11.30レイバーシネクラブ報告〜何に希望を見出していったらいいのか | |||||||
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レイバーシネクラブ報告 : 何に希望を見出していったらいいのか?〜映画『パラダイス・ナウ』をめぐってレイバーシネクラブは、11月30日郵政共同センターで、映画『パラダイス・ナウ』の上映討論会を行いました。 参加者は13人でしたが、初参加の20代から80代まで、幅広い年齢層が集まりました。 そもそもアカデミー賞候補になりながら、「自爆テロを正当化している」とノミネートか ら外す運動が起こったというこの映画。 しかし、決して「正当化」しているものとは思えませんでした。 二人のパレスチナ青年が主人公。難民キャンプで生まれ育ったハーレドと、父親が処刑さ れたサイード。二人は車の修理工として働く、ごく普通の労働者に見えますが、実は組織 から自爆攻撃を指示されるのを待っている。そしてついに二人は呼び出され、映画ではそ れからの二日間を描いています。 「敵は空爆、俺たちは自爆しかない」と言い聞かせる二人に、スーハという女性が絡み、 若い二人の葛藤が手に取るように伝わってきました。 この映画は2007年に日本でも公開され、今回二度目という人も何人かいました。 木下昌明さんおすすめの映画で何度も候補に挙がっていたのですが、私自身が「なぜ今、 自爆攻撃の映画なのか?」と思っていたのです。 でも「これはパレスチナとイスラエルだけの問題にとどまらず、今日の日本に重ね合わせ て観てしまった」という感想が多々ありました。 インティファーダから自爆攻撃へ。日本でも、全共闘運動から銃と爆弾闘争へ、先鋭化し た果てに崩壊した左翼運動の歴史があります。 討論の軸になったのは、ラストシーンについて。そして二人に対して「殺す理由を作らな ければ殺されない」「生きて(社会を)変えよう」と語るスーハをどう思うかということ でした。 不特定多数をまきこむ自爆攻撃を批判するのは簡単だが、他に手段がなかったらどうする のか。ここまで社会が悪くなっていくと、いろいろなものが信じられなくなってくる。 そうした中で、何に希望を見出していったらいいのか。我が身に置き換えた意見が、世代 の枠を超えて語られました。 「救いのない映画は嫌いだ」というのが持論の木下さん。この『パラダイス・ナウ』も救 いがないのでは?と質問したところ、次のような言葉が返ってきました。 「この映画は観る人に考えさせることによって、希望がみえてくるんだ」。つまり、他に 方法はないのかと考えさせてくれる映画なのだ、と。 なるほど。悲惨な現実を描いたものはたくさんありますが、映画として世に出すからには どのようなものであるべきか。とても考えさせられる定例会になりました。(堀切さとみ) *次回は2020年1月25日(土)18時〜、郵政共同センターです。 Created by staff01. Last modified on 2019-12-02 15:44:07 Copyright: Default |