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LNJ Logo 『アジア記者クラブ通信』297号発行 〜特集:報道の劣化はどこから始まったのか
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『アジア記者クラブ通信』297号(8月)
〜特集:報道の劣化はどこから始まったのか〜

タイトルとリードのみです。本文は、通信でお読みください。
全頁カラーのPDF版と紙版があります。購読方法はメール
末を参照願います。

■定例会リポート(2017年5月23日)
米朝対立、朝鮮半島危機をどう見るのか
政府の対北政策、邦字報道を検証する

武貞秀士さん(拓殖大学大学院特任教授)

 文在寅政権が発足した韓国による朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への対話呼びか
け攻勢が、相手側の反応を得られず「手詰まり感」も報じられている。軍事会談のほか
南北離散家族の再会に向けた協議といった提案に北朝鮮はコメントせず、来年の平昌冬
季五輪における南北合同チーム編成も「困難」との認識を示した。朴槿恵前政権時に冷
え切った南北関係の再構築は容易でないことをうかがわせ、今春の“米朝開戦危機”の
一因である北朝鮮のミサイル発射は止む兆しが見えない。米トランプ政権と日本の安倍
政権の対北朝鮮圧力重視路線は変わらず、8月には北朝鮮が何よりも反発する米韓合同
軍事演習も始まる。「米朝対立、朝鮮半島危機をどう見るのか」と題し、テレビや活字
メディアなどでおなじみの元防衛省研究官で拓殖大学大学院特任教授の武貞秀士さんに
お話をうかがった。(編集部)


■北朝鮮
制裁で問題は解決しない
歴史的文脈で危機の理解を
交流と対話が道を拓く

カーラ・ステア(地政学アナリスト)

 朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)が7月に2度行ったICBMの発射実験を受けて、
DPRKに対する制裁措置を一層強化する国連安保理決議第2371号が8月6日、全
会一致で採択された。これに対して、DPRK政府が強く反発していることは報道され
ているものの、反発する理由については一切報道されていない。本稿は、関係国に朝鮮
半島での緊張の拡大を禁じた国連決議1718号(2006年10月14日採択)を想
起するように指摘した上で、米国政府の米市民のDPRK渡航禁止措置が米国憲法修正
第1条違反であると同時に国連決議違反であると批判し、DPRK市民との直接交流が
相互理解のまたとない機会であり、人的交流こそが人々の間の極端な恐怖心や偏見を取
り除く機会になると説く。国連問題に精通した筆者は、DPRKに国連で答弁の権利が
十分に与えられていない現状に触れ、2006年10月14日、DPRKの朴吉淵駐国
連大使が安保理で行った強いられた核開発の理由と核放棄への決意をのべた感動的な演
説文の想起を呼びかける。さらに筆者は、ナチスのユダヤ人への仕打ちやソ連で行った
蛮行と同様に、米国が朝鮮戦争でDPRKに対して行った無差別爆撃と大量虐殺、生物
化学兵器の使用によって受けたトラウマをDPRKが抱えていると指摘する。これらの
失念が日欧米政府関係者や報道記者が現在の朝鮮半島危機を歴史的な文脈でとらえるこ
とができない最大の理由になっているという。(編集部)


■メディア
ジャーナリストの権力志向
米メディアは範たりうるか
エリート主義の源泉CFR

Swiss Propaganda Research

 邦字メディアがジャーナリズムの模範と仰ぎみてきた米国メディアに対しても、9/
11以降、既存メディア批判は大きなうねりとなってきた。米国の大本営発表に対して
、オルタナティブを唱える人たちからは、メディアは権力から独立しているのかが問わ
れてきた。本稿は、米国の全ての企業メディアのトップ・ジャーナリストが米外交問題
評議会(CFR)のメンバーであり続けていることを明らかにする。CFRには、歴代
大統領はじめとした有力政治家、ウォール街の支配者、産業界や軍のトップが会員とし
て居並ぶ。筆者は、名だたる報道機関のトップや有力ジャーナリストが内外の政策を自
在に操る支配者と価値観や世界観を共有することで、米国の支配階級に登りつめたと錯
覚させるネットワークの存在を告発する。(編集部)


■メディア
戦争屋とデモクラシー・ナウ
シリア戦争では米国を擁護
好戦的な左翼主義のルーツ

ダニー・ハイフォン(ラディカル・ジャーナリスト)

 独立したジャーナリズム、独立したメディアは存在するのか。永遠の課題でもあるこ
の問題に真正面から一石が投じられた。本稿は、「独立した」メディアの草分けとして
、既存メディアの報道に批判的な読者・視聴者の支持を集めてきたデモクラシー・ナウ
(DN)の資金供給源と報道内容の関係を根本的に批判した内容になっている。筆者は
、戦争屋からの資金源でDNが成り立っていることを告発し、戦争屋と密接な関係にあ
るアナン・ゴパルのような人物を登場させているDNの矛盾撞着ぶりを指摘する。シリ
ア報道では、アサド大統領に全ての苦難の元凶があるかのごとく描き、米国の戦争犯罪
を隠蔽する役割を果たしてきたからだ。筆者は、帝国主義の「ハードパワー」及び「ソ
フトパワー」双方のメカニズムによる支配の破壊なくしてメディアの独立はありえない
と断言する。そのためにこそ、DNへの異議申し立ても含まれるのだと説く。(編集部
)


