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泊の再稼働を止めよう!〜「さようなら原発北海道集会」に2500人

    黒鉄好

10月8日、札幌市大通西8丁目広場で「さようなら原発北海道集会」(主催:さようなら原発1000万人アクション北海道実行委員会)が開催され、曇り空の下、2500人(主催者発表)が集まった。

主催者あいさつの後、5人がスピーチ。ルポライター鎌田慧さんは「安全、クリーン、安いという原発推進の根拠は福島原発事故ですべて失われ、再稼働を進める根拠として彼らの手に残ったのは“企業のカネ儲け”だけ。原発再稼働とは、一握りの者たちや企業のカネ儲けのため、ここにいる全員が死んでもいいという意味であり、戦争体制と同じだ」と述べ、原発再稼働を進める動きを批判した。続いては、上田文雄・前札幌市長が、再稼働を止めるために市民の団結を呼びかけた。

スピーチ3番手は、3.11後、福島県伊達市から札幌市に避難した宍戸隆子さん。「みなさんは、今ここで、大きく深呼吸することができます。でも私は、ここに来るまでは深呼吸することもできない場所にいました」と語り始める。札幌における避難者運動の「顔」として、各地で講演、スピーチを続ける宍戸さんの語りは、会場を一気に引きつける。

「放射能や、避難するかどうかをめぐって、家族や友人、身近な人たちとの間で繰り返される意見の違いや対立、分断。もしも泊原発が爆発したら、札幌にも放射能は降り注ぎます。そのとき、身近な人たちを置いて、何もかも捨てて避難するという決断を、今ここにいるみなさんはできますか? おそらく、かなり難しいと思います。私たちと同じ人たちを、二度と生まないために、泊の再稼働を止めてください」と訴えかけた。

鹿児島からは川内現地で闘う仲間からの報告があった。7月の鹿児島県知事選で、川内原発の停止を公約に掲げた三反園訓氏が当選したが、鹿児島県と薩摩川内市、九州電力の3社で結ばれた安全協定には、他の原発立地地域における安全協定では当たり前であるはずの、立地自治体の稼働同意権すら明確に規定されていない。つまり、九州電力の原発は、定期検査の他、「事故」でしか停止できないということだ。さすがは玄海原発の再稼働をめぐる公聴会で「やらせメール」問題を起こした九電だけのことはある。しかも、このとき「やらせメール」問題の責任を取る形で辞任したはずの真部利応・九電顧問はその後、子会社「九州通信ネットワーク」の取締役会長に、優雅に「天下り」している。でたらめが目立つ電力会社の中でも群を抜くでたらめぶりだ。

九電については、呆れるようなでたらめぶりをさらにいくつか指摘しておこう。少し古いが、組織内候補の選挙運動をするため、社員が会社を一時休職する「選挙休職」を認めていることが、2013年3月、朝日新聞の報道で判明したが、このような制度を設けているのはもちろん電力会社の中でも九電だけだ。

まだある。2014年3月、九電が公表した「川内原子力発電所火山影響評価について(コメント回答)」と題する資料で、九電は、火山爆発の際、どの方向に、どのように風が吹いたとしても、火山灰が川内原発のある薩摩川内市周辺だけを「きれいに避ける」とする噴飯もののシミュレーション結果を公表している。ここまで来るともはや漫画だ。このような企業が原子力を扱っているという事実に戦慄を覚える。


●九電が公表した資料。火山灰が川内原発だけを巧みに避けてくれるという、根拠なきシミュレーションだ

この集会が行われた8日、くしくも阿蘇山が1980年以来、36年ぶりの爆発的噴火を起こし、噴煙は遠く四国や兵庫県にまで降り注いだ。史上初めて震度7を2度観測した熊本地震でも川内原発を止めなかった愚かな九電への、天からの「最後通告」と受け止めるべきだろう。

スピーチの最後はインドから、クマール・スンダラム氏が登壇。年内にも予定されるモディ印首相の訪日と、安倍首相との会談により、日印原子力協定が締結されるおそれがあるとの見通しを示した上で、原子力協定締結阻止を訴えた。

最後に、参加者全員で、「自然と共に生きるなら原子力なんて必要ない」「STOP再稼働」のプラカードをいっせいに掲げアピール。札幌市内をパレードしながら再稼働阻止を訴えた。


●プラカードでアピール


●経産省前テントひろばでもおなじみ、「原発いらない福島の女たち」の黒田節子さん




●工夫を凝らしたさまざまな横断幕。市民団体、労組のノボリも並ぶ







●パレードが出発。再稼働阻止を訴えた


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