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攻撃された「表現の不自由展・その後」作品群が示すもの

2019年08月13日 | 国家と文化・芸術・スポーツ

      

 「あいちトリエンナーレ2019」の「表現の不自由展・その後」が開幕3日で中止された事件(3日)は、菅義偉官房長官、河村たかし名古屋市長(写真右)、松井一郎大阪市長らの「検閲」発言・圧力、「表現の自由」を侵害する勢力と迎合する社会、それに屈して主催者に無断で中止した実行委員会(実行委員長・大村秀章愛知県知事、芸術監督・津田大介氏)など、多くの深刻な問題を含んでいます。

  一方、別の角度から見れば、今回の事件は現代日本社会・日本人の弱点を浮き彫りにしたともいえるのではないでしょうか。

 今回の「表現の不自由展・その後」にはどのような作品が展示されていたのでしょうか。焦点になっている「平和の少女像」(写真左)を含め、計16作品のテーマ・モチーフは次の通りです(実行委のHP、4日付朝日新聞などからのまとめ)。

〇重重―中国に残された朝鮮人日本軍「慰安婦」の女性たち

〇遠近を抱えて(天皇制がモチーフと思われます)

〇「中国のもの食わない」という社長からもらったお菓子

〇落米のおそれあり…沖縄の米軍機墜落事故をモチーフに店のシャッターに描いた絵

平和の少女像…日本軍戦時性奴隷がモチーフ

〇9条俳句―「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ

〇空気♯1…天皇をモチーフにした作品

〇焼かれるべき絵(内容はわかりません)

〇群馬県朝鮮人強制連行追悼碑

〇償わなければならないこと(内容はわかりません)

〇気合100連発(内容はわかりません)

〇時代の肖像−絶滅危惧種 idiot JAPONICA 円墳…「現政権の右傾化を阻止」などと記した作品

福島サウンドスケープ(東電原発事故がモチーフと思われます)

〇Tami Fujie 1986 work(内容はわかりません)

〇マネキンフラッシュモブの作品(内容はわかりません)

〇ラッピング電車の第五号案「ターザン」など(横尾忠則作品)

  分かっているだけでも(分からないのは私が知らないだけですが)「表現の自由」から排除されたテーマ・モチーフは次の通りでした。

朝鮮人元「慰安婦」、天皇(制)、中国、沖縄、米軍基地、憲法9条、朝鮮人強制連行、安倍政権、福島(東電原発事故)

 ということは、これらのテーマ・モチーフこそ、国家権力とその走狗が、真相を知られては困る、自由に表現されては困ると恐れているテーマ・モチーフだということではないでしょうか。

 「表現の不自由展・その後」が中止に追い込まれたのは、直接的には「平和の少女像」への脅迫だったとしても、攻撃されたのはけっして「少女像」だけではなかったでしょう。
 事実、「トリエンナーレ実行委の説明によれば、同展の中止を決定づけた電話やメールによる抗議の対象は『慰安婦5割、天皇4割』であったといいます」(8月11日「終わりにしよう天皇制!『代替わり』反対ネットワーク」の抗議声明)。

 これを反面教師と考えれば、「朝鮮人元慰安婦」「天皇(制)」はじめ、上記の諸テーマこそ、その真相・実態が広く知られる必要がある、「日本国民」はその真実を知る責任がある、ということではないでしょうか。


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