本文の先頭へ
LNJ Logo 牧子嘉丸のショート・ワールド : 「笑ろてんか」―阿曽副総理兼財務大臣記者会見概要
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 0222makiko
Status: published
View



    第49回 2018年2月22日

「笑ろてんか」―阿曽副総理兼財務大臣記者会見概要(オフレコ編)

記者―財務大臣としての在任期間が宮沢喜壱氏をぬいて戦後最長になりました。5年間にわたり財務大臣を務めてこられたわけですが、このことを受けて一言お願いします。

阿曽―長くやればいいというものではないでしょう。それだけです。以上、終わり。

記者―(あわてて)大臣、ちょっと待ってくださいよ。それじゃ面白くもなんともないじゃないですか。変なことは書きませんから、阿曽さんらしいコメントをお願いしますよ。せっかく最長記録を達成されたのですから。

阿曽―(ニヤニヤしながら)オレが面白くしゃべると必ずしくじるからな。でも、そう言われるとまんざらでもないね。まあオフレコならちょっとだけサービスしてやるか。で、何なの?

記者―今、納税者一揆とか言って財務省前で「悪代官A・A・Sは辞めろ!」とかいう声が市民から上がってますが。

阿曽―何なの、そのAASって?まさかケツのことか。

記者―そりゃASSでしょう。アヘ・アソ・サカワの頭文字ですよ。

阿曽―あんなものは一般市民でも何でもねーだろう。

記者―そうですか、じゃ大臣の考える一般市民とは。

阿曽―そりゃ、黙って働いて、黙って税金払って、黙って死んでいく奴らですよ。まあ、ナチスの手口に黙って従う奴ね。おい、これ書いたら承知しねーぞ。

記者―ハイハイ。でも、一役人に対して「罷免しろ」とか「更迭しろ」とかこれほど騒がれるのも例がないですね。いったい、それほど有能な人物なんですか。

阿曽―有能かどうかは、ユーノウ?だけど、そんなことより「あったことをなかった」と言い切れる度胸というか無神経というか、あれを有能というんだよ。それにくらべて、文科省の前河とかいう役人がいたろ。「あったことをなかったことにはできない」なんて言いやがって、まったく官僚の風上にも置けない奴だね。そこをソンタクして、なかったことにするのが官僚じゃないか。

記者―それって、今の政権を守るためだけの役割でしかないんですね。

阿曽―おいおい。そのために官僚はいるんだろ。

記者―だから総理も「官僚の鑑だ」なんて激賞するわけですね。

阿曽―そりゃそうだよ。モリモトとの交渉記録がバレたら、政権が吹っ飛ぶところだったんだぞ。それにしても、籠ノ池に100万円渡しておいて、「私、知らない」なんてよく言うよな、あのバカ女。おっと、いけねえ。

記者―ところが、交渉記録は出てくるわ、録音テープは出てくるわで、旭新聞の世論調査では今回の問題について納得がいかないが75%、左河氏の国会招致を求めるが67%、夫人も57%という大変な数字が出てますが。

阿曽―佐河は今は税務署の長官だから、もう昔のことは関係ないの。とにかく「佐河を絶対守れ」というのが総理の意向だからね。

記者―その佐河さん。税務署に就任以来、一度も記者会見も開かず、自宅にも戻られず、ホテル住まいとか。なんかこそこそと逃げ隠れしているようで、まるで「逃亡者」のような生活ですね。

阿曽―「逃亡者」か。デビット・ジャンセン、懐かしいね。ジェラード警部に追われるんだよな。でも、女房を殺したわけでもないし、あのなんとかというジャーナリストみたいに娘をレイプしたという容疑もないのにね。

記者―この前も、テレビの報道記者に追っかけられて、青ざめて逃げていましたが、みっともないというか、いささか哀れでしたね。

阿曽―あいつも政権と一蓮托生で必死だよ。くらべて、あの女なんか「私こそ真実を知りたい」だなんて、パッパラパーのパーでなんとも思ってやしないね。やっぱり、男はダメだな。たかが記録はすべて廃棄した、一切の記録はございませんって、国会で嘘を吐いたぐらいで。

記者―えっ!やっぱり嘘だと認めるんですか。

阿曽―何、寝ぼけたこと言ってんの。ぞくぞく証拠が出てるじゃない。

記者―それって、かなりやばいでしょ。

阿曽―大丈夫だよ。そこをどう誤魔化すかが、政治家の腕なんだ。官僚を使って、あったことをないことにする。また、ないことをあるようにするのが政治なんだよ。今問題になっている働き方改革のあのでたらめなデータ作り見てもわかるだろ。それに、もうオリンピックも終わりだよ。またすぐ、北がミサイルを飛ばすから、そんなことはすぐ忘れるさ。

記者―なるほど。ところで、最近国会でよくニヤついているとか言われてますけど、なにか理由でもあるんですか。

阿曽―もともとこういう顔なんだよ。ほっとけ!いや、うれしいことがあったんだよ。オレの発言を差別だとか、許さんとか言ってた、あのええかっこしいの爺さんが死んだろ。あれで目の上たんこぶがやっと消えたんだ。

記者―在任記録は伸ばすし、目障りな先輩政治家はいないし、もういつまでつづく我が世の春ってとこで、笑いがとまりませんね。

阿曽―朝のNNKの「笑ろてんか」より、国会中継ほうがよっぽど面白えーだろ。オレがニヤけて答弁している後ろで、爆睡している同じ名前のタローとか、線香配って追及されてるのに、隣の女とヘラヘラくっちゃべってるモテキとか。ほんまに笑ろてんかだな。

記者―いや、国民は笑ってる場合じゃないんですけどね。


Created by staff01. Last modified on 2018-02-22 12:21:09 Copyright: Default

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について