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★『アジア記者クラブ通信』315号(4月号)
特集:新聞・テレビでは理解できない国際報道
http://apc.cup.com/

タイトルとリードのみです。本文は、通信でお読みください。
全頁カラーのPDF版。購読方法はメール末を参照願います。



■1月定例会リポート(2019年1月31日)
日韓条約と徴用工問題                     
日韓会談関連外交文書から読み解く

吉澤文寿(新潟国際情報大学教授)

 いわゆる元徴用工判決をめぐる問題は、判決を不当とする被告の日本企業
の資産差し押さえの段階に進もうとしている。日本の植民地時代に徴用され
た朝鮮半島出身の労働者が損害賠償を求めた裁判で、韓国大法院が新日鉄住
金(旧日本製鉄)や三菱重工に賠償金支払いを命じた元徴用工判決。反発す
る日本側からもっぱら聞かれるのは「1965年の日韓請求権協定で解決済
み」との主張だが、同協定自体に詳しく踏み込んだ報道や議論は少ない。日
韓の国交正常化を実現させた65年の日韓基本条約とともに結ばれた請求権
協定。ここに至るには「日韓会談」と呼ばれる一連の交渉がなされ、請求権
問題も話し合われている。1月定例会は『日韓会談1965』(高文研)な
どの著書がある吉澤文寿・新潟国際情報大学教授に、「日韓条約と徴用工問
題―日韓会談関連外交文書から読み解く」と題して、語っていただいた。
(編集部)


■メディア
アサンジの逮捕は他人事か
権力の攻撃目標は調査報道
天に唾するジャーナリズム

ジョン・ピルガー
ジャーナリスト

 ジュリアン・アサンジが危惧されていた通り、英警察に4月11日、駐英
エクアドル大使館の中で逮捕された。見せしめに、米国に引き渡され裁判に
かけられる危機に直面している。今回の逮捕容疑は、ウィキリークスによる
公文書の機密ファイルのパスワードを盗んだ罪が問題とされ、報道の自由を
侵すものではないという米英当局の主張が欧米主流メディアを通して繰り返
し伝えられている。本稿は、ブレア元英首相の100万人のイラク人を死亡
させた人道に対する罪がお咎めなしになった一方で、国家犯罪の事実を究明
し、嘘を暴き、世界中の人々を真実で力づけた人物が逮捕され、ジャーナリ
ズムが犯罪として裁かれようとしている現実に際しても拱手傍観を決め込む
主流メディアへの痛烈なカウンターパンチである。筆者はウィキリークスで
儲けたガーディアン紙を俎上にあげ、国家権力の圧力に容易に屈し、情報源
の秘匿すら守れない体たらくを批判した上で、調査報道が国家権力による攻
撃の的になっているという危機感に欠けるジャーナリズムの現状に異議申し
立てを行う。(編集部)


■原発事故
福島原発事故8周年
放射能五輪に警鐘
進行する放射線汚染

ヘレン・カルディコット
作家、医師、反核運動家

 福島原発事故から8年を経た報道からは、放射線や放射性物質による汚染
が収束しているのか、汚染水の海洋放出による魚食連鎖への影響はないのか、
東京五輪2020の安全開催がそもそも可能なのか、東電と政府による事故
隠しが続く中で、さっぱり被害の有無が見えてこないのが現状だ。本稿は福
島原発事故8周年にあわせて、地球規模に放射能大惨事が拡大していると説く
カルディコット博士に行ったインタビューの全文である。博士は、被ばくに
よる癌の発症期間が3年から80年あることから甲状腺癌や白血病の発症は
始まったばかりだと指摘する。東京五輪を放射能五輪と呼ぶ博士の異議申し
立ては、東日本における放射性物質による汚染、とくに海洋汚染と食物連鎖
への影響を中心に多岐にわたる。本稿は政府が原発再稼働に舵を切る中で、
報道関係者と専門家による放射線汚染の再検証を迫っている。(編集部)


■中国
欧州重要港を確保する中国
EU・米の警戒は空回り
海上輸送こそ一帯一路の胆

F・ウィリアム・エンダール
戦略リスク・コンサルタント

 景気の低迷と貧富の格差が拡大するイタリアに習近平主席が大型経済ミッ
ションを率いて訪問したのは3月23日。EU・米は中国の欧州での投資を
「虚栄心に満ちたプロジェクト」だとイタリアを牽制する一方で、老朽化し
た港湾施設を中国の資金で刷新したいとの現地の思惑が交錯する。本稿は、
世界貿易の90%が海上輸送に依存していることを踏まえ、高速鉄道インフ
ラに注目が集まる中国の一帯一路構想の戦略的、地政学的な目標が、実は死
活的に重要な港湾の確保にあることを明らかにする。筆者は、独仏首脳が共
同で中国に対抗する姿勢を示しても、すでにEUの産業戦略が機能不全に陥
っていることから、中国と欧州との物流網が構築される中に、欧州のみなら
ず世界が景気低迷から脱出する方途があることを暗示させる。(編集部)


