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LNJ Logo 『アジア記者クラブ通信』290号〜特集:南スーダン情勢、 真珠湾の嘘の75年、キューバの特集
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『アジア記者クラブ通信』290号〜特集:南スーダン情勢、
真珠湾の嘘の75年、キューバの特集
タイトルとリードのみです。本文は、通信でお読みください。
全頁カラーのPDF版と紙版があります。購読方法はメール
末を参照願います。


■定例会リポート(2016年10月22日)
緊迫するスーダン情勢を考える      
自衛隊は火中に飛び込むのか

 今春施行された安全保障法制で可能になった「駆けつけ警護」
「宿営地共同防護」が新任務として初めて付与された自衛隊部隊
が、アフリカ・南スーダンにおける国連の平和維持活動(PKO)
に参加している。新任務をめぐっては、自衛隊が「殺し、殺され
る」リスクを負う可能性および「内戦状態」とも指摘される同国
の情勢への不安などから議論が続く中、政府は任務付与に踏み切
った。大統領派と副大統領派の抗争が民族間の対立も呼び、首都
ジュバが落ち着いているという日本政府の見解への疑問も消えな
い。南スーダンはどんな状態にあるのか。同国研究の第一人者で
現場経験も豊富な栗本英世・大阪大学教授にお話をうかがい、
栗田禎子・千葉大学教授に歴史的経緯も踏まえてコメントをいた
だいた。(編集部)


■真珠湾攻撃の嘘の75年
続発する「パールハーバー」
練り上げられた対日戦争計画
連載・その1
デイヴィッド・スワンソン(アクティビスト、ブロガー、作家)

 真珠湾攻撃から75年の今年、安倍首相のアリゾナ記念館訪問を
伝える邦字報道からは、謝罪ではなく慰霊の旅、オバマ広島訪問
への答礼、日米同盟の絆の強化という月並みな言葉以外に聞こえ
てくるものはない。本稿は少しでも米国の戦争の歴史を振り返っ
たことのある者ならば、米西戦争やベトナム戦争(トンキン湾事
件)の開戦理由は言うに及ばず、今日のイラク戦争まで、「新た
な真珠湾」が続発してきたことを想起させる。筆者は、公文書や
当時の報道記事を手がかりに、「戦争は避けられなかった」とい
う時の政府声明の虚構を暴いてゆく。大日本帝国を米国の従属的
パートナーにしてゆくにはどのような仕掛けが必要だったのか。
筆者の論理構成は精緻である。(編集部)


■トランプ大統領の仕事始め
諜報機関は何を語ったのか

ワンプラスネット

オーバルオフィス(大統領執務室)に意気軒高と乗り込んだ執務
初日のトランプ大統領。開口一番、ISIS(イスラム国)殲滅
を命令する大統領に情勢説明(ブリーフィング)を行う米中央情
報局(CIA)、米国防総省(ペンタゴン)、米連邦捜査局(F
BI)は何を語ったのか。臨場感溢れた問答をお楽しみあれ。
(編集部)


■「一帯一路」構想と中国軍
米国との対決と危機回避術
トランプに実利重視促す

ライル・J・ゴールドスタイン(米海軍大学海事研究所准教授)

 ひとつの中国という大前提を否定するトランプ発言が米中間に
波風を立てている。本稿は、対外貿易の90%を海上輸送に依存し
ている中国が、米軍の南シナ海への進出と領有権問題の争点化を
いかに深刻な脅威と受け止めているのか解説した論考である。
米海軍大学の教壇に立つ筆者は、中国軍の情勢分析を丹念に読み
解きながら、海のシルクロード(MSR)沿いに展開する米軍の
動向に神経を尖らせ、海軍遠征部隊の拡充を急ぎながらも決定的
な対決回避を模索する中国軍の実像を明らかにする。筆者は、商
機重視のトランプ新大統領が海路貿易に実利を見い出せば、米中
対立のリスクは大幅に軽減する可能性に言及する。(編集部)


■シリア秘密戦争の実態暴露
米主導で開戦、IS支援
メディアの共犯関係は明らか

マーティン・バーガー(地政学アナリスト)

 シリア最大の都市であり同国北部の要衝アレッポを政府軍が奪
還したことで、5年9カ月にわたるシリア戦争はトンネルの出口が
見えてきた。邦字全メディアは言うに及ばず、欧米のメインスト
リームメディア(MSM)は、ロシア軍の空爆が犠牲者を生み出
し、政府軍による自国民虐殺など未確認情報を垂れ流し、悲劇の
原因が政府軍の軍事攻勢にあるかのような情報操作を依然繰り返
している。本稿は、MSMの中の代表格であるニューヨークタイ
ムズが暴露したオバマ政権による秘密戦争を引用しながら、シリ
ア戦争を引き起こしてロシアや政府軍に責任転嫁した上で、アル
カイダやイスラム国への戦費を迂回調達してきた手口を明らかに
する。筆者は、CIAの犯罪的役割を糾弾し、残された時間の少
ないオバマ大統領にシリアでの米国の戦争犯罪への関与の事実を
国民に説明すべきだと迫る。シリア戦争に関与している国と国際
機関の名前を明らかにすることによってのみ、シリアの現状に対
処し、血塗れの戦争を平和裏に収束させることができると説く。
(編集部)


