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LNJ Logo 牧子嘉丸のショート・ワールド〜ゲスの極み甘吏大臣の極秘オフレコ会見
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    第27回 2016年1月24日

ゲスの極み甘吏大臣の極秘オフレコ会見―「受け取ったのは私以外の私じゃないの」の巻

記者―今回の週刊春秋の報道について、記憶がはっきりしないというのはどの点なんですか。

甘吏―会社の一行と大臣室で面会したことは覚えているが、何をどう話したかは記憶を精査してみないと分からんと言ってるんだ。

記者―じゃ50万円を受け取ったという事実はないんですか。

甘吏―いや、そこがあいまいなんだよ。実際、50万円ぐらいのカネを受け取ったかどうかなんて、いちいち覚えてないよ。それに誰が50万だったか、100万だったか、そこがはっきりしないんだよ。

記者―大臣!それってヤバクないですか。

甘吏―だからオフレコって言ってるんじゃないか。だいたい、人に何か口を利いてもらおうというのに、手ぶらで来るような奴とボクは会わないよ。政治家ってみんなそうでしょ。そうじゃないの。それがわが党の伝統でしょ。伝統は大事にしなきゃ。

記者―いやそれはまずいでしょう。「あっせん利得」罪に問われかねないですよ。

甘吏―何よ、それ?そんなのあるの。でもその業者はカネだけ払って、あっせんしてくれなかったって訴えたんでしょ。あっせんしてなきゃ、そんな罪には問われない。返せばいいだけの話しじゃないのかな。

記者―いやそんな問題じゃないでしょう。それに大臣の地元秘書が現金強要や飲食接待など、業者にたかっていたという事実も明らかになっているんですよ。

甘吏―それは本当かね。ウソじゃないの、信じられん。

記者―あまりにあきらかですよ。

甘吏―あまりにあきらか。あまりあきら、か。

記者―大臣、洒落てる場合じゃないですよ。

甘吏―じゃ、全部秘書のせいにしよう。どうかな。

記者―大臣、そんな甘い認識で本当に大丈夫ですか。これからどう説明するおつもりで。

甘吏―ともかく、罪に問われるようなことはないと天に誓って言えるかと野党議員に聞かれて、「一切ない。今日まで政治家として法に反することはやってきていないつもりだ」と大見得をきったんだ。今さら認めるわけにはいかんので、何とかうやむやにしようと思っているんだ。

記者―それで今後の進退については。

甘吏―もちろん任期を全うするよ。辞任なんてとんでもない。この内閣はどんな失言や不祥事を起こしてもクビになった人間はひとりもいないんだ。あのパンツを盗んだとかいう高林だって、知らぬ存ぜぬで逃げ通したんだから。だいたい内閣一丸となって、憲法破りをしてきたんだから、たかがパンツ泥やワイロぐらい屁でもないよ。

記者―それに大臣は、マイナンバーの立役者だし、TPP交渉の大詰め作業も残っていますしね。あまりに大物すぎて、辞めさせられないでしょうね。

甘吏―ワラをも掴みたいときに、なかなかうれしいことを言ってくれるね。ところで、君はS経だったっけ、それともY売の記者だったけ。

記者―いえ、NNKです。

甘吏―そうか。今回もバス事故や大雪のニュースでうまくカモフラージュしてくれたね。例の政治部の女性記者がわざわざとニュース解説に出て来て、さも何でもないように説明してくれたよ。あれを今度のクロ現のキャスターにしてはどうかね。

記者―大臣、そんなのんきなことを言ってる場合ですか。でも、さすがにタフ・ネゴシエーターの異名をとっただけはありますね。

甘吏―当たり前だよ。TPPはフロマンと出来レースでやったんだが、表向きは国益を守る格好つけをなきゃいけない。それでちょっとは骨のあるとこを見せようと、例のパフォーマンスしたわけよ。

記者―大臣は得意ですからね。マイナンバーのときも。

甘吏―また歌ってみるか。私いがいのオー、なんて。

記者―いや、もういいですよ。とにかく、喫緊のダボス会議やら何やら職務が山積みで。

甘吏ーダボス会議やTPPなんて所詮、国益じゃないか。そんな他人事より今は自分の進退と利益のほうが大事なんだよ。君はダボス会議って別名何と呼ばれているか知ってるかね。

記者―賢人会議ですか。

甘吏―そうだよ。賢人とは、まず自分の利益だけを考える。それが賢人なんだ。総理も副総理もみんなそうでしょ。じゃ、時間稼ぎにダボスへ行ってきますよ。そこであれこれ対策を講じてくることにしよう。

記者―これじゃ経済再生するよりまず自分の人間再生したほうがよくねエー。


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