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戦争犯罪に目をつむるな!少女像守る若者たち〜ソウルデモ報告

    尾澤邦子

 1月16日(土)、午後3時からソウルの光化門・清渓川広場の近くで日本軍「慰安婦」問題の集会があると聞き、行ってみました。2時頃到着したのですが、若い人たちが集まって何かやっていました(写真下)。聞くと、中・高校生たちの集会だとか。毎週土曜日午後1時から行っているとのこと。

 正面には「国定教科書ではぜ〜ったいに習うことができない本当の歴史の話 市民・学生が共に行う 街頭歴史講座」と書いてありました。日本大使館前の平和の碑(少女像)までデモ行進をおこなうということで、デコレーションもしっかり準備していました。テーマごとに4つに分かれていて、「国定教科書反対」「青少年選挙権要求」「セウォル号惨事真相究明」「韓日協約破棄」でした。まだあどけない顔をした高校生たちの真剣さに驚かされました。

 高校生たちがデモに出発した後、大学生たちが中心で集会が始まりました。正面には「戦争犯罪に目をつむる日本軍‘慰安婦’欺瞞的合意 韓日両国政府糾弾国民大会」と書いてあり、主催は「韓日日本軍‘慰安婦’合意無効のための大学生対策委員会」と「少女像を守る市民行動」。最初はクイズから始まりました。「日本軍‘慰安婦’として最初に名乗り出た人は?」「それは何年何月何日ですか?」などなど、手を上げて正解だった人には使い捨てカイロをプレゼントしていました。黄色い紙のちょうちょを胸や頭につけたり、風車を持ったり、とてもにぎやかでした。

 東国大の教授が「合意」とその背景について話しました。民主労総のチェ・ジョンジン職務代行(写真上)が、拘束中のハン・サンギュン委員長にかわってあいさつしました。「「合意」は労使ではよくやるが、それはまず労働者にこれでいいかどうかを聞き、納得できればのことだ。それが常識だ。今回の韓日の「合意」は、合意ではない」と強調しました。そして、違法派遣や非正規労働に対する政府の対応を強く批判しました。

 14日には387団体が集まり、日韓日本軍「慰安婦」合意無効と正義の解決のための全国行動が発足しました。民主労総もその中心でがんばっていることがわかりました。

 大学生のグループの歌に続き、現在も日本大使館前の少女像を守るため大学生と共に籠城している市民籠城団の発言があり、また14日に発足した「全国行動」の方からの発言もありました。また会場で寄せ書きした「12.28韓・日日本軍‘慰安婦’合意 無効」の横断幕が披露されました。「岩のように」の歌に乗せて平和ナビの学生たちが踊り、みんなでデモに出発しました。

 「戦争犯罪に目をつむる安倍とパククネを許さない」という横断幕を先頭に、清渓川の川沿いからチョンガク、仁寺洞通りを歩いてアピールしました。400人くらいいたと思います。日本大使館前の少女像まで歩きました。

 5時からは少女像を囲んでの集会でした。「韓日協定無効第3回土曜デモ 少女像を守ってください」と書かれた幕を背に、キョンヒ大やハニャン大、ソウル大などなど各大学の平和ナビや学生会からの発言がありました。

 大学生に対する公安の捜査、脅迫などがひんぱんに起きていて、またひどくなっているとのこと。高校生も発言し、「70年のチョンテイルさんの時代と変わらないのではないかと感じる」と言っていました。司会者は「たくさんの方がここを訪れ、籠城を支えてくれている。これからも少女像を守るために続けていく」と話しました。

 少女像の撤去を条件に10億円をちらつかせる安倍政権。本当に恥ずかしく思います。

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以下は、1月14日に発表された「全国行動発足宣言文」です。韓国挺身隊問題対策協議会、民主労総、参与連帯、韓国進歩陣営、アイコープ生協、農民会、平和ナビネットなど387団体が賛同しています。

全国行動発足宣言文

 2015年12月28日、日韓外相が日本軍「慰安婦」問題に関する「合意」を発表しました。しかし、この知らせを聞いた日本軍「慰安婦」被害者は失望を抑えきれず、決して日本政府の謝罪として受け入れることはできないと訴えています。

 この合意がなされるまで被害者たちは、何の説明も聞きませんでした。被害者の意見を反映するための両国政府の努力は全くありませんでした。日韓外相「合意」は、被害者と支援団体の要求を全く盛り込んでいません。日本が国家的な次元で組織的に行った犯罪行為という認定さえしていません。「責任を痛感」したと言いながら「法的責任」ではないと主張し、10億円を拠出すると言っては「 賠償金ではない」と主張します。真相究明や歴史教科書への記録教育、追悼事業など再発防止のための後続措置の約束も一切ありません。

 それにもかかわらず、両国政府はこれを「最終的かつ不可逆的解決」だと確認し、「国際社会で互いに非難・批判を控える」と宣言しました。韓国政府は、被害者と市民が建てた平和の碑(平和の少女像)について、日本政府の憂慮が解決されるよう努力するとの約 束までしました。

 このように日韓両国政府は、日本軍「慰安婦」という反人道的な犯罪行為について、被害者抜きで拙速な「談合」をしました。これに対し、韓国はもちろん全世界の市民から大々的な糾弾の声が上がっています。

 ここに私たちは、<日韓日本軍「慰安婦」合意無効と正義の解決のための全国行動>を発足します。「全国行動」は、2016年から再び日本軍「慰安婦」問題の正義の解決のための行動を開始します。 「全国行動」は、日本政府の犯罪事実認定、覆すことのできない明確で公式的な謝罪、謝罪の証しとしての賠償、真相究明、歴史教育と追悼事業などの措置を世界の人々と求めていきます。

 加えて、「第2のアジア平和国民基金」にほかならない韓国政府の財団設立と日本政府の10億円拠出を全身で拒否し、全世界の人々が日本軍「慰安婦」犠牲者であるハルモニと手をつなぐ募金運動を始めます。

 この活動で、ハルモニたちに真の名誉と尊厳を回復させます。この地で再び戦時「性暴力」を生まないよう、この地で再び戦争が起こらないよう、行動していきます。私たちがハルモニの涙をぬぐい、平和の碑(平和の少女像)が地に足をしっかりつけることができるよう行動していきます。

2016年1月14日
日韓日本軍「慰安婦」合意無効と正義の解決のための全国行動参加団体および個人

個人賛同:336人
団体賛同:387


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