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●韓国サンケン労組を支援する会・1月28日第20回木曜行動報告

〈テント撤去・組合事務所退去〉攻撃を許さない!

 1月28日第20回木曜行動。先週よりも少し寒さが和らいだが、それでも新座市内の朝は零度。志木駅、池袋へと移動しても一向に気温が上がらず、逆に冷え込むばかり。昼過ぎにはとうとう冷たい雨が降り出し、午後には雪が舞った。今回の木曜行動の延べ参加者は約80人。零下15度の酷寒の中で闘い続ける韓国サンケン労組の仲間からのオンライン・アピールをメインに、サンケン電気本社・志木駅南口・池袋東京事務所で抗議・宣伝行動を展開した。

 この日、馬山の工場前テント籠城200日を迎えた。会社側清算人は、28日付内容証明で、不当にも、テント撤去と組合事務所退去を求めてきた。「建物売却に支障をきたす」というのがその理由だ。「応じない場合、民事・刑事上の措置はもちろん、訴訟に要する費用も全額負担させる」という恫喝付きだ。企業倫理も投げ捨てて違法・不当な偽装解散を強行し労働者を路上に放り出しながら、盗人猛々しいというほかない。これも労組支援の拡がりと「食い逃げ外国企業」批判の高まりに対するサンケン電気資本の怖れと焦りの裏返しでもある。韓国サンケン労組の仲間はカンパされた米で作った「200日を迎える餅」を分け合い、会社側の恫喝に屈せず闘う決意を確認し合った。

≪1月28日朝7時過ぎ サンケン電気本社前「家族と離れてテントに籠城する労働者の思いが分かるか!」≫

郵政ユニオンの仲間の発言で本社前行動スタート。 「韓国の仲間たちは寒空の中に放り出された。3年前にサンケン電気は近隣のみなさんにも『二度とこのようなことはしない』と約束し、指名解雇も撤回した。しかしまた繰り返した。コロナ禍を利用して。こんなことは許せない!」

韓国サンケン労組のオ・ヘジン支会長からオンライン・アピール。「会社解散が告知され、テント籠城を始めてから 200日を越えた。話し合いを求めてきたが、会社は一切応じない。韓国では韓国サンケン解散問題が会社内の労使問題にとどまらず社会的問題になり、外交問題になっている。しかしサンケン電気本社にも動きがない。会社は労組との約束を踏みにじり、赤字を偽装して会社解散を強行してきた。そんなに労組が憎いのか!寒い中で座り込む労働者の苦しみ、痛みがわからないのか!サンケン電気の経営陣、和田社長に良心はないのか!会社が出て行けと言っても、私たちは拒否する。私たちは会社の奴隷ではない。新たな闘いを始める!諦めない!」

韓国サンケン労組の仲間の発言が続く。「不当な会社解散から一週間が過ぎた。私たちは被解雇者になった。私は2回目の解雇だ。解雇は一度でも辛いが、2回目になる。今回は特に怒り心頭だ。夏の暑い日、室内温度が40度近くになっても、汗だくになって働いた。からだの痛みも誇らしい労働の結果と受け止めてきた。そんな職場から放り出され、家族と離れてテントで寝なければならない労働者の気持ちが分かるか!経営者に問う!経営責任をなぜ労働者に負わせるのか?組合を潰すために、意図的に赤字を積み上げ廃業する、そんなことが許されるか!旧正月を家族と迎えたい。そんな願いが叶うよう、和田社長に求めたい!」

