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サケ養殖大企業の汚染に、チリ漁業労働者が抗議行動

 *ブログ「ラテンアメリカの政治経済」(5/6)より転載紹介

 チロエは、零細漁業者によるサケ養殖大企業にたいする、大抗議行動の舞台となった。サケ養殖大企業はこの群島を、巨大な汚染の中心地にしてしまった。

 チリ南部チロエ島において、数千トンの魚が死亡した。メディアはこれを赤潮のせいにしているが、零細漁民たちは、これはサケ養殖会社の生産過程による汚染が原因であると確信している。これらの会社が設立されて以来、問題のある操業がおこなわれてきた。

 この金曜日(4月29日か)、チロエの住民たちは、抗議行動を強化することになった。これは政府との交渉が不調に終わった結果である。政府はかれらの収入の減少を補てんするものとして、手当の支給を提案してきた。漁民たちはこの群島での経済活動の主要な収入である、マリスコス〔貝などの海産品〕の漁獲を禁止されたことによる。

 これは数週間前に、この島で収穫されたマリスコスから、当局が高濃度の毒素の残留を検出したことによる。そしてこの汚染の原因は赤潮であると指摘した。微小藻類が異常な繁殖をおこない、毒素の蓄積が上昇したことが原因で、これは消費した人にたいして病気を引き起こすという。

*データー:赤潮の現象は、チリにおいては1827年から定期的に観測されている。しかしチロエにおいては、2002年に初めて知られることになり、このときすでにサケの養殖は始められていた。

 この海岸における汚染は、通常の赤潮によるものではない。これはサケ会社が、チリの中南部で養殖を始めてからの、悪質な操業を続けてきたことに原因がある。

 アルゼンチンのジャーナリスト、カルロス・アスナレスによると、これらの結果は、巨大サケ会社に責任がある。かれらはこの群島を、一大汚染センターに変えてしまった。「処罰されることがないのと、島で生活し働く人々への配慮がないことによって、サケをビジネスにするこれらの会社の多くは、魚の廃棄部分の栄養分を、何トンも海に投棄し続けてきた」。

 これは海藻の不釣り合いな繁殖を引き起こし、いわゆる赤潮を作り出し、これが現在、太平洋のいくつもの地点の漁業者たちの脅威となっている。

*結果

 汚染されたマリスコスを消費すると、人の健康に重大な影響を与え、場合によっては死亡することもあると、チリ保健省は警告している。

 チロエは現在、すべての環境面での、大惨事の状態にある。その結果として、最悪の状態にあるのが漁師たちである。海に出ることができない。漁をおこなうことができない。したがって収入がなく、家族が食べていくことができない。

 チリ当局は住民たちにその商品を買うことを通知したが、しかし当局が認めた場所に限られ、最大量には制限があり、よく処理されることもなかった。

「チロエの労働者たちはこれまでから、ミチェレ・バチェレの政府にたいして、巨大サケ会社の犯罪的な操業を告発してきた。汚染しないための最低限の規則を守るように。しかし聞き届けられることはなかった。企業が金儲けをするがままに任され、環境を破壊する操業が拡大された」、アスナレスは説明する。

 2000人以上の零細漁業者は、この数日間、島の主要な道路の封鎖をおこなっている。それは政府が提案した一家族当たり10万ペソ(約151ドル)の手当額に反対であるという意思を表明するためである。これは汚染された地帯のマリスコスの漁業を禁止したために、収入が無くなったことにたいする補てんであった。

 「10万ペソは受け入れられない。2か月前、わたしたちは40万ペソ(約600ドル)を要求してストライキをした。政府はわたしたちを助けてほしいと思う。なぜならわたしたちは大惨事の地域にいるのだから」、一つの漁業組合の代表、ペドロ・パイロはEFE通信に語った。

 専門家は赤潮の毒素の影響は、サンティアゴ・デ・チレにまで及ぶ可能性があると認めている。

(N01361)〔teleSURによる〕

〔チリの養殖業については、アジア太平洋資料センターの『チリ南部のサケ・マス養殖に関する調査報告』をPDFで見ることができる〕


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