本文の先頭へ
LNJ Logo のりこえねっとTV案内 : 韓国の「反日」は本当なのか 吉方べき×安田浩一
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1408958216101st...
Status: published
View


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■■■■−ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク−
■■■■
■■■    のりこえねっと通信 0043号 2014年8月25日発行
■■
■                        ◆転送歓迎◆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★メールアドレスのご変更等は、info@norikoenet.org までご連絡下さい。
――――――――――――――――――――――――――――――――――

 賛同者の皆さま のりこえねっと通信をお読みの皆さま

 先週20・21日にジュネーブにおいて、国連人種差別撤廃委員会で日本の人
権状況について審議が行われました。前回2010年からとみに悪化したヘイト
スピーチのによる人権侵害に対し、世界の専門家18人で構成される委員たち
は大きな関心を持ち、多くの質問・意見が出されました。「何らかの法的規
制が必要であり、表現の自由にヘイトスピーチは含まれない」という意見が
大勢をしめたことから、今月末に日本政府に対する勧告では、ヘイトスピー
チに関する何らかの法的措置を求めるものと思われます。しかし、これまで
数度の勧告内容を無視してきた日本政府がこれに素直に従うものとも思えな
い中で、実行を求めていくには、日本の世論の大きな動きが必要です。のり
こえねっとは、人種差別撤廃委員会の勧告の着実な実行を求めて、粘り強く
訴えていきます。


――――――――――――――――――――――――――――――――――
〈今号の目次〉
1.8月25日のりこえねっとTVのお知らせ「韓国の『反日』は本当なのか 」
2.8月18日のりこえねっとTV報告 「靖国問題を考える」
3.今後の反レイシズム情報
4.今週のヘイト街宣・デモ Pick Up
5.新聞・雑誌記事・Webより
6.都庁交渉報告
7.編集後記

――――――――――――――――――――――――――――――――――


●1.8月25日のりこえねっとTVのお知らせ

★タイトル:「韓国の「反日」は本当なのか  吉方べき×安田浩一」

◎放送日時 8/25(月) 21:00-22:00

◎ニコニコ生放送入口URL http://live.nicovideo.jp/watch/lv190628935

 日本で報道される、韓国のいわゆる「反日運動」。
 その姿は本当なのか。
 ソウル在住16年の言語心理学者をお招きして
 ジャーナリストの安田浩一さんがお話を伺います。
 また、番組冒頭では、国連の人種差別撤廃委員会の
 対日審査の模様を報告します。

 <出演>
吉方べき(よしかた・べき)
 ソウル在住16年の言語心理学者。韓国・漢陽サイバー大学講師。
 群馬大学医学部中退。1999年からソウル在住。
 ソウル大学で認知・言語心理学を研究しつつ
 大学やサムスン電子人材開発院・医療機関などで教鞭を執る。
 2005年、朝鮮日報日本語版立ち上げに参画(?08年)。
 翻訳・通訳を通じた日韓の架橋的活動も多い。2児の父。
 ツイッター:https://twitter.com/tabisaki/
 ブログ:http://tabisaki.tumblr.com/

安田浩一(やすだ・こういち)
 ジャーナリスト
 1964年静岡県生まれ。週刊誌記者を経て、フリーライターに。
 外国人労働者問題などを取材。
 代表作、『ネットと愛国』(講談社)では、
 2012年度の講談社ノンフィクション賞と
 日本ジャーナリスト会議賞をW受賞。
 近著に『ヘイトスピーチとネット右翼』(共著・オークラ出版)、
 『なぜ、いまヘイト・スピーチなのか』(共著・三一書房 )がある。


◆視聴方法についてあらためて記載します。
【視聴方法】
 ▼初回にニコニコ動画に会員登録が必要です。(一般会員は無料です)
  http://www.nicovideo.jp/

 ▼メールアドレスとニックネーム、性別、年齢等のプロフィール、
  パスワードを登録してください。
 ▼そして、以下にアクセスするとのりこえねっとTVをご覧いただけます。
  http://ch.nicovideo.jp/norikoenet-tv

※ブロードバンドのインターネット環境、もしくはLTE通信環境のスマート
フォンなどからもご覧頂けます。あらかじめタイムシフト予約をしていると
放映後1週間以内はいつでも見ることができます。


◆皆さまへのお願い

現在、のりこえねっとTVはニコニコ生放送( http://live.nicovideo.jp/)
のトップページ番組表に掲載されておりません。
Twitter、公式サイトにて告知しておりますが、ニコ生のトップページ番組
表に掲載されると目に留まりやすく、さらに視聴者が増えると思われます。
番組表に掲載されるためには、【タイムシフト予約】の人数が200名を
超えなければなりません。ぜひ、みなさまのご協力が必要です。
拡散・周知も続けて頂けますよう何卒お願い致します。