埼玉市民の会の仲間からの発言に続いて再び韓国の仲間、ペク・ウンジュさんから訴え。「韓国で新型コロナ感染者は毎日500人前後出ている。日本の状況がとても心配だ。1月20日の前は、本当に解雇される日が来るのか、という思いもあった。会社が解散を撤回をするかもしれないという期待もあったが、それは幻想だった。予定通り解散し、一方的に退職金を振り込んできた。寂しい気持ちと虚しさでいっぱいだ。しかし同時に、職場に必ず戻るという決意を新たにした。数十年にわたる先輩たちの努力と、闘いで築いてきた韓国サンケン労組を守り抜いていく。私たちはこの工場を離れることはできない。共に汗を流してきた大切な職場だ。和田社長は解散を撤回し、話し合いに応じるべきだ。労組との約束を守り、労働者の生きる権利を守る義務が会社にはある。私たちは決してあきらめない!」

キム・ウニョン副支会長が続く。「テント籠城闘争を始めてから201日目の朝だ。韓国は暖かい日が続いていたが、また寒さがぶり返してきた。いまテントに私と一緒にいる仲間は3年前にも一緒に闘った。労組の仲間は20年、30年間共に働いてきた大切な仲間だ。私たちにとって韓国サンケンはどんな会社だったか?過去には物量が多く、昼夜分かたず、休日もなく働いた日々もあった。そんな私たちを会社は不当にも解雇してきた。もう会社はない、出て行けと一方的な仕打ちだ。そんなことがあるか!私たちは断固拒否する!暑い夏も寒い冬も働き続け、指名解雇も撤回させたが、いったい会社は何をしてきたというのか。『韓国サンケンは韓国の問題』と言うが、解散を決めたのは本社だ!韓国サンケンの社長は、退職慰労金を2回も提示してきたが、廃業については『決めたのは本社だから知らない』とも言っている。こんなやり方があるか!和田社長は話し合いに応じるべきだ。20日が過ぎると、零下15度の寒い中、テントの電気や水道を止めてきた。これも和田社長が決めたのか!法人登記は抹消されたが工場の清算手続きは終わっていない!トイレも使用を禁止され、公園のトイレを使っている。これも和田社長の指示か?韓国の労働部も話し合いを求めているが、それにも応ぜずに放置している。企業としての道理も守らないのか!いま韓国サンケンの社長は身を隠し行方が分からない。和田社長が解決するしかないではないか!私たちの要求は工場の正常化だ。この要求は何があっても変わらない。テレビでもラジオでも報道され、国会議員、道知事、市長、議会も日本政府とサンケン電気に抗議している。サンケン本社は今回の偽装廃業が、一企業の問題ではなく、国際問題になっていることを直視すべきだ。和田社長、誤りを認め、話し合いに応じるべきだ。これ以上黙ってはいけない!労組は処罰の対象ではない。グローバル企業としての責任を果たすべきだ。私たちは最後まで闘う。職場の、地域の、そして日本の仲間がいる。私たちの闘いは必ず勝利する!闘争!」

日韓民衆連帯ネットの仲間から発言。「サンケン電気の人事・労務担当者に言いたい。先週、支援する会で外務省に行って話した。外務省はこの問題を認識していると言っている。韓国内の取り組みも知っている!厚労省と経産省と三省で集まって確認している、事実確認していると話している。これからサンケン電気本社に事情聴取に入るかもしれない。雇用問題を、何の説明もなくメールで一方的に通知するなどということが許されるのか。人の命がかかっている。恥を知りなさい!」

最後に会社に向かってシュプレヒコールで本社前行動を締め括り、志木駅に向かう。

≪1月28日9時 志木駅南口「解散には法手続き上も重大な瑕疵がある!」≫

最初に埼玉市民の会から訴え。「地元のみなさんに訴えたい。対岸の火事ではなく、自分たちの問題として考えよう!悪辣な企業のやり方に批判の声を寄せよう。韓国サンケン労組の闘いに支援と連帯を!」

