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「なんとかできなかったのか」の思い〜書評『沖縄の子どもたち』を読んで

笠 啓一(93歳)

 『沖縄の子どもたち』の書評読みました。同感です。人ごとではありません。あのとき、私は17歳、軍都呉に生きて住んでいたのですから、じっさい昭和19年と20年の間に実に多くの命がうばわれました。今にして明らかな、当時は知るよしもない、愚かな為政者の仕業です。無責任な、現場を見ようともしない連中の所為です。今と変わりません。

 私の年になると、敗戦前後の出来事が次々に目に浮かびます。なんとかできなかったか、我が家は若い海軍士官の寮のようでしたから、何人の優秀な若者の戦死者を見送ったことか。ある日出港してそのまま帰ってこない、それがかれらの戦死の姿でした。後を継ぐより仕方ないと思ったのでした。死ぬために生きる、といった日常でした。海軍兵学校がそうでした。

 そして敗戦です。生きるとは一体どういうことか、それが17歳の新しい途方もない未知の課題でした、等々。といったようなことが、私の日常になりつつあります。乱筆許されよ。

書評『沖縄の子どもたち』


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