■メディア
なぜロシアゲートなのか
情報を支配する戦争屋
新冷戦煽る主流メディア

ケイトリン・ジョンストン
ローグ・ジャーナリスト

 トランプ政権成立以来、ロシアが米大統領選に干渉し、自国に都合のいい
政権誕生工作を行ったとされるロシアゲート事件は、何一つ証拠が示されな
いまま捜査自体が打ち切られた。未だに米主流メディアは、ウォーターゲー
ト事件の再来であるかのような根拠のない主張を繰り返している。本稿は、
プーチン大統領の操り人形だとトランプ大統領を非難する主流メディアによ
る偽りの報道とロシアへの敵愾心を煽る御用評論家のコメントによって、米
ロ関係がキューバ危機以来の全面戦争の危険性に直面している現実を明らか
にする。筆者は、マスメディアが米国の大衆世論が戦争に傾いてもブレーキ
を踏まず、世界を脅かす新たな冷戦を加速するよう説得する役割を果たして
いる現状を告発する。情報を支配する者が世界を支配する。読者、視聴者自
身が情報判読能力を高める必要性を筆者は促す。(編集部)


■ベネズエラ
国連大使席に座れるのか
ペンス副大統領の登壇と
暴挙にマスメディアは沈黙
ベネズエラ大使追放を画策

カーラ・ステア
グローバルリサーチ
国連本部駐在記者

 NHKを筆頭にベネズエラ報道の枕詞になっている「独裁を続ける」の
根拠を示せる報道機関は存在しない。政権当事者への直接取材もしない中
での政権批判は、政権打倒を唱える反政府側への一方的な加担に等しく、
すでに報道機関の体をなしていないと言っても過言ではない。本稿は、ベ
ネズエラでの現地調査を行って帰国した米国平和評議会による米政府の嘘
と西側主流メディアの歪曲報道に反論した記者会見報告である。国連で定
点取材を続ける筆者は、決して主流メディアが触れない現地調査で明らか
になった具体的事実と高度化した米国の破壊工作の実態を白日の下に曝す。
矛盾撞着する米国の砲艦外交への皮肉も辛らつだ。ベネズエラの人道危機
を介入の口実にする米国の足下ではホームレスが溢れかえり、貧困層の拡
大は危険ラインを超えているとの指摘がそれだ。信任状のないペンス副大
統領が米国連大使席に座り、ベネズエラ国連大使の信任状の無効を唱える
姿は、超法規的行動を続ける米国の今日の姿を象徴する出来事だ。
(編集部)


■北朝鮮
なぜ在スペイン朝鮮大使館
が襲われたのか?
“打倒金正恩”グループの
示威行動に外国機関の影

コンスタンティン・アスモロフ
ロシア科学アカデミー極東研究所
朝鮮研究センター上席研究員

 外部から在外公館を襲撃するのは、歴史的、世界的に見て極めて異例な
出来事だ。テヘランの米大使館人質事件、ペルー日本大使公邸襲撃事件は
大きく報道され、事態収拾後も米イラン外交関係、フジモリ政権の行方を
左右することになった。ハノイの第2回米朝首脳会談の直前に、アジアか
ら遠く離れたヨーロッパのマドリードで起きた大使館乱入事件の全体像は、
マドリード、ソウル、ワシントンなど各地からの転電を散発的に伝える日
本の主要メディアだけではをつかめない。国際報道デスクの適切な指示と
まとめが求められているはずだが、平壌の現政権打倒を犯行声明で打ち出
している“確信犯”の実態がはっきりしないだけに、ともすると韓国内外
にいる「脱北者」などからの憶測に基づく一方的情報が先走りしがちだ。
この記事を通じて、ヨーロッパでの制裁緩和への流れを阻止することで国
際包囲網を再編強化する、米朝実務交渉に携わっている朝鮮の元大使に圧
力を掛け、平壌の最高指導者を対象とする“斬首作戦”を想起させて脅威
を与える――背後にさまざまな狙いが込められていることが分かる。「第
2回首脳会談物別れ」後の今年2019年、平和裏に外交的角逐が繰り広げら
れているように見える中で、情報戦は次第に活発化してきている。(編集部)



■伊藤孝司『平壌日記』


■書評
アフガニスタン戦争への扉を開くドキュメント
アブドゥル・ハミド・ムータット著『わが政府 かく崩壊せり』
Barmakids Press 2019年1月 販価1,724円(ネット販売のみ)


★★★購読方法(会員制です)

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PDF版・年間購読すると1冊417円です。

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