続いてペク・ウンジュさんからオンライン・アピール。
「きょうは組合員が集まって闘う決意を固め直す。厳しい闘いだという声もあるが、外国の食い逃げ企業に勝たねばならない闘いだという応援の声もある。キム・ウニョンさんが民主労総の副委員長に当選して闘いを強化したい。21日に解雇通知がメールで送りつけられ、退職金を一方的に振り込んできた。テントの電気や水道を止めてきた。サンケン電気本社は悪辣な企業だ。韓国政府の要請も無視している。会社の清算手続きが完了していないのに工場を一方的に閉鎖した。私たちの闘いは必ず勝つ!」

韓国サンケン労組の仲間のアピールが続く。「いまはコロナ感染拡大で全世界が苦しんでいる。このコロナ事態に便乗して、会社解散を強行した。4年前に生産部門を無くすと言って指名解雇してきたが、撤回させて現場に復帰した。会社が新たな生産を始めるものと期待した。なぜなら工場正常化を約束したからだ。しかしその約束を守らなかった。約束を破ったサンケン電気に抗議の声を!守れない約束をなぜしたのか!本当に腹立たしい!韓国サンケンの累積赤字は経営の問題であり本社の指示による偽装赤字だ。韓国憲法にも労働三権が補償されている。労組潰しで廃業するなど韓国では違法だ。全員解雇して、電気も水道も止めてきた。利益を上げるためには人権を踏みにじる。それがサンケン電気だ。業界8位のグローバル企業が労組との約束を反故にする。とんでもないことだ。労働者の権利と生活を守ることは、企業の責務だ。偽装解散の撤回を!」

所沢労音の仲間が「安寿と厨子王」の手作り人形を抱え、韓国サンケン労組を支援する歌「鳥追い唄」を披露。

続いて韓国サンケン労組のオ・ヘジン支会長からアピール。「偽装解散撤回を訴えてきたが、韓国サンケンは解散を強行した。3年前の合意書は踏みにじられ、工場の正常化の約束は反故にされた。会社が実際にやってきたのは、韓国サンケンではなく別に会社をつくり生産することだった。そして違法な偽装解散で私たちは路上に叩き出された。会社はグローバル企業としてのルールも韓国の労働法規も守らず、労組との話し合いを拒否している。サンケン電気の非道なやり方に、様々な批判声が寄せられている。市議会、市長、道議会、道知事、国会議員まで偽装解散への批判の声が上がっている。こんな企業がグローバル企業として前に進んでいけるのか。サンケン電気が掲げている企業理念を守るように、地元のみなさんの声を寄せてください!」

キム・ウニョン副支会長が続く。「朝から私たちがどういう行動をしているか、ご存知でしょうか?日本の企業が人権を踏みにじっている現実をご存じでしょうか?サンケン電気は売り上げが業界8位のグローバル企業です。地元のみなさんには誇りでしょう。しかし実態はとんでもない企業だ。30年前に私が入社当時は忙しく働いた。当時は日本人管理者も親切で給与も良かった。工場もきれいで日本人管理者とも仲も良かった。しかし工場の労働では辛い思いもした。トイレも休憩時間にしか行けない。残業や休日出勤しないと、居ずらい職場だった。妊娠して休みを取れずに職場で破水してしまうこともあった。私たちはそのような厳しい労働条件を変えるために、民主労総に加入した。その途端に日本人管理者の顔色が変わった。すぐに本社の株主総会でインドネシアへの工場撤収の決定があった。この時も労組に説明もなかった。これに全力で抵抗し工場撤収を撤回させてきた。今度は7回のリストラで会社を辞める労働者も続出した。民主労総を選択したことが、どうして工場撤収や整理解雇の理由になるのか。韓国労働者は一生懸命に働いてきたが、労組活動を理由にして労働者を踏みにじってきたのが韓国サンケンだ。生産職の解雇にも抵抗してきた。そして今回、コロナで日本への遠征闘争も出来ないだろうと会社廃業・全員解雇を狙ってきた。コロナ禍を利用して労組を潰し労働者を排除するのがサンケン電気のやり方だ。今回の韓国サンケンの解散には法手続上も重大な瑕疵がある。労使協定も3年前の労使合意書も全て踏みにじってきた。会社からの労使協議・説明が一度もない!サンケン電気は約束も平気で踏みにじる、反道徳的で悪辣な企業だ。国会議員、道知事、市長、地方議会全てが韓国サンケン解散・解雇に批判の声をあげている。KBS,MBCなどのテレビやラジオ、新聞でも連日取り上げられている。サンケン電気は、これにまともに向き合おうとしないとんでもない企業だ!韓国の法律、企業としての道理、労働者の権利を踏みにじる企業であり、日本のみなさんの顔に泥を塗る企業だ。日本の品格を貶める企業を、放置して良いのでしょうか!新座市民のみなさん、和田社長が過ちを認めて解散・解雇を撤回するよう声をあげてください!危惧余が正しい道を歩むには、労働者の声に耳を傾けてこそ、地域の人たちの誇りに思う気持ちに心を寄せることが必要だ。私たちは黙ってはいない。やられっぱなしにはならない。支援する仲間のみなさん、市民のみなさん、決して忘れません。職場に戻るまで、闘う!必ず勝つ!闘争!」

