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「アリラン」の歌も流れた!〜8.20 サンケン電気に対する抗議行動レポート

尾澤邦子


*志木駅頭でのアピール行動

動画(7分)

 「アリラン アリラン アラリヨ〜〜」韓国サンケン労組のキム・ウニョンさんの歌声が 、スマホからマイクを通してサンケン電気本社前に流れました。 8月20日のサンケン電気に対する抗議要請行動の報告です。

 8月20日朝7時15分、韓国サンケン労組からのサンケン電気和田社長あての文書を手渡し たいと本社前に集まった約30名。しかし、門前払い。即、抗議行動をおこないました。韓 国サンケン労組を支援する会準備会事務局の尾澤孝司さんがマイクを握り「サンケン電気 本社は『赤字』を理由に韓国サンケンを解散・清算すると言っているが、韓国に別の会社 をつくり利益を上げている。組合潰しの廃業だ。容認するわけにはいかない。今コロナで 韓国から日本に来られない。労組から私たちに要請があり、本日会社に来た。会社が廃業 を撤回するまで団体交渉の要求等していきたい」と訴えました。

 韓国サンケン労組のメンバーから次々にインターネットで訴えがおこなわれました。

 分会長のオ・ヘジンさんは本社に対し、韓国サンケンの解散・清算の撤回を強く要求し ました。そして「働こうとしている労働者の希望を踏みにじらないでください。私たちが 望んでいるのは慰労金ではありません。働き続けられる生産現場です。私たちは要求が貫 徹されるまで最後まで闘い続けます」と訴えました。

 前分会長で、喉頭がんを患い休業し、放射線治療などで奇跡の生還を果たし現場復帰し たヤン・ソンモさんが訴えました。「3年前私たちが会社に復職した時、韓国の社長は正 常な稼働を約束しました。それは本社の和田社長の約束だと認識しました。私たちはその 約束を信じて、この3年間、苦しい時間を過ごしてきました。このような事態に対して、 和田社長は私たち韓国労働者の前に出てきて、きちんと説明するべきです」と。

 キム・ヒョンガンさんは「約束を破ってまで会社の利益を上げようとするのは、会社と しての社会的役割にそぐわないと思います。人間は使い捨てのモノではありません。人間 をモノとして扱わないでください。利益だけを追いかけるような企業にならないでくださ い」と話しました。

 3年前日本に常駐し、日本にもファンの多いキム・ウニョンさんが、ずっと通訳をして くれている加藤さんをねぎらい、少し休ませようと歌を歌いました。そして3年前を振り 返り、本社前で涙を流しながら訴えたことや、日本の支援者の暖かさにどれだけ励まされ たかなど話しました。そして「オンラインではあっても、日韓労働者が思いをひとつにし て共に闘い、解散・清算という状況を跳ね返していきたい。団結した労働者・民衆は必ず 勝利します。勝利集会がおこなえるその日まで、共に頑張りましょう」と訴えました。

 8時45分から約1時間、最寄りの東武東上線「志木」駅頭で情宣活動をおこないました。

 ペク・ウンジュさんの明るくハリのある声がスマホからマイクを通して流れました。ウ ンジュさんは会社の状況を簡単に紹介し「韓国サンケンの社長は、私たちとの話し合いの 中で本音を漏らしました。労働組合があるので韓国サンケンは廃業せざるを得ないと漏ら しました。これにより、廃業はサンケン電気の、韓国の労働組合つぶしだということが明 らかになりました。今はコロナで日本に行けないけれども、いつでも日本に飛んでいく準 備ができています」と話していました。

 キム・ウニョンさんは、韓国サンケン労組の闘いの歴史、サンケン電気の組合つぶしと の闘いについて切々と語りました。下に訴えの概要を文字起こししましたので貼り付けま す。読んでみてください。

 この日の行動は、韓国の金属労組慶南支部韓国サンケン支会、韓国サンケン労組と連帯 する埼玉市民の会準備する有志、韓国サンケン労組を支援する会準備会の呼びかけでおこ なわれました。

 9月3日(木)午後6時半から、文京区民センター3Aで、韓国サンケン労組を支援する 会の結成集会が開催されます。韓国からネット中継で労組が参加します。コロナ禍のため、会場の人数制限(100名)がありますが、注目していただきたいと思 います。コロナ禍を利用した組合つぶしを許せません。韓国サンケン労組を支援しましょう。

