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LNJ Logo ブックレット発行 : 「徴用工問題は解決済み」は本当か
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情報提供 : 高井弘之 takaihiroyuki123@gmail.co

ブックレット【「徴用工問題は解決済み」は本当か―植民地支配責任に向き合わない日本―】を書きました。

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「徴用工への賠償問題は日韓請求権協定で解決済み」であるにもかかわらず韓国が約束を破った、だから、すべての非と責任は韓国の側にあるとする、まさに、「加害―被害の関係」を転倒させた、ほんとうに恥ずべき主張が、この日本社会を覆っている。

『協定』を少し見れば、そこには、賠償や植民地支配・被害、あるいは反省・謝罪などの文字さえなく、それが賠償のための『協定』などでは全くないことは一目瞭然である。

そうであるにもかかわらず、私の知る限りでは、『請求権協定』の文書さえ紹介されることなく、「請求権協定で解決済み」とする主張―完全なフェイクニュースが日本社会を堂々と独り歩きしているのである。異常というしかない。

その結果、日本政府・企業は、強制「徴用」し、強制労働を強いた朝鮮―韓国の人々にいっさい謝罪も賠償もしていないにもかかわらず、「正しい(立派な)日本」と「間違っている(悪い)韓国」という構図が、日本のメディア・社会の中で自明化されている。

そして、韓国に対しては、「感情的で話の通じない国」「解決したことを何度も持ち出す国」「約束を守らず、それを繰り返し反故にする国」「反日だけやっている危険な国」等々とおびただしい差別的蔑視的レッテルが溢れ、やがて、そのような国とはつき合うな、断交しろという主張までがまかり通っている。

そのような中、在日コリアンの人びとや日本で生きる韓国の人たちは命の危険を感じ、在日韓国大使館には、「ライフルを何丁も持っており、韓国人を狙っている」との趣旨の脅迫文と銃弾が送り付けられる状況にまで到っている。

このような目前の状況を少しでも変えていきたいとの思いから、この小著を急ぎ、書き上げました。役立ててもらえるならば幸いです。

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【目次】

はじめに  

第一章 「徴用工問題は『請求権協定』で解決済み」ではない

(1)「植民地支配は合法・正当だった」が日本政府の立場

(2)『請求権協定』で行ったことは賠償ではなく「経済協力」

(3)その「経済協力」金は日本企業に渡された

(4)『協定』の「請求権」は被害賠償請求権の意味ではない

(5)請求権交渉(「徴用問題」)における日本の宗主国姿勢

(6)日本政府、「経済協力」での「解決」を強要

(7)朝鮮支配「合法」論に基づく『請求権協定』

(8)「徴用工問題」は『請求権協定』で解決していない

(9)「補償は韓国政府が行うと約束した」は本当か?

(10)『協定』締結によって開始された日本の経済侵略

第二章 韓国大法院「強制動員判決」の意味するもの
―『判決』は『請求権協定』に反していない―

(1)『判決』と『日韓請求権協定』の関係

(2)個人請求権の問題

(3)「強制労働(徴用)問題」と国際法

第三章『日韓条約―請求権協定』の歴史的位置、そして現在

(1)謝罪・賠償のない『条約・協定』をなぜ締結し得たのか

(2)『大法院判決』を生み出し、支持する現在の韓国

(3)植民地支配責任を無視、「逆切れ」する日本

資料 【「徴用工問題」に対する日韓市民共同宣言】
      
【強制「徴用」被害者遺族「記者会見」報告】

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当ブックレットは、今月(9月)末、刊行予定です。〔価格700円/A5判 104頁〕

下記コメント欄ないしは、高井宛のフェイスブック「メッセージ」に、住所とお名前(及びご希望の冊数)をお書きになってくだされば、出来上がり次第、送らせていただきます。

※ 送付時に振替用紙を同封致します。 (送料は実費分お願いします) 10冊以上ご注文いただける場合は、1冊分600円とさせていただきます。
 
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【案内文】

いま、「強制徴用被害」に関する韓国大法院判決を契機に、日本の「制裁(報復)措置」を経て、日韓関係がかつてない危機状況にあることはご存知のとおりです。状況をここまで到らしめた大本には、「徴用工への賠償問題は『日韓請求権協定』で解決済み」だから「約束違反」、とする日本政府の強固で頑なな主張・姿勢が存在しています。

マスメディアも政府の主張を繰り返すだけで、その主張が本当かどうか、肝心の『請求権協定』に即した具体的検証を全くしません。現代版「戦争行為」とでも呼び得る「制裁措置」(兵糧攻め)を、日本国民の約70パーセントもの人が支持する恐ろしい状況は、「解決済み―韓国の約束違反」とする政府・マスコミの主張を多くの人々が信じていることから来ているのではないでしょうか。

 以上から、日本全体が一枚岩となって好戦的排外主義に向かう現在の危機的状況を変えていくためには、まずは、この、『請求権協定』の事実―真相を一人でも多くの人々に伝え、知ってもらうことが必要で大事であると考え、急遽、このブックレットを作成することとしました。

 まず、ここで紹介しておきたいことは、日本側は、この『協定』を、「日本による朝鮮統治は合法で正しかった」という一貫した認識―立場で交渉し、締結したということです。したがって、その非と責任を認めること―その立場に立ったことを意味する「被害賠償」など、立場上・論理上、在り得なかったのです。

実際、この『請求権協定』やその基本となった『日韓条約』の文書には、植民地支配の非を認める言葉も、それへの反省・謝罪の言葉も全くないばかりか、(違法であれ合法であれ)日本が朝鮮を「統治」していた事実の記載やそれへの言及さえ全くありません。さらに、植民地・被害・賠償などという言葉自体がいっさい出て来ず、存在していないのです。

 この拙著では、「解決済み」という主張が全くの虚偽であることを、『協定』の内容と、そこに到る日韓交渉の内実から、証拠・記録に基づいて、具体的に明らかにしました。ぜひ、一人でも多くの方々に手に取っていただき、現在の危機状況を少しでも変えていく一助になればと願っています。

【 著者:高井弘之/『誤謬だらけの「坂の上の雲」』『日本問題としての「北朝鮮問題」』『礼賛される「日本150年」とは、実は、何か』『民主主義にとって象徴天皇制とは何か』などを執筆。「四国朝鮮学校市民基金」・えひめ教科書裁判を支える会、スタッフ。】


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