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<6月句会報告>
 6月25日午後6時から池袋エポック10で6月句会が行われた(写真)。6名が出席しメール選句は5
名だった。会場のスペースも「感染症対策」がしっかりされていた。今回の投句者数は21
名で「そろそろ」に55句、雑詠に58句が寄せられた。
 ディスカッションでは、兼題の「そろそろ」はつくるのが難しかったという声が多かっ
た。斗周さんからは、<時事句にありがちなのが「説明」で終わってしまうこと。論理的
説明は散文であって韻文ではない。今回もそういう「句」が多かった印象。 
高鶴さん(とその師匠の時実新子)が言うように「具象に託す」ことが必要だと感じる>
との総評が寄せられた。
 また句会後の話し合いで、以前テント撤去のときにつくったことのあるカラーチラシ形
式で、新たに「世直し川柳瓦版」をつくって集会などで配布したらどうかとの提案があっ
た。笑い茸さんが次回までに案を具体化することになった。その他、乱鬼龍さんが出演し
た「あるくラジオ」(https://aruku-radio.jimdofree.com)が大好評でもっと広げよう
、投句者に句会参加やメール選句を呼びかけよう、などの話が出た。
 次回は7月22日(水)午後6時、エポック10。兼題は「旅」。締切は7月15日正午と決め
た。(報告=一志)
→詳細報告・投句はホームページから。http://1000ryu.masaki-design.biz/

<そろそろ> 55句

●5点句 
・新デモはそろそろ歩くディスタンス(一志)
→「自分自身も経験した」「やらないのでなく、対策とってやるしたたかさがいい」「コ
ロナ禍でのデモの参加者の気持ちが伝わってくる」「新しい言葉をうまく句に取り入れて
いる」「感じがよく出ている」

●4点句
・倒産の後にゆるりと給付金(かずさ紀柳)
→「ありきたりの表現という感はあるが、類句が多かった中ではベストかと」「役にたた
なかった感じ出ている」「こうなると思っていた」「自分は年金だがだからこそ闘わなく
ては」

●2点句
・資本主義そろそろ終り視えてくる(乱鬼龍)
→「そろそろいい句なかったがその中では」「コロナ太りの資本家がたくさんいる」

・悪夢からそろそろ覚めよ有権者(駒田紋太)
→「まさに悪い夢を見ているのか、と思えるような政治の劣化が続いている。そろそろど
ころではないと思うが、民度に合わせて?よびかけていて好感がもてる」

