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LNJ Logo 『アジア記者クラブ通信』295号発行 : 特集 忖度とピンボケ報道に決別できるか
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『アジア記者クラブ通信』295号(6月)
〜特集:忖度とピンボケ報道に決別できるか〜

タイトルとリードのみです。本文は、通信でお読みください。
全頁カラーのPDF版と紙版があります。購読方法はメール
末を参照願います。

■定例会リポート(2017年4月27日)
朝日新聞阪神支局襲撃事件から30年 
赤報隊を生んだ時代状況は変わったのか
樋田毅(朝日新聞社大阪秘書役)

 いまだ容疑者特定にも至っていない朝日新聞阪神支局襲撃事件は、
1987年5月3日の発生から30年の節目を迎え、新聞各紙やテレビ各局に
特集などで取り上げられた。同支局にいた当時29歳の小尻知博記者が
死亡、犬飼兵衛記者も銃弾を浴びるなど、勤務中の新聞記者が暴漢に
襲われた前代未聞の出来事。「赤報隊」を名乗る犯行声明文が届けら
れ、関連事件も相次いだことから、一連の事件は朝日新聞などを狙っ
た言論へのテロ行為であることが明らかになり、衝撃と謎を広げた。
30年が経過した現在、犯行声明文で使われた「反日」という言葉は一
部全国紙で堂々と紙面に載っている。言論への暴力を防ぐために市民
社会の理解は欠かせないが、メディアや世論の変化によってその根底
が揺らぎかねない危機に直面している。朝日新聞で現在も事件を追い
続けている樋田毅さんをお招きし、「赤報隊を生んだ時代状況は変わ
ったのか」と題して語っていただいた。(編集部)


【フランス】
■すべての権力を銀行へ!
ルペン大統領を阻止せよ
ネオリベ40年の結末

ダイアナ・ジョンストン
米国人政治記者、在パリ

フランス大統領選の決選投票の結果を伝える邦字メディアの社説には、
「欧州結束に引き戻せるか」「『分断』解消急げ」などの言葉が躍っ
た。一言でいえば、欧州連合(EU)の統合が保たれたことに一安心
という基調だ。本稿は、世界規模でのビジネスに成功した典型的な金
融エリート、エマニュエル・マクロンが“勝てる候補”として、大統
領選に担ぎ出された欧州事情を分析した論考である。筆者は数十年も
の間、すでにフランスには、社会党に「社会主義者」は存在せず、共
和党にはドゴール主義者がいなかったと指摘する。両政党が新自由主
義(ネオリベ)経済政策を採用してきたからだ。両政党への国民の広
範な反発が広がった理由でもある。筆者によれば、現在のEUは、ド
イツの金融機関による厳格な経済政策とワシントンのネオコンによる
好戦的な外交政策に支配されており、EUの連邦主義によって工業と
農業が崩壊したフランスの主権を回復し、EU離脱を主張するマリー
ヌ・ルペンの大統領就任をネオリベ陣営は是が非でも阻止しなければ
ならなかった。元左翼知識人を政策顧問に据え、父親の極右政党を大
衆政党に脱皮させたマリーヌに対して、総動員されたのが、「ファシ
ズムの恐怖」キャンペーンだった。(編集部)


【米国】
FBI長官解任の黒幕は
露疑惑と私用メール事件
政府を操る影の国家権力

ミシェル・チョスドフスキー
CRG編集長・オタワ大学名誉教授

5月9日に解任されたコミー前連邦捜査局(FBI)長官の議会証言
(6月8日)が主流メディアの注目を浴びている。コミー氏が解任後、
初めて公の場で発言する証言が“ロシア疑惑”解明の節目となり、疑
惑が事実ならばトランプ大統領の失脚にも発展する可能性があるから
だ。本稿は、大統領にFBI長官解任を進言した正副司法長官の言動
から解き起こし、FBI内に深刻な政治対立が存在することを突き止
め、この対立が米大統領選の最中に発覚したヒラリー・クリントンの
電子メール疑惑に端を発していたことを明らかにする。大統領候補の
電子メール履歴は、詐欺、腐敗、贈収賄、マネーロンダリングに関す
る秘密情報の宝庫だった。筆者は今回の解任人事が、影の国家権力が、
「トランプとモスクワとの共謀」事件のねつ造された捜査を実施する
際に障害となる可能性のあるものを取り除こうとした結果だと指摘す
る。第二のウォーターゲート事件になるという喧騒は、特別検察官に
よる主流メディアをつかった煙幕にすぎないという。(編集部)


【シリア】
ISは米英と一体で行動
両国から軍事支援受ける 
ヌスラ戦線司令官が証言

RT(ロシアトゥデイ)

 ISとの戦いを大義名分にして中東への軍事介入を継続してきた米英
を中心にしたNATO軍。シリア政府は、ISを空爆しているはずのNATO軍
による政府軍への空爆を幾度にわたって非難してきた。本稿は、政府
軍によるアレッポ完全解放前にドイツ紙によって行われたアル=ヌス
ラ戦線の司令官へのインタビュー記事である。司令官は、ISがこれま
で米英と一体となって軍事行動を展開してきたことに加え、第3国経
由で武器供与を受けてきただけでなく、米英の軍事顧問がISの訓練に
あたっていることを生々しく証言する。(編集部)


