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最高裁「賞与不支給は不合理にあたらず」とまたもや不当判決!〜井関農機の非正規訴訟

 契約社員と正社員に待遇の格差があるのは不当だと、井関農機のグループ会社で働く契約社員が訴えた裁判で、1月19日、最高裁判所は双方の上告を退ける決定をし、賞与が支給されないのは不合理な格差にあたらないとした。手当については賠償を命じた判決が確定した。

 松山市の大手農機具メーカー「井関農機」のグループ会社2社で働く契約社員5人は、正社員と同じ仕事をしているのに賞与や家族手当、住宅手当などが支給されないのは不当だと、会社を訴えていた。2審の高松高等裁判所(19年7月4日)は、家族手当などについては「支給しないのは不合理な格差だ」として賠償を命じた一方、正社員への賞与支給は「有為な人材を獲得し定着を図る目的で、合理性がある」と指摘。年2回、契約社員に5万〜10万円の「寸志」を払っていることも踏まえ、格差が違法とは認めなかった。

 判決によると、5人は30〜50代の男性で、それぞれ、同じ敷地内にある「井関松山ファクトリー」と「井関松山製造所」で2007〜08年から有期労働契約を繰り返し、労働契約法の規定に基づき18〜19年に無期雇用(雇用形態は無期でも賃金は、有期雇用のときと同じで、賃金改善はされない)に転換した。18年4月の一審松山地裁判決は一部の支払いを認め、19年7月の二審判決も支持した。これに対して双方が上告していたが、最高裁判所第3小法廷(宇賀克也裁判長)は、21日までに上告を退ける決定をし、2審の判決が確定した。最高裁は去年10月13日のメトロコマース事件に続く不当判決を下した。(宮川敏一)

【解説】井関農機20条(高松高裁判決)
 原告は井関松山製造所の3人と井関松山ファクトリーの2人。高裁判決は一審判決を踏襲し、5人の業務が正社員と同様だったと認定。正社員がもらえる住宅手当や家族手当を会社が払わないのは「不合理」と判断した。一方、5人が求めた賞与分の支払いについては、正社員と契約社員で職務責任の範囲に差があり、契約社員には賞与に代わる寸志を一律に支給していることなどから、支給しないのは違法ではないとした。

*写真は、昨年の7月4日高松高裁判決に臨む原告団


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