<抗議先>
 サンケン電気株式会社 埼玉県新座市北野3−6−3
 代表取締役社長 和田 節
 TEL 048-472-1111 FAX 048-471-6249

<志木駅頭でのキム・ウニョンさんの発言要旨>

「コロナで日本に行けない、サンケン電気本社に直接話ができないことを大変残念に思っ ています。

 韓国サンケンは、サンケン電気が1973年に100%出資した子会社で、47年間運営を続けて きました。馬山の輸出貿易地域で、土地代や税金などで数々の恩恵を受け、利益を上げて きました。1997年に民主的な労働組合ができると、極度に労組を嫌い、労働者に弾圧を加 えてきました。97年、サンケン電気は韓国サンケンには何も言わず、こっそりインドネシ アに工場を移転しようとしました。日本の知人からの知らせでそのことを知り、労組で闘 い、韓国の工場を残すことができました。

 その後韓国の工場は発展し、700人もの労働者が働く工場となり、大きな利益を上げて きました。しかし本社経営陣のあやまちにより、リストラがおこなわれ、ついに100人を きるような状況になりました。『希望退職』により、多くの仲間が職場を去っていきまし た。私たちは組合の旗を守って必死に耐えてきました。

 2016〜2017年、私たち生産職労働者の全員解雇ということに対し、日本に行って闘いま した。本社前で私たちの状況を話し、そして志木駅前で訴えをさせていただきました。埼 玉や東京にある争議を行っている人たちの所に駆け付け、一緒に闘いました。韓国の労働 委員会では、このサンケン電気の整理解雇が不当なものであるという判決が下されました 。会社は再び『希望退職』を募りました。年老いた親や、病気の家族を抱える仲間は、泣 く泣く職場を去るということもありました。人間の一番弱いところをついてきたのです。 最後まで残った17人は、ついに解雇を撤回させ、胸を張って工場に戻ることができました 。

 その時に会社と合意書を取り交わしました。工場を正常に稼働させ、安定的に生産活動 を行うということを合意したわけです。2016年の冬はとても寒かったです。雨が降っても 、雪が降っても、冷たい風の中でもひるむことなく闘い続け、ついに勝利を勝ち取ったの です。でも戻った工場には何の機械もなくがらんとしていました。本社は、作れば作るほ ど赤字が出るような発注量しか私たちに命じませんでした。賃金は凍結されたままでした 。半導体部門で大きな利益を上げていた本社は、私たちには内緒で韓国の別の地域の工場 を買収し、そこで大きな黒字を出していました。

 サンケン電気は韓国の社長にも知らせず、本社の取締役会で韓国サンケンの解散・清算 を決定し、それをホームページに掲載しました。こんなことが許されるでしょうか。私た ちは韓国で、雇用安定委員会というのを労使で行っています。今後も雇用安定のために努 力すると話し合った翌日に、本社の一方的な決定を知らされました。これは、この3年間 、本社は韓国サンケン労組を潰し、会社を廃業にする準備をしていたということにほかな りません。韓国の社長は『労組が闘わなければ韓国サンケンは生き残った』と思わず本音 を漏らしました。労組を嫌い、なんとしても潰そうとする本社の意図がありありと見えま す。サンケン電気は自らをグローバル企業だと言っていますが、労働法や国際法を守らず 、そのような企業活動ができるのでしょうか。サンケン電気は、このような恥知らずなや り方をただちにやめるべきです。人間の良心を殴り捨てるようなやり方はやめてください 。欺瞞的で計画的で違法な韓国サンケンに対する廃業・解散は直ちに撤回して下さい。韓 国サンケンの労働者が一日も早く働けるよう、工場を正常に稼働してください。サンケン 電気は10億円をかけて韓国工場を清算するということですが、そのようなお金は、工場を 正常に稼働させることに回してください。私たちは、一歩もひるむことなく、この解散・ 清算を撤回させるまで闘い続けます。どうかその日まで、日本の支援者の皆さんも私たち と共に歩んでくださることを望んでいます。

 2016年、2017年の闘いの時のように、日本の仲間の皆さんと共にサンケン電気本社の不 当な解散及び清算を撤回させて、勝利集会が持てるその時まで、がんばりたいと思います 。暑さに、そしてコロナに気をつけてください。みなさんの健康が私たちの希望でもあり ます。またみなさんと、元気に再会できることを私たちも楽しみにしています」


Created by staff01. Last modified on 2020-08-22 16:57:07 Copyright: Default

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