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植民地主義と訣別を!〜4.24 沖縄シンポジウム「継続する植民地主義と琉球沖縄の自己決定権」

   山川 守

 4月24日東京しごとセンターで沖縄シンポジウム「継続する植民地主義と琉球沖縄の自己決定権」が開催された。約100名が参加し、会場がほぼ満員になる盛況の中、植民地主義と沖縄の自己決定権をテーマに今の沖縄の現状に関して活発な議論が行われた。本シンポジウムは昨年9月、琉球新報の連載記事をもとにして出版された『沖縄の自己決定権』(高文研)の出版記念シンポジウムとして開催した取り組みの第3弾となる。

 琉球新報東京報道部長の新垣(あらかき)毅さんは沖縄の現状について報告。新垣さんは今年から東京に赴任した。それにあたって東京で部屋を探していたところ、「琉球新報の記者には貸さない」と大家から断られた出来事を話した。「沖縄はヘイト行動の対象になっている。辺野古のテントも2回襲撃を受けた。裸感覚のヘイトも体感している」と沖縄がヘイト行動の対象になっている現状に深い憂慮を述べた。そして、人種的・国防的に差別し、国益・公益の名の下に沖縄の人々の命や人権がないがしろにする植民地主義の問題点を指摘し、地域の人々の命と人権が大切にされる成熟した民主主義の実現のために植民地主義との訣別が必要であることを強く訴えた。

 恵泉女学院大学の上村英明さんは戦後日本社会が歴史的不正義である植民地支配の向き合い方の問題点を指摘した。8月15日になると戦争のことは反省するが、自分たちの行った植民地支配はほとんど反省しない日本社会の現状を強く批判するとともに沖縄が日米合作のもとに植民地とさせられてきた歴史を報告した。

 東京外国語大学名誉教授の中野敏男さんは「継続する植民地主義」という観点から、日米が連携しながら植民地主義が戦後復興のための軍事援助、朝鮮戦争特需、賠償特需などによって継続してきたことを報告した。戦場と占領なくして、日本の戦後復興がなかったこと、復興の裏に多大な犠牲があったことを指摘した。

 このシンポジウムに参加して、改めて植民地主義の問題点と「平和」憲法のもとに築かれた日本戦後の裏にどれほどの犠牲があったのかを考えさせられた。現在日本の沖縄に対する植民地主義を清算する一つの方法として「基地の引き取り論」が主張されるなど、植民地主義の問題点とそれをどのように清算するのか、活発な議論が展開されてきている。しかしそれはまだ社会全体として問題認識が深まっているとは言いがたい。沖縄差別が過酷さを増す今、「植民地主義と訣別を!」という意識を持つことが日本社会に住む私達に強く求められているのではないだろうか。


Created by staff01. Last modified on 2016-04-25 07:25:14 Copyright: Default

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