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高江・米軍オスプレイパッド建設強行に反対!〜東京新宿・緊急抗議デモに400人

    西中誠一郎

 22日早朝に沖縄県東村高江で強行された「米軍ヘリパッド建設工事」に反対する抗議デモが、23日夕方に新宿駅周辺で行われ、緊急の呼びかけで約400人が集まった。筆者はレイバー映画祭を途中で抜け出し集合場所に向かった。アルタ前広場には既に人の輪ができていた。

 「戦後、沖縄の人が望むような本土復帰をしていれば、4月28日に起った米兵の女性暴行殺害事件のようなことは起きなかった。沖縄の民意は、ずっと基地はいらないと言い続けてきました。95年の3人の米兵による少女暴行事件の県民大会をきっかけに、少しは米軍基地の状況が改善されるかもしれないと思いましたが、日米両政府は、何も問題解決しなかった。 そして辺野古新基地建設でも、高江のヘリパッド工事でも、豊かな自然を破壊しようとしている。すでに建設されている2カ所のヘリパッドだけでも、高江で暮らしている家族の子どもが、低空飛行するオスプレイの騒音や振動で睡眠不足になり体調を崩し、学校にも通えず、母親と一緒に避難生活をしている状況があります。この様な状況が続くのは、日本政府の沖縄差別以外の何者でもありません!本土復帰すれば平和憲法の中で生きられるという沖縄県民の期待を、40年以上裏切り続けてきた結果です!」。

 関東在住者を中心に辺野古現地に通いながら、現地との繋がりを関東各地で広げるための行動を続けている「辺野古リレー」のメンバーが、新宿駅前を行き交う人々に語りかけた。

 「今、高江で起っていることにいてもたってもいられなくて、ここに駆けつけました。新宿駅前をご通行中の皆さん、この日本の沖縄の島で起っていることに、少しでも思いを馳せて下さい。『あの人たち集まって、何やっているんだろう?』と思ったら、ちょっとでも立ち止まって話を聞いて下さい! 沖縄北部の『やんばるの森』で今何が起きているのか?私たちが選んだ安倍政権が、私たちの税金を使って、沖縄でどんな人権侵害を行い、人々を苦しめているのか、知って欲しいです。今現在、高江や辺野古で起きている警察や政府の暴力、国がどんなことを私たち市民にするのか、そういうことをひとりでも多くの人に理解してもらい、仲間を増やす、そういう活動を続けていきたいです。ただ『沖縄が大変だ』というのではなく、『これは日本に住む私たちの問題だ』ということに気づいて下さい。東京で、自分の居る場所で、まだまだやれることがあるはずです。 辺野古や高江に足を運んで、沖縄の闘いに参加することもとても大事なことです。求められていることだと思います。でも今になっても、日本政府は高江や辺野古に新しい基地を強引に押し付けてくる。それは政治を変えることができない、私たちの責任だと思います。もし解決できなかったら、私たちの社会は、子ども達に手渡す未来は、一体どうなってしまうのか? 是非参加して、どんなに拙くても良いので自分の言葉で一緒に考えて、周りに伝え、仲間を増やしていきましょう!」