【シリア】
シリア戦争の黒幕は誰か
囚人の大量虐殺をねつ造
和平交渉を妨害する米国

ソフィー・マンガル
スリーランス・ライター
インサイド・シリア・メディアセンター所属

 カザフスタンでのシリア和平会議を開催するタイミングで、政府
軍によるサリン弾使用という米国発“ニュース”が飛び込んできた
次は、ジュネーブでの和平会合前夜に合わせて、刑務所で囚人を大
量虐殺した上で遺体を焼却していたという米国発の“ニュース”が
世界を駆け巡った。後者はアムネスティー・インターナショナルな
どの人権団体が提出した「証拠」に基づいて発表された。本稿は、
アニメーションと効果音などで作製された映像証拠なるものが、拷
問や殺人を裏づける何の証拠も示してないというシリア国内からの
反証となっている。筆者は、シリア和平の動きをことごとく妨害す
る米国の動きこそ告発されるべきだと語気を強める。(編集部)


【メディア】
英公安にEU離脱の恩恵
1984の世界が現実に
IPAで記者の身柄拘束

イアン・ミドルトン
コラムニスト

 欧州連合司法裁判所(CJEU)によって違法であるとの判決が
下された英国政府の捜査権限法(Investigatory Powers Act,IP
A)が、同国のEU離脱によって管轄権が自国に戻ることから施行
される可能性が出てきた。同法は、政府からの情報リークを取り締
まるだけでなく、英国のすべての人々の電話、インターネットの閲
覧記録を監視するシステムの構築を政府に認めている。本稿は、国
家に統制された報道機関による発表情報に支配された監視社会が現
実になりつつある英国からの報告である。非公式チャンネルでの情
報の入手や内部告発者はスパイとみなし、情報の受け取り手である
記者の身柄拘束を可能にする。知識は自由で民主的な社会の力であ
ると筆者はいう。それらを窒息させる稀代の悪法が、米国、日本に
続いて、英国でも起草される日が現実味を帯びてきた。(編集部)


【英国】
マンチェスター自爆テロ
カダフィ政権転覆とMI5
翻弄された英系リビア人

アマンダ・トーマス・ジョンソン
ジャーナリスト
サイモン・フーパー
ジャーナリスト
英ガーディアン紙「中東の目(Middle East Eye、MEE)」取材班 

 飼い犬に手を噛まれる。ユーゴスラビア解体以降、中東や北アフ
リカの政権転覆工作に米英仏独の諜報機関は、工作対象国出身の若
者やイスラム教徒を“戦士”として現地に送り込んで政権打倒に関
与させてきた。“用済み”となって戻ってきた若者たちの処遇に各
国諜報機関も手を焼いてきた。本稿は、マンチェスター爆弾テロの
背景で英系リビア人が英政府の「オープン・ドア」政策の下でカダ
フィ政権打倒工作に動員させられた末、いかに使い捨てにされたの
かを追ったMEEのドキュメントである。取材班は、英政府の管理
指令に翻弄される英系リビア人の若者たちの実態を追った。(編集部)


【中国】
中国と「一帯一路構想」
国家安全保障と一体化
影響力許容に向かう欧州

ジェイムス・ジェイ・カラファノ
ヘリテージ財団の安全保障・外交副部会長

 5月半ばに北京で開催された一帯一路(シルクロード経済圏構想)
国際協力サミットに日本は二階幹事長を派遣するにとどめた。そこ
には中国の経済的野心への警戒と嫉妬、競合相手として様子見を決
め込む姿勢が見え隠れしていた。本稿は、日本と並んで一帯一路構
想への参加を明言していない米国が今回のサミットをどのように見
ていたのか、トランプ大統領の“転換”に意味があるのかを安全保
障政策の専門家の視点から解説した論考である。筆者は、中国のシ
ルクロード政策と国家安全保障が切り離せない関係にあることを踏
まえた上で、中国の西側諸国への影響力を理解し、中国との掘り下
げた対話が米国の利益につながる重要課題だと強調する。(編集部)


【北朝鮮】
北の核開発誘発した米国
非論理性際立つ邦字報道
本質つくプーチン大統領

スプートニク

 「挑発を続ける北朝鮮」。枕詞のように邦字メディアで切り返さ
れる北朝鮮報道の常套句である。サンクトペテルブルク国際経済フ
ォーラム(SPIEF)で北朝鮮を核開発に追いこんだ責任は米国
にあると指摘したプーチン大統領の発言については、「核開発をや
めようとしない北朝鮮の理屈に一定の理解を示した」と邦字メディ
アは揶揄する。米国が世界で小国に対して展開する戦争や体制転覆
工作には無謬であるとの前提に立っているようだが、この矛盾と倒
錯をプーチン大統領はきわめて簡潔かつ的確に言い当てている。
(編集部)


■伊藤孝司『平壌日記』

■山崎久隆(たんぽぽ舎)の原発切抜帖


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