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不当判決に怒り心頭!〜河原井・根津「君が代」裁判で高裁判決

動画(7分半)

 3月14日、河原井・根津「君が代」裁判2008年事件の控訴審(東京高裁・後藤博裁判長)判決が出た。この裁判は、元東京都教員の河原井純子さんと根津公子さんが、「君が代」不起立への6か月停職処分の取り消しと損害賠償を求めたもの。法廷に入ってまず、そのものものしい雰囲気に驚いた。まず、傍聴席の後ろにあるTVカメラ、そして10人はいると思われる警備員。いままでの判決にはなかった風景だ。よほどの不当判決か、それともその逆か。カメラの前撮りが終わって、判決主文、そして判決要旨が読み上げられた。これもこの種の裁判では異例だ。通常、裁判長は主文しか読まない。結果は、請求を全面棄却。地裁判決と同じく、河原井さんの処分は取り消されたが、根津さんについては、過去の処分歴や不起立前後に「強制反対 君が代 日の丸」のロゴ入りTシャツを勤務中に着ていたことなどを理由に処分を是認、両者とも損害賠償は認められなかった。

 判決後、不当判決と法廷での扱いに怒り心頭の傍聴者たちは、予定になかった裁判所門前での抗議集会を行った。根津さんは、「カメラや取材記者は、裁判長の指示だろう。判決要旨の読み上げもメディアを意識したものだ。これが報道されれば卒業式シーズンの現場に影響があるはず。不起立への抑止力として使おうとしたのは確かだ」「トレーナーについては、こちらが証人や陳述書でていねいに出した反論には、まったくふれない不当判決。しかし闘いをなかったことにするのではなく、闘いがあったことを百年二百年先に残したい」と思いを込めた。河原井さんは、「この判決で終わりではない。2009年事件の控訴審が進んでいる。裁判と同時に現場のたたかいが大切だ」と語った。参加者たちは「不当判決糾弾!」「忖度裁判長を許さないぞ!」の声を響かせた。

 道徳教育の教科化やオリンピック・パラリンピック教育を通して、学校はますます愛国心の醸成場となりつつある。そして代替わりによる天皇制への翼賛。いまの空気は、根津さんたちが、不起立を余儀なくされた2003年当初より、数倍厳しさを増している。毎年、「君が代」強制反対の元教員たちを中心に、「『君が代』に立たない、歌わない自由がある」ことを知らせるチラシが都内の卒業式で配られている。持続する小さなチラシの意味をいま、あらためて考える。(佐々木有美)


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