情報提供 : ピープルズ・プラン研究所
PP研から新たに刊行されたパンフレットのご案内を差し上げます。
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天野恵一著 〈憲法解釈は朕のものアキヒト--天皇の天皇による天皇のための「生前退
位」に反対する〉
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2017年9月2日頒価 800円(+送料)
発行:ピープルズ・プラン研究所
ピープルズ・プラン研究所パンフレット特別号Vol.2
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==「刊行にあたって」より抜粋==
まったく予想していないかたちで、「平成」の「天皇代替りの政治」がスタートした。「
予想」できなかったのは、それが天皇自身の意思表示(「生前退位」希望)として始めら
れたという点が引き起こす、一連の事態全体についていえる。
「昭和天皇Xデー」との闘いの強烈な記憶に引き摺られてきた私は、「Xデー」が近い事を
十分意識していたが、かくのごときトンデモない事態がこんなかたちでつくりだされよう
とは、考えていなかった。とてつもない不意打ちである。
病身の私には、この不意打ちは、本当にこたえた。それでもアタフタと動きまわり、情報
を集め考え、自分なりに状況を批判的に解読するレポートを、様々な運動体メディアに書
き続けた。
ここには、それをほぼすべて集めた。
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以下が全文
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刊行にあたって
<護憲>のイメージ操作による<壊憲>
天野 恵一
まったく予想していないかたちで、「平成」の「天皇代替わりの政治」がスタートした
。「予想」できなかったのは、それが天皇自身の意思表示(「生前退位」希望)として始
められたという点が引き起こす、一連の事態全体についていえる。「昭和天皇Xデ―」と
の闘いの強烈な記憶に引き摺られてきた私は、「Xデ―」が近い事を十分意識していたが
、かくのごときトンデモない事態がこんなかたちでつくりだされようとは、考えていなか
った。とてつもない不意打ちである。
病身の私には、この不意打ちは、本当にこたえた。それでもアタフタと動きまわり、情
報を集め考え、自分なりに状況を批判的に解読するレポートを、様々な運動体メディアに
書き続けた。
ここには、それをほぼすべて集めた(いくつかのインタビューや講演のおこしはカット
)。2016年7月13日NHKのスクープから始まり(翌日から全マスコミ上げての大騒ぎ)
、8月6日には、ビデオ・メッセージが準備されていると(それを、そんなことはないと否
定していた首相官邸の公式発表など、無かったかのごとき態度で、首相のコメントが添え
られるというかたちで)の報道が一斉になされ、8月8日には、象徴としての「公務」活動
を拡大持続してきた自分のスタイルを安定的に「継承」させるための「生前退位を希望」
を述べ、それへの「国民」の同意を要求するメッセージが発せられた。その天皇メッセー
ジの政治力は、すさまじいもので、マスコミは、こぞって「陛下の意思」の「御尊重」メ
ディアとあいなり、それに積極的ではなかった安倍政権も突き動かされ、一方に「有識者
会議」(ストレートな「御尊重」派か、「神」である天皇は存在しているだけでありがた
いゆえ「生前退位」はチョットという、トンデモない神権天皇主義者のみがメンバー)で
、閉ざされた討論がつくられる。そこのアドバイスを受けるのは前提に国会(議員)の討
論(そんなことは「不敬」というわけだ!)はすべてシャットアウトする(公然と調整の
み)の挙国一致の陛下<翼賛国会>で、2017年6月9日に「天皇の退位等に関する皇室典範
特例法」が「付帯決議」つきで成立。
それは、現行憲法が明示的に禁じている「象徴としての公的御活動」なるものを法文とし
て書きこみ(ナント条文にまで敬語というアホラシさ!)、法的に天皇(の希望)への敬
愛・理解・共感を強制している、ウルトラな違憲立法である。この大日本帝国憲法時代の
皇室典範(神聖なる皇室自立主義のそれ)の規定が生きているかのごとき天皇自身の発議
による「典範」改正は、こうしてスンナリと実現してしまった。公然たる立憲主義・民主
主義破壊である。そうであるにもかかわらず、この法づくりのプロセス(そして法自体)
への正面からの批判の声は、護憲派野党・憲法学者から、まったく上がっていない。そし
て、反安倍政権の「リベラル」を自称するインテリたちのアキヒト天皇賛美の声は、大き
くマスコミの中で組織され続けている。
今年の8月8日で、「天皇メッセージ」から一年の時間が流れた。この、ほぼ一年の時間
の私の「不意打ち」への政治的反撃の言葉を一冊にまとめたのが、このパンフレットであ
る。運動メディアに書きなぐった文章が、そのメディアに掲載された時のままで、収める
。自分が希望したスタイルで実現した。私にもっともふさわしいスタイルと自認している
。それが可能になったのは、「市民の意見30の会」のニュースを共に編集し続けている有
馬保彦の、全面的な製作協力があってのことである。感謝!
もう一人、貝原浩についても書いておきたい。私は、この間、いくつかの講演の集まり
で、コピーし紹介した貝原マンガがある。それは、今日の状況をストレートに批判してい
る、とってもステキなものであったからだ(もちろん、とうに亡くなっている彼が自覚的
に書いたわけではないが)。このパンフレットのタイトルも、その貝原マンガからのいた
だきである。それはこの状況で、また生き生きとパロディの毒を吐きだしているのだ。『
インパクション』(1989年4月<57>号)の私の論文のために書かれたそれを、ここにも
収めておく。私の文章のタイトルは「新天皇アキヒトの『護憲宣言』の政治力。そう、即
位の「護憲天皇」宣言の時のものである。「護憲」天皇とは、今日、まったく明らかなよ
うに「壊憲天皇」であった。その事実が、スタートの時からよくつかまえられていたのだ
。貝原(マンガ)と共に、私は、新しい「Xデ―」の政治と対決し、抵抗的に生き抜きた
い。
2017年8月15日
Created by
staff01.
Last modified on 2017-09-08 13:38:20
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