化する!

5月12日、空は白い雲に覆われていたが、いつも以上に野鳥の囀りが響き渡り、爽やかな朝を迎えた。支援する会の木曜行動は80回目となる。埼玉県新座市内のサンケン電気本社前にも、志木駅前にも20人以上、池袋の東京事務所ビル前の昼休み集会では50人近くに増え、延べ参加者は95人になった。

2日前の5月10日は、ちょうど一年前に支援する会の尾澤孝司事務局次長が不当逮捕された日だ。9日にサンケン電気本社前で展開された埼玉市民の会による第2月曜日の「サイレント行動」は、不当逮捕一か年を糾弾して参加者でリレートーク。サンケン電気に抗議の声をぶつけた。

韓国サンケン労組の仲間は、改めて全組合員で意思統一し、「6月株主総会に向けて、(ソウルにある)サンケン・コリアへの闘いに集中し、闘いを一段階強化することを決めた」(キム・ウニョンさんの発言から)。6月24日(金)10時から開かれる株主総会を最大の山場に、韓国の仲間と共に、サンケン電気本社に韓国サンケン争議の解決を迫る!高橋社長、和田会長は韓国サンケン労組との話し合いに応ぜよ!

≪5月12日 7時過ぎ 本社正門前「コロナが収束し国境が開けたら、本社前に駆けつけ闘う!」≫

支援する会のメンバーの発言からスタート。韓国サンケン労組のペク・ウンジュさんからオンライン・アピール。「日本は暑くないですか?体に気をつけて頑張ってください!去年の5月10日を思い出す。サンケン電気の不当なやり方で日本の仲間が逮捕された。正直のところ、日本でもそんなことがあるのか、信じられなかった。工場を潰して解雇し、その上日本の仲間をも逮捕させることが信じられなかった。サンケン電気は不当逮捕させたことを謝罪しなければならない!最近、考え込んでしまう。なぜこんなに私たちは苦しまなければならないのか?私たちがどんな悪いことをしたのか?長年、韓国サンケンの工場で真面目に働いてきた私たちに、まったく罪はない。サンケン電気のやったことは、本当に許しがたい。韓国では外国企業の投資を規制する法律が無いので、多国籍企業がやりたい放題になっている。たとえ法律に触れていなくても、企業として考えなければならないことがある。企業は組合と交わした約束は守らなければならない。きちんと約束を果たしてこそ、その企業の真価が問われる。私たちは経済的にも精神的にも苦しいが、だからと言ってこの闘いを辞めるわけにはいかない。私の眼にはアニメに出てくる悪党どもと正義のヒーローとの闘いを想起する。もちろん悪党はサンケン電気だ。サンケン電気は今からでも遅くはない。私たちとの話し合いに応じなければならない。韓国でLG電子がサンケン電気と取引できないように、各方面から圧力をかけていく。日本の仲間のみなさん、共に頑張りましょう!闘争!」

イ・ジョンヒさんが続ける。「日本のみなさんの闘いに感謝します!周辺の住民のみなさんに、おわびしたい。サンケン電気が話し合いに応じて一日でも早く問題を解決すれば、このようにお騒がせすることもない。サンケン電気の経営陣に問いたい!なぜ一方的に韓国サンケンを廃業したのか?労組があるのに話し合いもなく勝手に工場を閉鎖したのか?韓国サンケンに累積赤字があったからと言うが、本質はそこにはない。韓国でのサンケン電気の売上は、昨年の決算書を見ても220億円あると報告されている。12人の雇用がなぜ補償できないのか?これだけ見ても偽装廃業が明らかだ。私たちは廃業をとても受け入れ難いのでテント籠城を続けている。サンケン電気は私たちを無視しているが、決して諦めない。5月初旬に全員で話し合い、闘う決意を固めた。コロナも収束し国境が開けたら、すぐにでも本社前に行き、サンケン電気の責任を問う。サンケン電気の経営陣はしっかりと考えるべきだ。問題を解決するには、本社が労組と話し合いをするしかない。それが唯一の道だ。日本の仲間のみなさん、感謝しますとかありがとうの言葉では言い表せないが、感謝します!共に頑張りましょう!闘争!」

