レイバーブッククラブ読書会 : 『追想美術館』筆者交えてディスカッション | |||||||
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7月17日に行われたブッククラブ第30回の報告です。 今回は『追想美術館』(志真斗美恵著、績文堂出版)が取り上げられました。オンライン開催で参加者は12名。筆者の志真斗美恵さん(写真)を交えて、常連のメンバーに新参加者2名が加わり多彩でした。いつもとは一味違う芸術分野の選本に新鮮な驚き、感想が印象的でした。 ケーテ・コルヴィッツを初め、べん・シャーン、セバスチャン・サルガド、粟津潔、石垣栄太郎ら、民衆の側に立った画家・芸術家の人と作品をていねいに描いた本書を評価する感想が相次ぎました。まず、装丁が親しみやすく読みやすい。タイトルも良くできている。世の中を変えていくという姿勢が全編つらぬかれている。直接作品と対峙し、自分の目、自分の言葉で表現しているのがいい。気軽に読み始めたが、ズシンと重いテーマ。現在を射抜く視点がある。時代を超えて民衆を励ます芸術の力を感じた等々。本書で唯一批判的な視点で取り上げられた藤田嗣治と戦争画については、作品の評価と作家の評価は別に考えるべきではないかとの意見もありました。 筆者の志真斗美恵さんは「今回の出版で多くの人から感想を寄せてもらった。一番の思いは芸術運動の力を伝えたいこと」と語りました。本書にあるように、ケーテの版画がスメドレーから魯迅へ、そして日本へとつながっていくさまは、まさに芸術運動の力。レイバーネットの原点のスローガン「文化のないたたかいなんてありえない」をあらためて想起しました。(佐々木有美) ※次回は9月18日14:00〜16:00 あらためてご案内します。 Created by staff01. Last modified on 2021-07-22 14:40:51 Copyright: Default |