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情報提供:共通番号いらないネット

声明 迅速な給付にならずマイナンバー制度を改悪する自民党提言に反対する

      共通番号・カードの廃止をめざす市民連絡会(共通番号いらないネット)

1.マイナンバー制度活用を目的とした本末転倒な提言では、速やかな給付にならない

 自由民主党マイナンバーPTは5月19日、「マイナンバー制度等の活用方策についての提言」を
まとめ20日発表した。この提言は迅速な給付のためではなく、特別定額給付金支給で失敗したマイ
ナンバー制度を活用できるようにするという、本末転倒な意図からまとめられている。

 特別定額給付金のオンライン申請をめぐるトラブルは、マイナンバーカードが普及せず電子証明書
やマイナポータルが知られていない中で安易にオンライン申請を推奨し、さらにJ―LISのシステ
ムの準備不足や現場の事務を踏まえないオンライン申請システムにより発生した。

 そのため多くの住民が外出自粛のなか窓口に押し寄せ「三密状態」になり、市区町村は事務が遅延
し、26市区町(5月24日現在)が迅速な給付のためにオンライン申請の中止・停止を決定した。
マイナンバー制度の利用にこだわれば、円滑な給付はできなくなることを示している。

2.マイナポータルでマイナンバーと振込口座は管理せず、市区町村で口座管理を

 提言は、本人同意を前提にマイナポータルに1人1つの給付金等の振込口座をマイナンバー付きで
登録・管理するため、今国会で議員立法「緊急時給付迅速化法」(仮称)の制定をめざすとしている。
しかしマイナンバーカードの普及率が約16%の状況では、マイナポータルで口座を管理しても迅速
かつきめ細かな給付の速やかな実現にはならない。

 この提言は、マイナンバー制度の個人情報保護措置を危うくする。マイナポータルはマイナンバー
を利用せず、個人情報保護や情報の一元管理を回避する観点から利用者の個人情報を極力蓄積しない
仕組みとしてきた。マイナンバーとともに口座情報や連絡先情報など個人の属性データを登録・管理
していくことは、漏えいの危険とともに個人情報の一元管理に道を開き、さらにマイナンバーと「符
号」とをひも付けて管理しないという制度の原則を損なう。

 給付金の申請にマイナンバーを利用すれば、マイナンバー記入の際の本人確認義務や提出書類の安
全管理義務など、市区町村にさらなる負担が発生する。迅速かつきめ細かな給付を速やかに実現する
ためには、すでに行政サービスのために多くの住民の振込先口座を把握している市区町村で、給付金
用の口座情報を管理する仕組みとすべきだ。併せて世帯単位ではなく個人単位での給付や、マイナン
バー制度では把握できない住民登録が設定困難な居所喪失者等や外国人等に対しての感染拡大防止の
ために必要な給付を可能にすることを求める。

3.マイナンバーを治安対策に利用する口座ひも付け義務化は許されない

 2015年の番号法改正では預貯金口座へのマイナンバー付番の目的は、ペイオフ対策と社会保障
制度における資力調査や税務調査のためとされていた。しかし自民党PT提言はマネーロンダリング
対策やテロ資金対策等の観点を加え、マイナンバーの預貯金口座紐づけを義務化する法案について
2021(令和3)年度の国会提出を目指すべきとしている。

 刑事事件捜査や治安機関への特定個人情報の提供・利用が書かれている番号法は、マイナンバーの
利用差止等訴訟で憲法違反として争われている。犯罪・テロ対策への利用は、マイナンバー制度導入
の目的として政府が説明してきたことにも反し、認められない。

                                  2020年5月26日

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