京浜ユニオンの仲間の発言で志木駅南口の行動を締め括る。

≪正午 池袋・東京事務所前、昼休み集会「サンケン電気は非常識で不道徳な会社だ!」≫

今回も昼休み行動の前に7階の東京事務所に出向き、総務のI氏と面談したが、相変わらず話し合いの姿勢を見せない。「本社が労組と話し合わないと解決しない。社長に伝えよ!」と申し渡す。

正正午から東京事務所の入る藤久ビルの前で抗議行動。埼玉市民の会の発言を皮切りに、渡辺共同代表、全労働者組合、連帯労組武蔵学園、全国一般南部上智大学争議、明大生協労組とリレートーク、サンケン電気本社の不当性と韓国サンケン労組支援を訴える。

続いて韓国サンケン労組のオ・ヘジン支会長からオンライン・アピール。「闘争を始めてから201日になる。昨年7月から解散の不当性を訴えてきた。国会議員、知事、市長、議会、様々な抗議の動きがあったが、会社は廃業・全員解雇を強行した。馬山の工場を閉鎖し、電気・水道を遮断した。サンケン電気本社が決定し、韓国サンケンの社長と結託して解散した。一方で、サンケン電気は新しい工場を稼働させて、韓国での事業を続けている。これからは被解雇者として、職場を取り戻すまで、最後まで闘い抜く!サンケン電気の非人道的な廃業を、許すことはできない。厳しい闘争だが、最後まであきらめずに闘い抜く。3年前にも指名解雇を撤回させた。今回も勝つまで闘い抜く!」

キム・ウニョン副支会長が続く。「サンケン電気は、半導体分野で業界8位のグローバル企業です。海外に進出する拠点として、48年前に韓国に子会社・韓国サンケンを設立した。韓国の公的資金、税制上の優遇を受け、発展してきた。現在のグローバル企業としての地位は、韓国の子会社とそこで働く労働者が築き上げたものだ。しかし民主労総加入以来、様々な弾圧をしてきた。工場閉鎖、リストラ、指名解雇などなど。そして今回は、コロナに便乗して廃業して労働者を放り出す。サンケン電気は非常識で不道徳な会社だ。サンケン電気や日本大使館、領事館に対しても、抗議行動が広がっている。外国の一企業のために国会議員までが動くのは珍しい。道知事や市長、地方議員までが行動している。サンケン電気の悪行で、韓国では日本企業へのイメージが低下している。日本のみなさんの闘いがあるから闘える。勝たねばならない。時間は私たちに味方している。勝利した暁には、日韓労働者民衆連帯の力が歴史に残ることになるでしょう。必ず闘いに勝利しましょう!闘争!」

最後に東京事務所に向かってシュプレヒコールで木曜行動を締め括った。


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