――――――――――――――――――――――――――――――――――
●2.8月1日のりこえねっとTV報告
「靖国問題を考える 高橋哲哉×洪貴義」

 8月15日は、69回目の終戦記念日でした。日本では300万、アジア全体では
数千万人もの死者を出し、ようやく終わった戦争でした。靖国神社は、戦前
国家が戦死者を英霊として顕彰し国民をさらに戦争へと駆り立てる役割を果
たしました。戦後は日本人遺族が心の拠り所とすると同時に「戦争神社」と
して復権させようとする試みに宗教者や革新勢力が反対してきた歴史でもあ
ります。さらに昨年暮れの安倍首相の靖国参拝では「靖国の英霊に親や祖父
母を殺された」というアジア各国からも反発が出ています。今回は、東京大
学の高橋哲哉教授をお迎えして靖国問題とは何なのかを、政治学・思想史研
究者の洪貴義さんと考えていきます。

洪さん「靖国問題は新しい段階に入っている」

 最初に洪さんが、現状について二つの点から新しい段階に入っていると提
起します。安倍政権の新たな安保法制への動きにより具体的に戦闘行為が起
こる可能性が想定され、靖国に合祀される可能性が出ている中での閣僚・議
員らの公式参拝であること。そしてこの上からの再編に連動して、下から広
範囲に草の根排外主義が広がり、上下相まって現在の危機状況があると指摘
します。
 高橋さんは、軍国主義との関係で国から切り離されて宗教法人となった靖
国神社と政治の関わりについて語ります。靖国問題は外交問題としても語ら
れるが、実は国内問題として生まれたと指摘します。当初は大きな問題にも
ならずに首相参拝も当然のように行われていたが、60年代〜70年代初めに自
民党が靖国の国家護持法案を出して大論争となり、そのころから問題化した
と語ります。次の山が、戦後レジュームからの脱却に先がけて戦後政治の総
決算を主張する明確なタカ派の中曽根首相の公式参拝で、中国の批判により
翌年から参拝をとりやめたが、A級戦犯を分祀して公式参拝できるよう主張
した。3番目の山は小泉首相の参拝で、在任中毎年参拝して中韓から大きく
批判された。

高橋さん「中韓だけが反対と言っていた小泉参拝と違い孤立を深めている」

 では今回の安倍政権はどうか。中韓だけが反対と言っていた小泉政権との
違いは、少なくとも歴史認識や靖国に関しては国際的な孤立がはっきりして
いる点にある。安倍首相の参拝に批判や懸念を表明した国は多く、台湾の馬
英九総統は傷口に塩を塗る行為と批判し、「同盟国」の米国からも批判され
た。これが意味するのは靖国的歴史観が深まり、小泉政権時にもなかった新
しい状況にあることだと指摘します。首相側近のコメントを見れば、首相は
問題を感じて参拝しなかったのではなく、考え方は変わっていない確信的な
靖国派。上がそういう状態なので下の底も抜けて排外主義の良くない状況に
陥っている。
 90年代初めに冷戦構造が緩んで戦後責任問題が噴き出し、対応が問われた
のが90年代半ばだったが、日本はこれを受け止められずに90年代後半から現
在にいたる流れができた。そして私たちの望まぬ方向に進み、いまそのどん
底にいると語ります。そしてヘイトスピーチ問題は市民社会の中の自由な言
論によって淘汰されると考えていたが、この間の動きを見ていると一線を越
えたと思われ、ヘイトクライムに対する法的規制を考えなければならない段
階に来ていると考えるようになったと語ります。

高橋さん「靖国神社の本質から考える必要がある」 

 そして洪さんは、いま靖国問題をどういう観点から語ればいいのかと問い
ます。高橋さんは、まず靖国の本質論をおさえるべきだと述べます。なぜ軍
国主義のシンボルとされ、一体のものとされるのか。それを知るには最盛期
の靖国を知るべきとして、戦時中の秋の臨時大祭の雑誌記事を手に説明しま
す。臨時大祭では戦死者をまとめて合祀し、天皇が参拝する。国費で全国か
ら招待された遺族の眼前を現人神である天皇が通って参拝し、全国では天皇
参拝の時間に合わせて黙祷する。本来なら悲しいはずの戦死が感涙むせぶ名
誉に変わる。そういう形で戦争に動員していったと語ります。それを高橋さ
んは感情の錬金術と表現しているそうです。再び日本が戦火を交える可能性
が出てきたいま、戦死者の遺族はどう感じるか、国民はどう感じるか、為政
者はそれを考えているはずだし、敗戦までにつくられた国民感情はなかなか
変わらずに今日まで来ているのではないかと加えます。
 次に、今後の靖国のあり方に話題が移ります。高橋さんは、厭戦感情や批
判を抑えるような戦死者の扱いは軍隊を持つ国に共通することで、そのため
に一方で愛国心教育、他方で靖国のシステムが存在し、これはどこまでもつ
いて回る一番の問題とした上で、靖国について語ります。

「遺族が望んでも合祀が取り下げられないのは問題」
 
 靖国が問題となるのは、A級戦犯合祀による外交問題や政教分離原則違反
だけではない。日本人だけでなく旧植民地出身者遺族の中からも合祀を取り
消してほしいという人が現れたが、一切受け入れない。靖国の論理が異民族
にまで押しつけられていることが、靖国問題の絶えないもう一つの理由でも
ある。朝鮮2万1000人、台湾2万8000人、中にはBC級戦犯として処刑されて
合祀された人もおり、旧植民地出身者の合祀はメディアでも取り上げられな
いが大きな問題だと強調します。合祀者の中には生存が確認された人が少な
くとも10数人いたりもした。一部を神社が取り消したそうだが、謝罪などは
裁判でも認められていない。要するに滅茶苦茶なのだが、これに応えなけれ
ば靖国問題がいつまでも続くもう一つの理由になっていくと指摘します。
 
