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「エリート意識の塊」が権力をふるうのか?〜韓国・新大統領の就任演説

安田幸弘(レイバーネット国際部)

韓国の新大統領の就任演説で、「自由」と「反知性主義」というふたつの言葉が印象的だった。

まず「自由」だけど、ここで言う自由は「新自由主義」というときの自由に近い。結局は実力がすべてだ、カネを持ってるやつがカネに力をいわせて何が悪い、みたいな、ね。

それと同時に「反共」という意味もある。「前政権の文在寅は共産主義者だ」とは言わなかったけど、「共産主義的」な文在寅の方針は間違いだから、オレは「自由」でやる、という意味でもある。また、中国や北朝鮮の「人民民主主義」体制に対して、韓国は「自由民主主義」陣営の一員として対峙するという宣言だ。

要するに、経済的には新自由主義、政治的には反共、あるいはアンチ文在寅(民主党)、外交的には韓米同盟強化といった方向性を示すのが、尹錫悦の「自由」という言葉だと思う。

そして個人的に印象に残った「反知性主義」という言葉。つまり文在寅政権は反知性主義だったというわけなんだけど、この言葉を聞いて思わず「お前、知性の持ち合わせがあるのか?!」とツッコミたくなった。

それはともかく、尹錫悦は自分が知性的だと思ってるということがわかるポイントだ。反知性主義の反対語はエリート主義だと言っていい(と思う)。ソウル大を卒業して検察のトップに上り詰め、とうとう大統領になってしまった尹錫悦は、「オレってエリート中のエリートだぜ」、「ロウソクを持って集まったバカどもに選ばれた大統領とは格が違う」ぐらいに考えてるんだろう。そして、そんなセンスでエリートのお友達と政治をやる、と。

エリート意識の塊みたいなオヤジが時代遅れの弱肉強食の論理で大統領の帝王的権力をふるう。おっかないね。


Created by staff01. Last modified on 2022-05-11 12:11:43 Copyright: Default

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