・そろそろがまだまだだった給付金(奥徒)
→「そろそろとまだまだが対になっているところがいい」「まだ、届いてない人が半分以
上?」

・革命をそろそろ急ぐことにする(乱鬼龍)
→「コロナは『いつかは』はなく、今やるしかないことを教えてくれた気がします」

・辞めないとそろそろ首を切られそう(木根川八郎)
→「労働者が置かれた実感」「解雇の嵐がやってくる」

●1点句
・揉み消した手足そろそろ火がともり(笑い茸)
→「ちゃんと消えてない感じ」

・きっぱりと脱原発に舵を切れ(すなふきん)
→「そろそろを略した表現がおもしろい」

・原発の事故が終息待つとでも?(斗周)
→「事故は必ず起きる。皮肉っている」「?はなくてもわかるのでは」

・安倍逮捕そろそろ号外出るころか(白眞弓)
→「号外出たら面白い」

・水の星そろりそろそろお湯の星(笑い茸)
→「ゆでがえると同じ表現。変わった句で面白い」

・息できぬそろそろ真綿どけてくれ(蘭綺麗)
→「なるほど真綿で窒息させられそうな社会 」

・そろそろと幕引き準備アベ周辺(祐民)
→「周りが見切っているのがよくわかる」

・トランプもアベもそろそろ崖っぷち(奥徒)
→「今の状況そのものずばり」

・忖度し媚びた奴らもそろそろり(今明)
→「いまの状況よく出ている」

・梅雨入りヤそろそろ返せ雨がっぱ(J・ポンド)
→「雨合羽を集めるという愚策への皮肉がよい」

・米櫃もそろそろ尽きて粥すする(すなふきん)
→「オーバーではない現実味がある」

・天皇をそろそろヒトにしてやれば(奥徒)
→「天皇制やめて人権を」

・そろそろと指を動かす初スマホ(やんちゃん)
→「便利な道具を手に入れて嬉しいはずなのに、若者ではない私達?が経験する戸惑いを
上手く描いている」

・そろそろだ今だもうだと言い続け(茫野)
→「期待が空回りする様子をうまく」

●乱鬼龍選
・新デモはそろそろ歩くディスタンス(一志)
・水の星そろりそろそろお湯の星(笑い茸)
・倒産の後にゆるりと給付金(かずさ紀柳)

<雑詠> 58句

●4点句
・二メートル離れて立って割り込まれ(やんちゃん)
→「ちゃんと二メートルを守るのも、割り込まれても暴動が起きないのも日本らしい」「
ちょっと可笑しい」「ありそうなこと」

・自粛から自衛その後は自己責任(なずな)
→「やや説明的なのが気になるが、政治の無責任をうまく表している」「カタカナ英語も
含め言葉で印象づけ、やってる感を強調する小池都知事の魂胆が見えてくる」「調子がい
い」

●3点句
・警官が片足をつく民主主義(なずな)
→「日本の警官も見習えと言いたい 
」「こういう場面をみると、アメリカはいいなと思う。日本で、自分の意志を表明する警
官が生まれることを願う」「やっぱりアメリカ、警官の労組のある国」

・弾なくも無人に撃たれ店消える(茫野)
→「補償内容にも支給の遅れにも政府への怒りが収まらない中でも、厳しい現実は進行し
ている。冷徹に思える表現が際立たせている」「すごくいい句」

・血税は中抜き政治は手抜きする(乱鬼龍)
→「きれいにつくっている」「リズムがいい」

●2点句
・布マスク二波に備えるスピード感(今明)
→「可笑しい」「とぼけた味、おもしろい。菅も第二波に備えると言っていた」

●1点句
・ウィズコロナ会見場は英語塾(一志)
→「英語のキャッチに騙される」

・電通とパソナが作る貧困層(駒田紋太)
→「金儲けという側面だけでなく社会構造を表現している」

・仲良しこよし給付事業のピッポッパ(かずさ紀柳)
→「利権の構図を説明的でなくうまく表現している」

・ドラマでは煙草が消えてマスク増え(蘭綺麗)
→「表現と時代の関係感じる」

・八十路越え今更強いるニューライフ(かずさ紀柳)
→「高齢者イジメへの悔しさがよく出ている」

・連帯を炊き出す今朝はカレー丼(すなふきん)
→「弁当を配るという表現ではなく、連帯を炊き出すの表現が秀逸」

・三割を切ると飛び立つインパルス(J・ポンド)
→「人殺しが人命を救う人たちにエールとは 」

・国際と国立の名に騙される(蘭綺麗)
→「権威でごまかす常用の手口」

・コロナ禍が世の常識を叩き出す(木根川八郎)
→「コロナ前、コロナ後の世界と言われ、世の常識も変わらざるを得ない状況を”叩き出
す”という言葉で私達に強く迫っていて、インパクトがある」

・ウイルスが世に変革を突付ける(木根川八郎)
→「私は叩き出すより突付けるのほうがいいと思った」

・10万が届かぬうちに納税書(八金)
→「その通りでした」

・人間の鎖繋げぬ手の疼き(すなふきん)
→「パンデミックの本質を表現している」

・丸投げで選挙費用を先払い(今明)
→「電通がらみをうまく表現」

・責任はあっても取るなと子らも知る(今明)
→「子どもが悪く教育されていく」

●乱鬼龍選
・自粛から自衛その後は自己責任(なずな)
・布マスク二波に備えるスピード感(今明)
・連帯を炊き出す今朝はカレー丼(すなふきん)

以上

Created by staff01. Last modified on 2020-06-26 23:06:02 Copyright: Default

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