本文の先頭へ
LNJ Logo 木下昌明の映画批評 : 人間の生き方を問う力作ぞろい〜10年目を迎えるレイバー映画祭
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 0721eiga
Status: published
View


人間の生き方を問う力作ぞろい〜10年目を迎えるレイバー映画祭

 人はどう生きるのか――。
 「レイバー映画祭」は、そのことを根っこのところから考えさせてくれる。今年で10年目を迎える。

 最初に、日本でもヒットした英国の劇映画『パレードへようこそ』。ロンドンに住むゲイやレズビアンたちが、サッチャー政権に苦しめられたウェールズの炭坑夫たちを支援するという実話。普段は水と油のような両者が「連帯」するところが面白い。人々が自然発生的に「パンとバラ」を歌うシーンも感動的だ。

 2本目は、NHKプロデューサーだった永田浩三が武蔵大学の学生を指導した『埋もれた時限爆弾』。11年前に発覚したアスベスト(石綿)被害、いわゆる「クボタショック」。各地に広がったアスベスト禍で、埼玉県に住む一家の母親が突然、中皮腫で亡くなった事件を中心に、その実態を究明したドキュメント。

 3本目の『がんを育てた男』はビデオプレスの最新作。「手術しなければ助からない」と医師から宣告された患者の、手術を拒否し、ぎりぎりまでがんを「育てた」男の、医師との葛藤の記録。週刊誌で「やってはいけない手術」など医療問題が取りざたされる中、患者自身が治療法を選んだ場合、どうなるのか――という一つの実践例がここにある。

 4本目の『日本最前線』というコーナーは、土屋トカチ、西中誠一郎、松原明、湯本雅典らの、ビデオアクティビストの短編が上映される。

 最後の『オキュパイ・べーカリー』は、先ごろ東京で起きた事件とそっくり。その事件は、インドカレー店の外国人従業員が、店先に「皆さん助けて下さい」と張り紙したことから始まる。経営者が2年間も賃金を払わなかった上、解雇までしようとしたのだ。

 映画はニューヨークの24時間営業の「カフェ・ベーカリー」が舞台。店で働くメキシコ系移民が低賃金に怒って店を占拠し、店頭に横断幕を掲げて窮状を訴える。ついには、自主営業を始めて新しい経営者を探す。それからが大変だ。あなたならどうする?(『サンデー毎日』2016年7月31日号)

*7月23日10時15分より東京・田町交通ビル6Fホール。問い合わせ TEL03-3530-8588
*今年は10周年とあって、この『サンデー毎日』以外にも『東京』『毎日』『朝日』などで取り上げている。お早めに。

映画祭詳細情報ページ


Created by staff01. Last modified on 2016-07-22 00:12:51 Copyright: Default

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について