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ストライキを「威力業務妨害」にでっち上げ〜不当逮捕16人、関西生コン支部に国家的弾圧


*大阪市内のセメント貯蔵出荷基地

 権力弾圧がつづく関西地区生コン支部で、9月18日、組合役員ら16人が不当逮捕される事件がおきた。生コン業者団体に対し、約束を守って運賃を引き上げるよう要求したストライキ闘争を、大阪府警は「強要未遂」「威力業務妨害」などと歪曲したものだ。こんなでっち上げが通用するならストライキができなくなりかねない。先月からつづく弾圧で不当逮捕された組合役員と組合員はこれで合計20人にものぼる。異常な弾圧に各界から批判の声があがっている。

●抗 議 声 明

 9月18日、大阪府警が、関西地区生コン支部の七牟礼時夫副委員長をはじめとする16人もの役員と組合員を不当逮捕した。許しがたい権力の暴挙に対して、われわれはまず怒りを込めて抗議し、一刻も早く仲間を取り戻すために組織の総力をあげる決意を表明するものである。

 昨年12月の輸送ゼネストの一環として、当組合が宇部三菱セメント大阪港SS(セメント貯蔵出荷基地)でおこなった組合活動を、大阪府警は「強要未遂および威力業務妨害」だとするもののようである。

 だが、このストライキ闘争は、近畿一円の生コン業者に対し、労使間の約束を守って輸送運賃引き上げを速やかに実施すること、また、大阪広域生コン協組の組織運営の民主化を要求したものであり、正当な組合活動にほかならない。

 ところが、この要求について、滋賀、京都、奈良などの業界が運賃引き上げに応じると回答したものの、大阪広域生コン協組(以下、大阪広域協)は組合との全面対決姿勢を打ち出した。そして、約束を履行しない自らの責任は棚上げして、人種差別・排外主義活動で社会的に指弾されるレイシスト集団を使い、関西地区生コン支部を「組織犯罪集団」だなど誹謗中傷するデマ宣伝を開始したのである。

 大阪広域協の木村理事長ら一部執行部は、協同組合という事業者団体の本分をわきまえずにレイシスト集団と一体となって行動し、組合事務所乱入・暴行事件などをひきおこしてきた。

 当組合はこれら複数の事件の責任を追及して木村理事長らとレイシスト集団を告訴しているのだが、大阪府警が真剣に捜査しているようには現在のところみえない。

 その一方で大阪府警は数多くの組合員を不当逮捕したのである。大阪広域協とレイシスト集団の組合攻撃の尻馬に乗り、露骨なまでに大阪広域協に肩入れするものであり、組合敵視にもとづく国家的不当労働行為というほかない。

 先月には武建一委員長のほか3人の組合役員が不当逮捕されており、勾留されている役員・組合員はじつに20人にものぼる。事態は「平成の大逆事件」というべき異常な弾圧事件の様相を呈している。

 しかし、わが組織がこのような理不尽な権力弾圧で揺らぐことはない。ましてや破壊することなど到底できるものではない。奇しくもわが組織は弾圧前夜の9月16〜17日、全国大会を開催し、一連の弾圧を全国の仲間の力ではねかえす方針と大会宣言を採択したばかりである。

 われわれはこの不当弾圧を組合員と家族のいっそうの団結強化の糧としていくであろう。そのことを、これからの行動によって大阪広域協と警察・検察に対し、力強くみせつけていく決意である。

2018年9月19日

全日本建設運輸連帯労働組合
中央執行委員長 菊池 進

全日本建設運輸連帯労働組合
近畿地方本部
執行委員長   垣沼 陽輔

全日本建設運輸連帯労働組合
関西地区生コン支部
執行委員長   武  建一

【参考】

第35回定期大会宣言

 全日本建設運輸連帯労働組合は9月16〜17日、第35回定期大会を開催し、過ぐる1年間の活動を総括して新年度の運動方針を決定した。

 われわれはまず、関西地区生コン支部の武建一委員長をふくむ役員4人を不当逮捕した警察の異常な権力弾圧に対し、激しい怒りをすべての大会参加者において共有したこと、そして、勾留されている仲間を一日も早く取り戻すために、全組織が一丸となって奮闘する決意を固めたことを組織内外に表明するものである。

 この権力弾圧は、昨年12月からつづく大阪広域生コン協組による組合攻撃に便乗してしかけられたものであり、その本質は、中小企業と労働組合の協力関係を破壊して、生コン業界民主化をすすめてきたわれわれの産業政策運動をつぶすことにある。また、沖縄の新基地建設反対運動や脱原発など、労働組合の社会的使命にもとづく当たり前の労働組合運動を圧殺しようとする政権の意図を反映したものである。

 しかし、わが組織を不当な弾圧によって破壊することなどできるものではない。

 生コン業界は、セメントメーカーの販売拡張競争やゼネコンの安値買いたたきの手段、つまり大企業にとっては中小企業を過当競争構造のもとにおくことで不当利得を吸い上げる便利な道具してとして利用されてきた。不況期には、そのツケが、中小企業の倒産や閉鎖、労働者の労働条件切り下げと失業、そして、市民にとっては生コンの品質不良となってあらわれる。

 このような大企業の収奪に使われる産業であることを止め、中小企業と労働者が中心になって民主的な産業構造に改革すること、それによって中小企業の経営安定、労働者の雇用安定、生コンの品質確保を一体的に追求する。それがわれわれの産業政策活動である。

 その運動が、大阪、和歌山、奈良、京都、滋賀など近畿一円に広がり、生コン業界のみならず、バラセメント輸送、コンクリート圧送など関連業界にも浸透した。その成果と意義は、これらの地域で生コン価格の適正化が飛躍的に前進してきたことをみれば明白である。

 しかるに大阪広域生コン協組の一部執行部は、今日の生コン業界再建が労使の協力関係によって成功したという歴史的経過と事実を忘れ、反社会的なレイシスト集団と一部労組幹部を使って、われわれに「組織犯罪集団」などというレッテルを貼り、デマ宣伝をくりひろげている。

 かれらは、労働組合を排除することによって、関西の生コン業界を乗っ取り、協同組合をかれらの私利私欲のための組織に変質させようとしているのであり、到底許せるものではない。

 こうした社会正義と道理に反する行動は長続きしないことを歴史は教えている。われわれは、これまで実践してきた産業政策運動こそが、中小企業と労働者と消費者の利益にかなうものであることを改めて確認し、不当な権力弾圧や大阪広域協執行部の暴挙を、仲間の団結の力で必ずはねかえし、新たな運動の前進につなげていく。

 いま、東アジアでは平和共存への歴史的転換がすすんでいる。この局面を切り開いた原動力は不正な独裁権力を退陣させた韓国民衆のキャンドル革命であり、その事実はわれわれを勇気づけてやまない。

 安倍内閣は強大にみえるものの、森友、加計、自衛隊日報かくし事件などをきっかけに、政府に対する国民の不信はかつてなく高まっている。このチャンスを生かし、東アジアの潮流に敵対して、軍事大国化と憲法改悪にむかって暴走するこの政権を早期に退陣させることは可能である。それは東アジアの民衆全体の利益にかなうものである。

 われわれはその使命を自覚して、その先頭に立ってたたかう決意を固め、本日この瞬間からただちに実践していくことを本大会の名において宣言する。

2018年9月17日

全日本建設運輸連帯労働組合第35回定期大会


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