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●韓国サンケン労組を支援する会・12月24日第16回木曜行動報告

韓国国会議員連名の共同書簡!慶南道知事もサンケン電気本社に抗議!

12月24日第16回木曜行動。本年最後の木曜行動も、寒さは相変らずだが、天気には恵まれた。新座市内のサンケン電気本社前、志木駅南口、池袋・東京事務所前の3カ所の抗議・アピール行動に、延べ80人が参加した。
20日の本社周辺デモに3年前を上回る250人もの市民・労働者が集まったことが、サンケン電気本社に大きなインパクトとなったようだ。デモの翌日、韓国サンケン社長名で「第二次特別早期退職制施行計画の公告」が工場に掲示されるとともに、16人の組合員個々人の携帯にメールで送りつけられた。同様の通知はこれまで何回かあった。退職金の金額を第一次の60ヶ月から52ヶ月に切り下げたうえで、早期退職の申請期限を年内に区切り、「期限後に退職する者について発生する金銭的不利益については会社は責任は負わない」と恫喝する最後通牒だ。会社の強気の姿勢の裏側には、労組支援の予想外の拡がりへのサンケン電気本社・和田社長の焦燥感が透けて見える。韓国国会議員も動き出した。22日、環境労働委員会・産業資源委員会所属の政権与党国会議員13人の連名で、「韓国サンケン廃業中断と韓国人労働者保護のための共同書簡」が、サンケン電気本社和田社長・日本の厚労省・経産省宛てに発せられた。一企業の雇用問題に国会議員が抗議の書簡を送るのは前例がないという。韓国産業資源部・環境労働部など関係省庁も韓国サンケン問題の調査に動き出した。さらに12月30日、馬山工場を抱える慶南道知事及び昌原市長も「解散撤回」を求める書簡をサンケン電気本社に送った。知事は書簡の中で「解散決定と一方的な解雇通告がOECD多国籍企業行動指針に違背する」と批判し、「会社存続を決定すれば経営正常化への支援を惜しまない」とまで述べている。韓国で事業展開を継続するサンケン電気本社にとって、これは最後のチャンスかもしれない。和田社長は、1.20廃業・解雇撤回を決断するしかない。


▲金慶洙慶南道知事「韓国サンケン廃業遺憾」 解散撤回の書簡送る。

≪12月24日7時過ぎ サンケン電気本社前「解雇による家族の苦痛と涙ではなく、働く喜びを!」≫

冒頭、支援する会メンバーにより、韓国国会議員13名連名の共同書簡が本社に向かって読み上げられた。韓国サンケン労組の仲間からオンライン・アピール。「会社は、韓国政府の産業資源部、労働部からも解決を迫られている。しかし会社は沈黙するばかりだ。社是として『社会との共生』『企業の社会的責任』を掲げているのに、その裏では労組との協議もしない。これがサンケン電気の正体。サンケン電気本社は責任をとらなければならない。逃げ回らずに、正々堂々と話し合いをして解決すべきだ!」。ペク・ウンジユさんが続く。「廃業決定から161日、予告された廃業期日まであと半月あまりしかない。雇用安定委員会で会社は『他の組合員のことも考えるべきではないか』ととんでもないことを言ってきた。私たちは『工場再稼働が唯一の解決』と話した。会社が私たちに22日に改めて送りつけてきた通知には、『廃業は止められない。抗議はムダだ。会社がなくなれば退職慰労金も払えなくなる。闘争をあきらめろ!』そんなことを書いていた。しかし私たちが求めるのは退職慰労金ではない。私たちの目標は、工場でもう一度働くこと、工場の再稼働だ。韓国サンケンが廃業で無くなるというならば、私たちの相手はサンケン電気本社になる。実際、韓国サンケンの社長は本社の指示で動く操り人形に過ぎない!サンケン電気の悪辣なふるまいを一つ一つ明らかにして、工場に戻る!」。



埼玉市民の会からの訴え。「解雇されて、この寒空に家族を抱え、これからどのように生活するのか。グローバル企業としての社会的責任を果たすべきだ!」。再び韓国からのオンライン・アピール。「廃業の口実となった累積赤字は、偽装された赤字だ。わずかに残っていた設備もなくしてしまった。生産設備も原料もないのに、生産工場と言えるのか。3年前の労使合意には『会社は工場を正常化し生産に努力する』とあったではないか。設備投資をせずに生産できる訳がない。これで『赤字、赤字』と言うのはどういうことか。韓国サンケンの社長は、自分で言ったことも平気で翻すような人間だ。本社は、まともに組合と交渉するよう社長に指示すべきではないか。組合が家に通知を送るなと会社に申し入れたが、無視された。私が自宅にいないときに会社の廃業通知が来て、妻がそれを読んだ。『4年前にも解雇、また解雇か』と妻に言われた。通知には、『会社は経営改善に努力した』と書いていた。とんでもない!毎朝、妻が『闘争!』と私を激励する。解雇による家族の苦痛と涙ではなく、働く喜びを与えて欲しい」。キム・ウニョンさんが続く。「先日、韓国サンケンの社長から、突然、交渉の申し出があった。社長が何か重大な決意をしたような感じがあったので12月21日に交渉に応じたが、解決慰労金の話しかなかった。会社側の労務士は『赤字で廃業するという本社の方針に反対してどうするのか?』と聞いてきた。『韓国サンケンの工場のこれまでの経過を調べて来たのか?』と問い返した。会社は15年間、何の設備投資もしなかった。3年前にも工場の正常化を約束したのに、設備投資をしなかった。設備の一つもない工場でどうして生産できるか?これは組合潰しの偽装赤字だ、と反論した。『慰労金など受け取れない。私たちの要求は工場の再稼働だ!個人に通知を送るな!』と伝えたが、会社側は無視した。交渉は決裂した。私たちの正当な主張を無視して廃業の通知をたて続けに個々人に送りつけてきた。『説明会を開いて組合に説明すべきだ』というと、社長は『労組が何だと言うのか?』と居直った。まさに組合嫌悪の証拠だ。労組も知らない無知な社長を任命したのが本社だ。私たちは慰労金ではなく、工場再稼働を求めている!」
郵政ユニオンの仲間がまとめの発言。「韓国サンケン労組の仲間がテントで座り込む限り、私たちはここに立ち続ける!」。本社に向かってシュプレヒコールを浴びせて本社前行動を終了し、志木駅に向かった。

