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TPP交渉の「大筋合意」を強く批判する(談話)

 TPP(環太平洋連携協定)交渉は10月5日夜(日本時間)、日本やアメリカなど12か国による閣僚会合で「大筋合意」に達した。

 全労連は、この「大筋合意」を強く批判し、国民の暮らしと安全、経済主権を米国とグローバル大企業に売り渡すTPPからの「撤退」を安倍政権に要求する。人々の暮らしと地域経済をまもるために、諸団体との連携を国内外でいっそう強化し、問題点の告発を強めて、TPP協定の調印・締結、国会承認を阻止するために全力をあげる。

 今回の「大筋合意」に至る過程で、安倍政権が率先して米国などに無原則的な譲歩を繰り返したことは、経済主権を投げ捨てる売国的な行為として厳しく批判されねばならない。

 牛肉や豚肉の関税の大幅引き下げやコメや乳製品の「特別枠」等の設定は、「聖域は守る」とした公約や国会決議に明白に反するものである。また、秘密主義を貫き、交渉の具体的な内容を国民の眼から隠して「大筋合意」に至ったことは、他の交渉参加国の姿勢と比べても異常であり、国民無視の安倍政権の政治姿勢は許されるものではない。

 公表された合意内容の概要等をみても、安倍政権の「譲歩」は異常であり、国民の暮らしと安全、地域経済に重大な負の影響を与えることは必至である。

 例えば、焦点の一つだったコメ問題では、国内では昨年来の米価の暴落で「コメつくって飯くえねぇ」という実態にもかかわらず、米国産のコメに年7万トンの「特別枠」が設定されるなどした。米価のさらなる下落、低迷を招き、稲作農家の離農を促進することは必至であり、安全なコメの確保を困難にし、食料自給率の低下を招くものといわなければならない。

 このように、関税等の原則撤廃・削減が地域経済と中小企業に与える影響は甚大であり、また、投資や金融サービス、政府調達、知的財産等の分野が及ぼす影響も重大だと推量される。そうした内容が国民に公表され、経済主権をまもる国会での徹底審議が強く求められる。

 日本経済は今、一部のグローバル大企業や大資産家・投資家が膨大な利益を貪る一方で、国民の暮らしと地域経済は厳しさを増し、格差と貧困の急速な拡大、個人消費の低迷などの状況が続いている。こうしたもとで求められるのは、賃金・国民所得の引き上げ・底上げによる健全な内需創出である。それこそが日本経済を回復させる確かな道であり、TPP交渉の「大筋合意」が、それに逆行するものであることは明らかである。

 経済のグローバル化がすすむ今だからこそ、地球規模での連帯を強化し、人々の人間らしい暮らしと安全優先の政策への転換が必要である。全労連は、その実現のためにとりくみをさらに強化していく。

 2015年6月26日
全国労働組合総連合
事務局長 井上 久


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