キム・ウニョン副支会長が続く。「私が韓国サンケンに入社したときは、とてもきれいな会社で日本人管理職も親切だった。私たちと一緒にサークル活動して、飲み会も山登りもした。ある日突然、日本の管理職は日本に帰国し姿を消した。私たちが民主労総に加入すると状況が変わった。会社はインドネシア移転を言い出した。韓国に進出していた多くの日本企業が同じように撤退に動いた。生産拠点を韓国から撤退し販売と開発拠点だけを残した。私たちは韓国サンケンの移転を阻止したが、その後も闘いは続いた。投資したのはサンケン電気だが、工場を運営し生産し守ったのは韓国の労働者だ。私たちは賃上げよりも労組活動を保証させる労働協約を策定し守らせることを重視した。馬山輸出自由貿易地域では賃金水準が高かったが、私たちは雇用保障に重点を置いた。賃金よりも居心地の良い職場、働きやすい職場を確保するための労働協約を策定した。だから職場で働くことが楽しく、幸せだった。サンケン電気はこの労働協約をことごとく踏みにじってきた。労働協約では6ヶ月前から事前協議して次の就職先も含めて雇用を確保することが明記されている。それなのにサンケン電気本社ホームページに工場の閉鎖をいきなり発表した。サンケン電気は今でも韓国で事業を展開し販売拠点や研究開発拠点を確保している。なぜ私たちと話し合いをしないのか?労働協約には工場の売却・譲渡には事前協議し、労使合意の上で実施することになっている。売却・譲渡の資料・記録を労組に開示して話し合いをすることになっている。それを全くしないで秘密裏に進めてきた。私たちは6月株主総会に向けて、ソウルのサンケン・コリアへの闘いに集中し、闘いを一段階強化することを決めた。大きな闘いを準備し、決意を固めている。日本の仲間のみなさん、共に闘いましょう!闘争!」

練馬ユニオンの仲間が発言。「5年前の闘いには参加したことがあるが、第二次闘争に初めて参加した。この現場に来て、大勢の参加者を見て、闘いの勝利を確信した。サンケン電気社員のみなさん、韓国の労働者のために、少しでも心を寄せてください!韓国サンケンの廃業に、サンケン電気本社が関わっていたのは明らかだ。本社が解決に向けて責任を果たすべきだ!」。最後に埼玉市民の会の仲間の発言で締めくくり、正門前でシュプレヒコールを繰り返し、志木駅南口に移動した。

≪5月12日9時 志木駅南口「連帯が、真っ暗闇のトンネルの中で闘う労働者に力と希望を与える!」≫

志木駅南口に移動すると、いつもの通り「ゆいの会 」の手作りの似顔絵パネルが賑やかに並んだ。最初に埼玉市民の会仲間の発言でスタート。続いて韓国サンケン労組のキム・ウニョン副支会長からオンライン・アピール。「市民のみなさん、日本の仲間のみなさん、おはようございます!みなさんは30年くらい前の韓国スミダ、韓国シチズンの争議を知っていますか?どちらも韓国に進出した日系企業で、自分たちの都合が悪くなると退職金を振り込んで、翌日には勝手に韓国から撤退し労働者を解雇する、そういう企業だった。韓国で労組活動が活発になり賃金水準が上がると、より安い賃金水準の国に工場を移転してしまう。企業が利潤追求を目的に動くのは当然のことかもしれないが、話し合いも合意もなく撤退してしまったら、労働者はやっていけない。解雇された労働者は日本に遠征闘争を繰り広げた。先日、韓国スミダの先輩の労働者の話を聞いた。その話によれば、訪日して本社前で行動しても無視された。韓国の労働者たちは、自分たちが死ななければ会社は注目しないのかと考えた。他国で命を落とすのかと覚悟を決めたときに、日本のみなさんが駆け付けてきて闘いが広がり、最後には勝利することができた。その後、日系企業の横暴を許さず、法的規制が必要だという議論が出てきた。それから日系企業は日本人管理職や社長を韓国人に変えていく流れができた。30年が過ぎた今でも、韓国人労働者の生命線を握って、企業がやりたいように出来ると考えている。戦前の植民地支配のもとで利益を上げた戦犯企業で、戦後もまた海外進出して利益を上げ、都合が悪くなると撤退する企業がある。韓国にある旭硝子も非正規労働者を弾圧し韓国の労働者を苦しめている。韓国の労働者は真っ暗で長いトンネルの中にいて闘いを繰り広げている。30年以上も日本の連帯闘争がある。日本のみなさんの連帯は、長いトンネルの中にいる韓国の労働者に力と勇気を与えてくれた。夜道を一人で歩くのは恐ろしく怖い。しかし友人知人が一緒にいれば勇気が湧いてくる。みなさんの連帯も同じだ。2年近くの闘いの中で示されたみなさんの思いやりが、私たちに力と勇気、闘う決意を与えてくれる。みなさんの闘いを胸に刻んで、頑張ろうと思う。市民のみなさんのサンケン電気への叱咤と私たちへの連帯が力になる。闘争!」