■なぜフィデルとキューバが
人権侵害批判を受けるのか
「客観」報道の危険な偏見

スーザン・バビット(カナダ・クイーンズ大学哲学科准教授)

 フィデル・カストロ前議長の死去を伝える新聞記事と論説・テ
レビ報道の全てで必ず両論併記されたのはキューバの人権侵害と
独裁体制を敷いたという記述だ。カストロ体制では善政と悪行が
併存したというわけだ。本稿では、この「客観」を装った「キュ
ーバの人権問題」報道がどのように生み出されているのかを検証
する。筆者は、人権侵害例が直接見聞きされていない現状や、政
府と共産党関係者への取材がなされない中で、反体制派情報が独
り歩きしている問題点を指摘する。その上で、フィデルが貧困や
不平等との闘い以上に困難を極めた闘いが「作り話との闘い」で
あったことを想起すべきだという。(編集部)


■フィデルが称賛される理由
欧米メディアの無理解と
キューバ革命の展望を語る

サリム・ラムラニ(仏レユニオン大学教授)

 本稿は、キューバ・米国関係の研究者サリム・ラムラニへのイ
ンタビュー記事である。ラムラニはキューバ問題の分析では世界
で最も注目されている第一人者でもある。一例を上げれば、テレ
スールなど南のメディアが伝えるカストロ像と欧米メディアが伝
えるそれが真逆になる理由を、前者が「弾圧への抵抗のシンボル」
として正確に伝え、後者が「カリカチュアとして風刺的に紹介す
る」からだと的確に指摘する。邦字メディアは、この欧米メディ
アの転電に終始してきた。ラムラニは、キューバ・ウォッチャー
が犯した誤りにも言及する。キューバ革命がカストロ一人の肩に
かかっているかのごとく解説してきたのは誤りで、社会全体に引
き継がれている現状を語る。なぜキューバが第三世界の希望の星
になり、欧米の進歩的知識人を惹きつけてやまないのか、どのよ
うな課題にキューバ社会が直面し、それをどのように克服しよう
としているのか、ラムラニが余すことなく語ってくれた。
(編集部)


■キューバは誇るべき
フェミシディオのない国
女性が生きやすい社会とは

マリエラ・カストロ(キューバ国立性教育センター長)

 本稿は、LGBTのトップを務めるマリエラ・カストロへのイ
ンタビュー記事である。キューバ革命の誇るべき成果の一つに女
性解放を高いレベルで実現したことがあげられる。最高学府に進
学する女性の数が男性を上回り、女性議員の数も世界で五指に入
る。その一方で、権力や社会制度との関係の中でセクシャリティ
ーの平等をどう実現するのか、トランスジェンダーへの偏見がキ
ューバ社会では根強く、そこでは革命家であることと統治するこ
とが別問題だと率直に語る。(編集部)


■ソ連邦解体から25年
最も恩恵を受けたのは誰か
入念に計画された崩壊劇

オリエンタルレビュー

 ソ連邦とポーランドとの国境近くのベロヴェーシの森の別荘で
ロシア、白ロシア、ウクライナの首脳が秘密会合を開き、ソ連邦
の解体を決定してから12月8日で25年が経過した。正確に記せば、
ソ連邦解体の手続きがソ連憲法違反で、それを理由に逮捕される
危険性に怯えながらの密談であったと言い換えていい。本稿は、
当時のエリツィン政権下で国務長官を務めたブルブリスと存命の
2人の元指導者の3人がワシントンに招かれて25周年を祝福された
意味を問う。筆者は、ゴルバチョフの近視眼的国内改革が連邦崩
壊を加速し、3人の首脳を道化役に連邦崩壊劇が入念に計画されて
いたことを明らかにする。その中で、西側資本の餌食にされる直
前のロシアを救える切り札としてプーチンに白羽の矢が立てられ
た必然性に筆者は言及する。(編集部)


■メディアの目を曇らせる
領土ナショナリズム
日露交渉で欠けた視点とは

森広泰平(本誌編集長)

 1941年から75年という区切りの年が終わろとしている。12月に
開催された日露首脳会談の結果については、安倍首相が衆院解散
の目玉にしたかった二島返還の道筋はおろか、領土問題解決の行
方すら見えてこないことに失望が広がった。その一方で、領土ナ
ショナリズムでは政府見解を翼賛するメディアからは、ロシア側
の本意、安全保障意識、ロシア人のメンタリティーが伝わってこ
ない。何が欠けているのか、歴史的に振り返ってみたい。
(編集部)


◆【北朝鮮】伊藤孝司の平壌日記

◆【脱原発】山崎久隆(たんぽぽ舎)の原発切り抜き帖


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