≪12月24日9時 志木駅南口「国会議員が、サンケン電気本社への抗議に立ち上がった!」≫



埼玉市民の会の訴え。「きょうはクリスマス・イブだが、韓国サンケン労組の仲間は、工場の前にテントを張って、解雇撤回を訴え続けている。支援と連帯を!」。続いてキム・ウニョンさんがオンラインアピール。「サンケン電気は恥知らずな会社だ。労組があるからという理由で、7回もリストラをしてきた。社会的ルールを守らない会社は悪い企業だ。日本の企業イメージを貶めている。韓国社会の中で、大きな問題となり、そしてついに韓国の国会議員がサンケン電気の悪どいやり方に立ち上がることになった。政権与党の国会議員13人が抗議の共同書簡をサンケン電気本社と日本の関係省庁に送った。国会議員が一企業の雇用問題で動いたのは、日韓が国交を正常化して以来、歴史上初めてのこと。このことを日本の市民にも伝えたい。日韓の政治的外交的問題になる。サンケン電気の経営陣の頭の中は、19世紀のままだ。業界8位というグローバル企業が、組合潰しをするような非常識な企業であってはならない。私たちには勝利が見える。会社は焦っている。1日に何度もメールを送りつけ、いまなら慰労金が貰える。闘争止めろと言って来た。サンケン電気は愚かな会社だ。私たちにとっては4年前にも経験済みで、こんな会社の脅迫は何でもない。むしろ勝利を確信している!」 所沢労音の仲間が韓国サンケン労組支援の歌を披露。ペク・ウンジユさんのオンラインアピールが続く。「今日はクリスマス・イブ。いつもなら家族で一緒に楽しい時を過ごすが、いまは闘う決意を固めている。3年前に復職してから、会社が赤字で苦しいと言うので、組合活動でも、仕事でも、会社に協力してきた。会社のこと、社員のことを本当に考えるなら、誠実に労組と話すべきだ。いつも会社は私たちを騙してきた。組合潰しを練っていた。2018年から別会社に投資して生産し、さらにLGグループと組んでこっそり合弁会社をつくり、事業展開しようとしている。そしてコロナで遠征闘争ができない時期を狙って、会社廃業を通知してきた。韓国サンケンの会社を潰してでも、組合を潰すのが狙い本社は謝罪すべきだ」。さらに韓国サンケン労組の仲間がオンライン・アピール。「闘いが広がり事態は緊迫しているが、サンケン電気は動こうとしない。悪辣な企業だ。サンケン電気は判断を謝っている。脅迫すれば私たちが屈すると思ったのか!韓国サンケンの闘いの歴史、労働者の団結した力を見損なったと言わざるを得ない。4年前にことを教訓化せずに、過ちを繰り返している」。
中部地域労組の仲間がまとめの発言。池袋に移動。

≪池袋・東京事務所前、昼休み集会「韓国産業資源部・環境労働部も積極的な調査を始めた!」≫

 集会前にサンケン電気東京事務所のI氏と面談し、韓国の仲間もオンラインで参加したが、今回も誠意ある対応を示さなかった。
東京事務所のビル前で昼休み集会。まずノレの会が「工場に戻ろう!」の唄を熱唱。埼玉市民の会 、支援する会の渡辺共同代表、全労働者組合、三多摩合同労組、東京フジセ企画労組などが順次リレートーク。
続いて韓国サンケン労組からオンライン・アピール。「私たちの廃業撤回の闘いは、世間の注目を集めつつある。韓国の産業資源部長官に要請書を出していたが、思いがけず回答があった。韓国サンケンの事案について『積極的に調査中』とのこと。環境労働部も動いている。国会議員も深い関心を寄せ、会社への圧力になっている。サンケン電気は『社会的責任を大事にする』と言いながら、私たちとの話し合いを拒否している。営業所では要請書を受け取ろうともしない。サンケン電気はそういう悪辣な企業だ。OECDの韓国事務局に多国籍企業ガイドライン問題を提起する。世界的な企業だというなら、堂々と話し合いをすべきだ」  最後に、1月20日の廃業・解雇を許さない取り組みを強めることを参加者で確認、事務所に向かってシュプレヒコールを浴びせて本年最後の木曜行動を終えた。


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