日本にはまだ「菊のタブー」が現存している(山谷哲夫) | |||||||
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日本にはまだ「菊のタブー」が現存している「11AM劇場 名画発見!」で『天皇の名のもとに』『沖縄のハルモニ』上映山谷哲夫(『沖縄のハルモニ』監督)12月7日朝日新聞土曜版に、東海テレビ放送ゼネラルプロデューサー阿武野勝彦さん(60歳)の特集が組まれていた。阿武野さんは今、最も注目すべきテレビ人で、テレビ放送ー映画館上映の道筋を付けた先駆者である。これまでは、映画館上映―テレビ放送という流ればかりだったが、逆転の発想でぼくら映画人を瞠目させた。阿武野さんたち東海テレビのスタッフはこれまで11本の映画作品を公開してきた。代表作が「人生フルーツ」で、ご婦人方を中心に27万にもの観客動員を果たしてきた。1万人入ればヒットという世界で、この数字は驚異的である。その他、「ヤクザと憲法」のような話題作も手掛け、ドキュメンタリーを学ぶ人だったら、誰もが一目置く存在である。 人格的にもすこぶる評判が良く、たまたま一緒に仕事をした大学同期がほめそやしていた。新作「さよならテレビ」も来月劇場公開され、またまた評判になるだろう。時の人である。しかし、スポットライトばかり浴びていると、思わぬ失言でつまずく。ぼくのような「阿武野ファン」でさえ、朝日新聞記者への答えに「取材の題材に『タブーはない』」と断言しているところに引っかかった。少し、「増上慢」になっているのではないか? 日本民間放送連盟放送基準第二章(7)に「国および国の機関を傷つけるような取り扱いはしない」と明文化されているんですよ。おまけに内部基準として「皇室を傷つけてはいけない」とまで念を押されている。もちろん民間の文書だから「違憲」と問い質されることはない。でも、第二章や内部基準が忖度、拡大解釈し、皇室を批判できない「菊のタブー」となっていることは、今や既成事実である。この「菊のタブー」の前には、いかなる放送人、やがては新聞記者も自粛せざるを得ない。 日本の敗戦とともに「治安維持法」が廃棄され、大っぴらに天皇制批判が一時期、許容された。しかし、右傾化がジワリ、ジワリ進み、浅沼稲次郎刺殺事件などが起こると、『天皇制―特に昭和天皇の戦争責任』を表立って問うことは難しくなってきた。いまそれがやれるのは、NHKや民放ではなく、『天皇の名のもとに―南京大虐殺の真実』を作ったクリスティン・チョイ+ナンシー・トン監督たち外国人か、ぼくのようなフリーランスの映画監督だけである。日本の放送局はぼくが監督した『沖縄のハルモニー証言・従軍慰安婦』でさえも、もう放送してくれなくなった。 まず知ろう、日本には旧「治安維持法」と同じような不敬罪が甦り、昭和天皇の戦争責任に象徴される『天皇制』が秘かに確立されていることを。それを取材することは「菊のタブー」に触れますよ。それでも、阿武野さん、「取材の題材に『タブーはない』」と言い張りますか? 自分は、たまたま「お釈迦様(電波法)の手のうちで転がされている孫悟空」だということに、気づいてください。 →アップリンク「11AM劇場−名画発見!」第三弾(12/21−12/27) 12/21・12/24・12/26に『天皇の名のもとに』『沖縄のハルモニ』同時上映。詳細はこちらへ。 Created by staff01. Last modified on 2019-12-09 11:43:39 Copyright: Default |