 沖縄の自然保護の活動に長年携わってきた、花輪伸一さん(「沖縄・生物多様性市民ネットワーク」)が、「高江ヘリパッド建設」の問題点を指摘した。

 「東村高江は人口150人位の小さな村です。非常に豊かな自然に囲まれて、穏やかな生活を送ってきました。その高江の集落を取り囲むように新たに4カ所、合計6カ所のヘリパッド(着陸帯)ができる。オスプレイ訓練用のヘリパッドです。直径が75mもあります。ヘリパッドの移設は、日本最大の軍事演習場『北部訓練場』78㎢の北半分を返還する条件として、日本とアメリカ政府が合意(※1996年の「SACO合意」)した内容です。そして安倍首相も菅官房長官も『負担軽減だ』と言っています。しかしこれは真っ赤な嘘です。面積は半分になるとしても、オスプレイ用のヘリパッドが6カ所もできる、これはとんでもない基地機能強化です。今までのヘリパッドは直径がせいぜい15mから20m。山の中の小さな空き地でしかない。オスプレイパッドは直径75m、森林を伐採し山を切開き、そこに重機が入り道路を作る。大規模な軍事開発です。これは負担軽減ではなく、明らかに負担増加です。高江の集落はオスプレイパッドに取り囲まれて、すでに軍事演習で、騒音や振動、森林火災等、ひどい目に遭っている。迷彩服を着て、銃やナイフを構えた海兵隊が、民家の軒先や通学路に出てくる町は日本国内でここだけです。沖縄がそんな目にあっている。高江のオスプレイパッド建設をなんとしても中止させるために、皆さん、頑張りましょう。」
(※「北部訓練場」の正式名称は「ジャングル戦闘訓練センター」(Jungle Warfare Training Center)。ベトナム戦争時には、東村民をベトナム人ゲリラに見立てた戦闘訓練が行われ、枯れ葉剤も村内に散布されたと言われている。)

 この数年、「辺野古新基地建設反対」「オスプレイ配備反対」などの国会包囲行動を、広く呼びかけてきたピースボートの野平晋作さんの訴えが続いた。

 「日本政府は沖縄の民意を無視して新たな基地やヘリパッドを作ろうとしています。これを許しているのは、本土の私たちが反対の声を十分に上げてこれなかったから、だと思います。政府は、参院選で伊波洋一さんが当選した翌日に工事を強行しました。これは沖縄の民意はどうでも良いという政府の姿勢そのものです。今年4月に起った米軍元海兵隊員の女性暴行殺害事件も、昨日高江で起った座り込み住民に対する機動隊の弾圧も、これを許してきたのは、1995年の少女暴行事件での県民大会以降、米軍基地問題を解決できなかった私たちに責任があると思います。もうこれ以上、犠牲者を出してはいけません。7月31日に「辺野古新基地建設断念を求める」全国交流集会を開催します。大変厳しい状況が続きますが、屈せずに頑張りましょう!」
http://humanchain.tobiiro.jp/event.html

 人混みをかき分けて、400人のデモ行進は始まった。「高江ヘリパッド建設反対!」「機動隊は弾圧やめろ!オスプレイいらない!」「辺野古の工事を再開するな!」「普天間基地、嘉手納基地の閉鎖、返還!」「地位協定を抜本改正しろ!」「政府は沖縄をいじめるな!沖縄の民意を聞け!」

 辺野古新基地建設の主要部分を受注している「大成建設」の本社が入った高層ビル前に差し掛かると、抗議の声が一段と大きくなった。
 「辺野古に基地を作るな!」「埋め立てやめろ!命を守れ!」「海を守れ!珊瑚を守れ!ジュゴンを守れ!」「税金で米軍基地を作るな!大成建設は戦争協力をやめろ!」「大成建設は辺野古から手を引け!沖縄から手を引け!」
 「大成建設グループ」の理念として「人がいきいきとする環境を創造する」とある。http://www.taisei.co.jp/about_us/corp/rinen/1275867859488.html

 中谷防衛大臣は7月15日以降、辺野古「米軍キャンプ•シュワブ」の陸上部での工事再開の方針を記者会見で繰り返し述べ、22日には、翁長知事が取り消した「辺野古沿岸部の埋め立て承認」で、政府の是正指示に従わなかった知事の違法性を確認する訴訟を、日本政府は新たに福岡高裁那覇支部に起こした。

 総務省の国地方係争処理委員会の「適否を判断しない」という判断を受け、3月4日に一端「和解」し、辺野古沖での工事は停止中だが、すべては安倍政権の選挙対策用だった。高江ヘリパッド建設工事強行の動きや、辺野古の米軍基地陸上部での工事再開、そして県との話し合いを反故にするような国の提訴。沖縄県民の「基地建設反対」の民意、地方自治の「自己決定権」をあざ笑い、日米軍事同盟の強化を全てに優先させる、安倍政権の凶悪な本性がむき出しになっている。

 7月25日にも首相官邸前で緊急抗議集会が行われ、503名が集まった。(続く)


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