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LNJ Logo ユニクロとミズノは社会的責任を果たせ!インドネシアの労働者に尊厳を!−来日した国際NGOのソ・ションさんと日本の労働者・市民が店頭
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●銀座ホコ天でユニクロの社会的責任を問う

2017年12月17日、日曜日、正午の銀座中央通り。車道が封鎖されて歩行者天国に。ビル群が影になってまだ人通りはまばら。今年春に開業したGINZA SIXの向かいにそびえる12階建てのUNIQLO銀座店前に集まった15名ほどの労働者、市民らが「UNIQLOは委託先労働者への社会的責任を果たしてください」と書かれた日本語と英語のバナーを広げると、興味深げにのぞき込んでいく歩行者もいた。

「ユニクロの製品をつくってきたインドネシアの女性たち4000人の訴えを聞いてください。ユニクロはブランドの社会的責任を果たしてください。」

香港から来日したクリーン・クローズ・キャンペーン(CCC)東アジアの責任者、ソ・ションさんがマイクで訴え始めるとチラシを受け取る人もではじめた。

インドネシアにあるユニクロのサプライチェーン(生産委託工場)のジャバ・ガーミンド社の2つの工場でユニクロをはじめ各国ブランドのニット製品を生産していましたが、ユニクロが2014年10月に委託契約を解除した影響で翌15年4月に工場が閉鎖。4000人の労働者(80%は女性)が数ヵ月分の給料・離職手当を受け取れないままになっている。

ソさんは、来日前にユニクロのサステナビリティ担当部門との面談を求めていたが、それが実現しなかったことから、旗艦店である銀座店の前で訴えることになった。英語、中国語、日本語による訴えは、ユニクロなど国際的な製造ネットワーク(サプライチェーン)をもつブランドメーカーの問題点を浮き彫りにする。

ソさんの呼びかけに応えて訴えに集まったのは、労働運動のベテラン活動家や日本企業のアジア進出問題に取り組んできた市民ら。しばらくして少し気温が高くなると、わざわざチラシをもらいに来る通行者もいたりと、市民の関心の方も高まってきた。

● 他社に大きく遅れているユニクロの対応を批判

ジャバ・ガーミンド社の事件は、大量消費システムに特徴的な「使い捨て」の構造を、まさか働く人たちにまで押し付けようとしているのではないかと疑いたくもなるような国際事件。労働者はモノではない。

グローバルファッションブランドには、国連やOECDなどの行動原則や指針、バングラデシュのラナプラザ倒壊(2013年4月)などを受けて、サプライチェーン労働者の権利や安全に対する責任を果たす取り組みを進める企業が増えてきた。そのことを踏まえ、ソさんは「ユニクロは世界最大のファッションブランドの一つです。業界をリードする存在のはずなのに、サプライチェーンの労働者に対する責任を果たす取り組みでは、リーダーどころか他のブランドに大きく遅れをとっています。」とユニクロの姿勢を批判した。

店舗前アピールでは、ジャバ・ガーミンド社の女性労働者たちの写真も掲げられ、街ゆく人々の目を引いた。前日のレイバーフェスタではジャバ社でユニクロ製品をつくっていたディラさんの訴えが放映され、ソさんもフェスタの来場者らに注目と支援を訴えた。
ユニクロにはぜひとも彼女たちの納得のいく形での解決をぜひともお願いしたい。

●組合潰しに屈せずたたかうインドネシア・ミズノ委託工場の女性たちにエールを

ソさんによると、CCC東アジアが支援している日本の多国籍企業関連の問題として、ミズノのインドネシア委託工場での倒産事件があるいう。

ミズノが取引をしていたインドネシアのパルナブ社グループ企業・PDK社では、過酷な労働環境を改善するために2012年2月にPDK労働組合を結成。組合員の多くが女性で、繁忙期には納期に間に合わせるために5〜6時間、時には9時間の残業をしいられ、賃金は最低賃金を下回る低さだったという。しかしPDK社は、労働環境を改善するどころか、組合結成の翌日に組合委員長のココムさんを解雇し、組合潰しに乗り出す。解雇撤回と労働条件向上を求めてストライキに突入した2000人に対して、警察の催涙ガスをつかってストライキを潰して組合脱退を強要。脱退に応じない1300人を「違法スト」を理由に解雇した。しかし今なお会社による恫喝や切り崩しにも屈せず350人の女性たちが親会社パルナブ社や生産委託をしていたミズノやアディダスの責任を追及し、未払いの賃金や退職金を求めている。

クリーン・クローズ・キャンペーンは、衣料だけでなくシューズなどスポーツ用品も対象にして、製造過程でも尊厳と人権が守られるクリーンな環境をめざす国際的なネットワークなので、ミズノの委託工場で発生した悪辣極まりない人権侵害と生活破壊に対して、国際キャンペーンを継続してインドネシアの労働者たちを勇気づけてきた。

日本でも横浜アクションリサーチなど、問題解決を求めるNGOが連帯を続けている。午後からはソさんの呼びかけに応えて集まった日本の労働者・市民らとともに、東京・小川町にある旗艦店S`PORT MIZUNO(エスポートミズノ)の前でインドネシア労働者への連帯のアピールと宣伝をおこなった。

PDK労組は国際労働機関(ILO)にも提訴し、2016年11月にはILOから勧告が出されている。ILOはPDK労組の主張を認め、インドネシア政府にこのケースの調査をすることを要請した。

● 連帯は国境とカウンターをこえて

ユニクロのケースといいミズノのケースといい、どちらも問題解決が長引くとともに、これまでは当事者といくつかのNGOによる支援だったものが、クリーン・クローズ・キャンペーン(CCC)や英国の著名なNGOであるワー・オン・ウォント(WoW)もこれらの問題にかかわるようになったことから、より大きな問題として国際的に広がっている。

そしてCCC東アジアという新たなプラットフォームが昨年結成されたことで、より身近に問題が認識できるようになってきた。日本の代表的企業である2社には、一刻も早い問題解決に積極的に取り組んでもらいたい。

カジュアルな身だしなみも足元のオシャレも、生活や健康、そして人権が守られるクリーンな環境でつくられたモノでこそ、心地よいというものだ。それは『ユニクロ潜入一年』のなかで描かれていた過酷なノルマや労働環境に苦しむ日本のユニクロで働くパートナーにもあてはまる。

「尊厳ある生活を!」というソ・ションさんの訴えは、国境を越えて現地の労働者たちを励ましているが、休日の銀座や小川町でショッピングを楽しむ人々、そして店舗のレジ・カウンターの向こう側やバック・ヤードのスタッフらにも呼びかけられてもいる。

報告:レイバーネット国際部・IW
写真:Shinya 、高幣


キャンペーンの仔細は横浜アクションリサーチまで 👉 http://www.y-ar.org/ja/

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