■メディア
テロTVの言論の自由
イスラム国と一体化
アルジャジーラの犯罪

トーマス・マウンテン(エリトリア在住ジャーナリスト)

 中東カタールに本部を置く衛星テレビ局アルジャジーラは、2006年に英語放送を開始
して以来、その10年前に開局したアラビア語放送と局の方針で両放送局を競い合わせ
てきた。同局の出資者であるカタール国王は編集権への介入を公言し、シリア戦争が始
まった2011年以降、介入に抗議した多くのジャーナリストが同局を追われた。本稿
は、アラビア語放送がイスラム国やアルカイダの広報・宣伝機関になり下がっている現
状に加えて、人種差別や虚偽報道を繰り返すことで、シリア戦争やリビア戦争の真実を
歪めてきた犯罪を告発する。筆者は、西側メディアが「表現の自由」を口実に英語放送
を擁護しながら、姉妹放送局の犯罪に沈黙している罪を痛烈に批判する。(編集部)


■中国
劉暁波称賛と「民主主義」
米英の戦争翼賛は不問に
西側帝国の模範的中国人

トーマス・ホン・ウィング・ポーリン(香港在住の中国と西側関係問題の専門家)

 かって欧米列強が蔑みの対象にしてきた中国が政治、経済、軍事の各分野で目覚まし
い発展を遂げて世界の大国に比肩するようになって久しい。そうした躍進に比例するか
のように、西側諸国から中国に執拗に浴びせられる言葉が「民主主義」を抑圧している
という大合唱だ。本稿はその典型例として、先ごろ逝去した劉暁波氏について、西側諸
国と世界中の観念的な進歩主義者たちが鼻につくほどの称賛を繰り返すロジックを解き
明かす。筆者は、中国に対して長年保持してきた優位性が崩壊した西側諸国にとって、
「民主主義」のイデオロギーが最後の砦なのだという。劉暁波氏が「大掛かりな欧米化
と自由民主主義を採用することによって、中国は救済される」と提唱し、米英のイラク
戦争やアフガニスタン侵攻を称えてきたことを劉氏支持者は議論してこなかった。まさ
にデモクラシーの帝国に「道徳上」の偽装を与えてきたからこそ、劉氏称賛が繰り返さ
れたのだと筆者は看破する。(編集部)


■ベネズエラ
事実を歪める邦字メディア
誤報をまき散らす特派員
ベネズエラ制憲議会選挙

ファル・チョードリ(フリーランス/ダッカ出身)

 ベネズエラでの制憲議会選挙での与党の圧勝によって、米国の不安定化工作による騒
乱状態が続くなかで、西側主流メディアによる途切れることのないプロパガンダの洪水
にもかかわらず、平和と革命路線を支持する明確な民意が示された。本稿は、今回の投
票に至る西側主流メディアのベネズエラ報道がいかに事実を捻じ曲げ、意図的に改竄が
重ねられていたかを具体的に明らかにする。筆者は、西側主流メディアが主張する「客
観報道」がいかに主観によって歪められているかを告発した上で、いかなる国に対して
も諸外国が介入することを許してはならないと指摘する。この西側主流メディアのコピ
ーに徹する邦字メディアによる国際報道の惨状は目を覆うばかりである。(編集部)


■ポーランド
ポデモスを範に社会運動 
超保守ポーランドで萌芽 
新党ラゼムの斬新さとは

ラゼム代表
マルセリーナ・ザヴィーシャ
マチェイ・コニェツナ

インタビュアー(イタリアの政治誌『ミクロメガ』)
ロレンツォ・マルシーリ

 深遠なローマ・カトリック教会の中でも最も保守的だと言われるポーランドで昨年、
中絶行為が例外なく違法とされていることに1万人の女性が抗議活動を行った。その運
動を主催した団体が母体となって新党ラゼムが結成された。社会主義政権が崩壊して2
8年。今では有権者の多くが、「左翼が何であるか誰も知らない」という。そのラゼム
代表の2人に『ミクロメガ』誌がインタビューを行った。同国でポスト移行期に政権を
担ったのは旧社会主義政権の官僚たちで、彼らは保守的で新自由主義者であったと2人
は語る。スペインの新党ポデモスに強く触発されたという若者たちが新たな社会運動を
組織し、超保守主義が支配するポーランドの政治に風穴を開けようとしている。(編集
部)


■伊藤孝司『平壌日記』

■山崎久隆(たんぽぽ舎)の原発切抜帖


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