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一行一行がもったいない!〜赤報隊事件追いかけた渾身の書『記者襲撃』

     永田浩三

 あの樋田毅さんがついに書いた。とにかくすごい。朝日新聞阪神支局の小尻知博記者が殺害された赤報隊事件・116号について30年間追いかけた渾身の書『記者襲撃』。手にしてから4日。やっと読み終えた。いつもは読むのは早い方なのだが、一行一行がもったいないような、神々しいような、雑に読みとばすことなど許されない本だった。

 第2章だけは異色である。樋田さんが思い描く2人組の犯人像に基づいた小説になっている。なぜ赤報隊事件は起きたのか、極めて納得がいく推論だ。

 それにしても、事件取材とはかくも厳しいものなのか。わたしなどは、なんにも知らなかった。凡百のメディア論など吹き飛んでしまうような記者の世界。朝日新聞という組織、樋田さん自身の取材の在り方に対しても、冷静かつ、血の出るような腑分けがなされる。

 圧巻は、後半の、α教会、α連合への肉薄だ。組織的な関与はあったのかなかったのか。犯人はそこと関係があるのか、ないのか。はねあがりの信者の可能性は? 調べていくうちに、朝日の中にも内通を疑われる大物記者がいたり、組織的手打ちが行われていたり、朝日ジャーナルの廃刊なども絡んでいたり・・・。

 この本は朝日新聞出版からではなく、岩波書店から出された。朝日という新聞社を愛しつつ、容赦ないところは容赦ない。そんなこんなを含め、樋田さんの覚悟の書である。しっかりした書評が書きたいなあ。でもそれ自身、恐ろしい。(2/27 同氏のフェイスブックから)


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