ペク・ウンジュさんが続ける。「みなさんが志木駅南口で私たちの似顔絵パネルを掲げて行動している様子を見ています。サンケン電気は1973年に韓国馬山に韓国サンケンを設立した。CCSLや電源、LED灯具など様々な製品を生産していた。2016年には生産職の労働者を解雇することもあった。管理職だけ会社に残そうとした。私たちは仕事が出来なかったわけではない。1997年から労組弾圧が続いていたが、2020年7月に突然廃業を発表した。・・・」ペク・ウンジュさんからの通信状態が悪く、やむなくアピール途中で、中断し、オ・ヘジン支会長が続けた。

「毎週、本社前と志木駅、池袋の東京事務所前で木曜行動をしているが、サンケン電気本社は話し合いに出てこない。サンケン電気は5年前にも生産職全員を指名解雇してきたが、結果的に解雇撤回を余儀なくされて私たちを職場復帰させたのが嫌だったようだ。今回は労組に相談もなく、一方的に廃業してきた。2017年以来、会社は設備投資もせずに、私たちは休業を余儀なくされてきたが、いつかは工場が正常化されると信じてきた。しかし会社は労働者に知らせることなく裏でコソコソ、LG電子と組んだり、新たな工場買収もした。5年前に復職したことに対して、まるで私たちに復讐しているかのようだ。真摯に話し合いをすれば、私たちも様々なことを考えることが出来た。今でもサンケン電気は韓国で事業展開して、莫大な利益を上げている。他に投資するなら韓国サンケンに投資すればよかった。私たちはサンケン電気のやり方に全く納得できない。地元で優良企業とされながら、海外で勝手なことをしていることが許せない。そればかりでなく、一年前にはサンケン電気のやり方を批判していた日本の市民を逮捕させた。サンケン電気はすべて謝罪すべきだ。市民のみなさんからも糾弾の声を上げてください。サンケン電気が私たちとの話し合いに応じて、納得のできる解決ができるように、みなさんからもサンケン電気に声を上げてください!」 ノレの会の仲間から「明日を信じて」、ゆいの会&女闘労倶楽部の「アリラン」「若者たち」などの歌、最後に明大生協労組の仲間の発言で志木駅南口のアピール行動を終え、池袋に向かう。

≪5月12日正午 池袋東京事務所ビル前「サンケン電気は悪質企業の見本として歴史に残る!」≫

南池袋のサンケン電気東京事務所ビル前で昼休み集会。参加者は約50人に膨れ上がる。支援する会の渡辺共同代表の発言から始まり、埼玉市民の会の仲間の発言。韓国サンケン労組のオ・ヘジン支会長からオンライン・アピール。「サンケン電気は過ちを認めずに沈黙を続けている。600日以上も話し合いに応じていない。累積赤字とコロナを廃業の理由としているが、本質は経営の失敗が招いたことだ。サンケン電気は高い企業倫理を掲げるが、すべて嘘だ。グローバル企業と同じように、権力と繋がり労組を弾圧している。サンケン電気を真似しているダイセルという企業がある。6月30日に閉鎖することを発表した。赤字で経営困難と言う。再投資無くして黒字転換はありえない。韓国サンケンと同じだ。ダイセルはどこを真似したのか。明らかにサンケン電気を真似している。サンケン電気は悪質企業の見本として歴史に残る。このようなサンケン電気の弾圧は強い抵抗を生む。サンケン電気の悪辣な弾圧に、前例のないような国際連帯で闘い続けている。大企業の弾圧に屈することなく、希望を捨てずに闘えば、険しい道だが勝利できる。サンケン電気の弾圧に抵抗するには団結しかない。道のりは遠いが諦めずに闘い続ければ必ず道は開ける。必ず現場に戻ることが出来る。共に闘う仲間のみなさんに感謝したい」

不当逮捕され、裁判闘争を闘う支援する会の尾澤孝司事務局次長が発言。「保釈の不当な条件でサンケン電気本社に行けないし、様々な制約がある。裁判はサンケン電気の会社側証人の出廷が実現せず、公判も始まっていない。サンケン電気・検察一体となって、事件を単なる『暴力事件』にわい小化し、背景にある労働争議の本質を隠ぺいしようとしている。現場の闘いと裁判闘争を一体のものとして闘う。サンケン電気に謝罪させ、裁判にも韓国サンケンの争議にも勝利する!」

お連れ合いの尾澤邦子さんも発言し、裁判所宛ての公正審理を求める署名を呼びかけるとともに、『大地の岩のように』を熱唱。ユナイテッド航空闘争団、在日韓国青年同盟、東京中部地域労組東邦エンタープライズ分会、京浜ユニオンの仲間からリレートークがあり、最後にビル7・8階のサンケン電気東京事務所に向かってシュプレヒコールで第80回木曜行動を締め括った。

支援する会ニュースNO.81(pdf)


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