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亀山仁写真展「日常のミャンマー」〜4月24日まで開催中

 亀山仁写真展「日常のミャンマー」に行きました。会場が職場に近かったので、仕事帰 りに立ち寄りました。ミャンマーの写真27点が展示してあり、随時、亀山さんが解説して くれます。訪れたのが土曜日の午後ということもあり、様々な人が見学していました。二 度目の訪問というご老人は熱心に資料を読みふけり、若い女性の中学校の先生は授業に活 かそうと真剣に教材収集をしていました。

 作品はどれも興味深いのですが、かつての集会制限解除後の会合、街中を歩く僧侶たち 、スマホ普及前に撮影して欲しくて集まった子ども、が個人的には印象深いものでした。 ところが、軍事クーデターが発生した現在、再び集会が制限され、宗教者も抗議に加わり 、スマホを駆使した写真が世界に発信されています。カメラがとらえた、穏やかな人々と 美しい景色が、今どうなっているのか心配です。

 最後に昔、読んだ本から引用。「デモをしているときに、ふと、<ヴェトナム人は朝食 に何を食べているのか>という疑問がうかび、自問自答した」(坪井善明著『ヴェトナム 「豊かさ」への夜明け』)。私個人は、ヴェトナムへは行きましたが、ミャンマーへは行 ったことがありません。なので、今度はミャンマーの日常生活や精神世界について、より 知りたくなりました。様々な問題関心をもつ、多くの人におススメの写真展です。

【亀山仁さんのステートメント】

 2月1日の発生したミャンマー国軍によるクーデター。ミャンマーの人たちは国軍政権を認 めず非暴力でスーチーさんの開放など訴え続けている。1988年の軍事クーデター後の歴史 を振り返ると不安が先立つが穏やかな日常のミャンマーを多くの人に知ってもらうことが 私にできる役割だと考えている。

 2021年2月1日の朝、ミャンマー国軍がアウンサンスーチー国家最高顧問やウィンミン大 統領拘束のニュース速報を観て、まさか「今どき?」と同時に「やはりまた起きてしまっ た」の思いが交錯した。少数民族紛争や憲法問題など抱えながらも少しずつ民主化と経済 発展が進められてきたが、過去のミャンマーが歩んできた歴史とミャンマーの友人たちの 顔が頭に浮かんだ。再び冬の時代に戻ってしまうのかと思うと頭が真っ白になってしまっ た。

 その日をさかいにFacebookなどSNSにデモの映像や様々な情報が溢れ出した。ミャンマ ーの友人たちにメッセージを送り無事を確認したり現地の日本人とやり取りするなか、日 に日に拡大するデモと国軍の不穏な動き。それと最近減ってきたとは言えデモ参加の群衆 の場面を見るとコロナ感染拡大も心配になる。

 国軍の主張は昨年11月の総選挙に不正があり、指摘しても是正されず民主主義を踏みに じる行為に対して憲法に則り今回の行動に至った主旨の声明だった。しかし現職の大統領 と政権与党幹部を拘束したことは民主主義の欠片も無く到底容認できない。民主主義を主 張するなら国会の場で争うのが正しいことは誰もが思うことだ。

 2月中旬、ミャンマー国軍が、中国の技術を導入したネット制限をかける話も聞こえて いる。今回のデモでSNSが大きな役割を果たしているが国軍はそれを抑えたいのだろう。 また服役中の犯罪者を釈放し強奪、放火など誘導し治安を悪化させ軍が沈静化に必要な理 由を作り出そうとしていることは1,988年の軍事クーデターと同じ手法だ。市民生活と治 安を守るための警察、自国に誇りを持ち国を守る国軍がその責務を放棄したら存在理由は 無い。

 ミャンマーの人たち望む終結を実現するには諸外国から軍事政権へ圧力なり交渉が不可 欠だ。なかでも日本は国軍に交渉できるパイプを持つ希少な国とされている。日本で一人 でも多くの人がミャンマーで起きていることに関心を持ちミャンマーの人々と共に声を上 げ続けたいと思う。

 私が初めてミャンマーを訪れた2005年当時は軍事政権下だったが2011年頃始まった民政 移管を経て発展を続けるミャンマーを撮影してきた。私はミャンマーの人たちと出会い多 くのことを学び得てきた。ミャンマーの魅力は敬虔で穏やかなミャンマーの人たちと美し い風土にあり展示を通して表現する。それが私にできるミャンマーへの支援であり恩返し であり責務と考えている。

【亀山仁写真展「日常のミャンマー」】

会 期:2021年4月2日(金)〜4月24日(土)、11:00〜19:00(日曜、月曜休廊)、入場無料

会 場:株式会社冬青社/ギャラリー冬青(東京都中野区中央5-18-20)

問合せ:03-3380-7123(代)、gallery@tosei-sha.jp

Web:http://www.tosei-sha.jp/TOSEI-NEW-HP/html/EXHIBITIONS/j_2104_kameyama.html

【感想】佐藤和之(佼成学園教職員組合)


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