高橋さん「政治と縁を切り、信者だけの要請にこたえる神社に変わるべき」 
 
 靖国神社の今後については、民間宗教法人ということを前提に考えると、
基本的には政治によって潰すことには疑問だ。神社が英霊顕彰をし続けたい
ならば、一個の宗教法人として現憲法下で批判の出ないような形にするしか
ないだろう。それにはまず政治と縁を切ること。違憲の疑いがあるので首相
らの参拝は歓迎せず、政治家も参拝しないことで、外交問題のある部分は解
決される。そして合祀の取り消し問題があるが、宗教権など基本的人権に関
わることなので神社は応じるべきだ。そうすることで信者だけの要請に応え
る宗教法人として慰霊する。これは現憲法体制下で認められることであり、
神社についてはそれしかないだろうと語ります。
 しかし国営化は政治家だけでなく神社の考えでもある。国営化してA級戦
犯を外せば天皇も靖国に参拝可能という考えだろうが、そういうことを認め
ないことが先ずは必要だ。宗教的ではない追悼施設をつくって憲法理念に
則って慰霊することは政治的代案としては一概に否定はしない。だが小泉政
権時に検討されたことがあり、第2の靖国になりかねない要素がある。いま
の状況では考えにくいことではあるが、不戦平和を誓う施設で追悼対象も平
和の礎のように「英霊」だけでなく全ての犠牲者にするという議論はあり得
るが、政治が変われば靖国のように使うことはいくらでも可能となる。した
がって、国立であれ施設は施設であるに過ぎずそれを使う政治や国がどう関
わるのかが決定的となり、つまりは有権者がどういう政治と国のあり方を認
めていくのかという問題になってくるだろう指摘します。
 洪さんは、結局は個々人の歴史認識のあり方にかかっており、そうすると
表では憲法による平和国家として、裏面では靖国史観を底流で持ってきた国
家の二重性を克服できぬまま来ている以上、これからも問題としてあり続け
るだろうと語ります。

「尊い犠牲の上に現在の平和と繁栄がある」の欺瞞性

 ここで「尊い犠牲の上に現在の平和と繁栄がある」について質問がありま
した。高橋さんは、明らかに飛躍があり、侵略戦争ゆえに日本も相手側も死
ぬべきではない人々だったとの視点に立てば、彼らの犠牲の上にのみ平和と
繁栄があるかのような言説はまさに靖国の論理そのものだと批判します。国
の繁栄のための名誉ある犠牲だと、悲しむことすら許されない論理はいまも
生きている。これは右翼に限らず、革新やリベラルが首相や議長になったと
きの言葉にも出てくる。これを乗りこえるのは容易でないが、そこに靖国の
論理が潜んでいると指摘します。
 最後に高橋さんは、靖国派が政治的に強くなって問題のある国立追悼施設
さえ話に出ない状況では、これさえ容易ではないが、神社を憲法の範囲内に
おさめ、そして靖国の歴史観を市民社会の中で論争を通して乗りこえていく
ことしかないだろうし、これが根本問題だろうと語って終わりました。


――――――――――――――――――――――――――――――――――
●3.今後の反レイシズム情報
--------------------------------------------------------------------
★公式サイト 学習会カレンダーにも順次掲載致します!
http://www.norikoenet.org/workshop.html#callendar
★集会・デモ・カウンター・セミナーなどのお知らせを掲載します。
日時、会場、タイトル及び内容、主催者、主催者の連絡先などを400文字以
内で、お送り下さい。件名に「のりこえねっと通信掲載希望」と明記して下
さい。

1)第7回シューレ大学国際映画祭「生きたいように生きる

日時:8月29日(金)〜31日(日)
場所:シューレ大学特設映画館(都営大江戸線若松河田駅下車・徒歩4分)
料金:前売/一回券1000円/フリーパス3000円
   当日/一回券1200円/フリーパス3500円
 各回終了後、トークセッションあり
 シューレ大学国際映画祭HP
 http://shureuniv.org/filmfes/
 TEL:03−5155−9801(シューレ大学)

2)非核の政府を求める兵庫の会 市民学習会
  辛淑玉さんとともに考えよう 平和と人権・レイシズム問題を中心に
   
日時:8月30日(土)14:30〜17:00
会場:兵庫県保険医協会5階会議室(神戸フコク生命海岸通ビル5階)
    http://www.hhk.jp/pages/access.php
    JR・阪神「元町」駅下車東口から南へ徒歩7分?
講師:辛淑玉さん(人材育成技術研究所所長、のりこえねっと共同代表)
 ※関西のカウンター行動メンバーもゲスト出演:泥憲和さん
参加費:1000円 
主催:非核の政府を求める兵庫の会 
問合先・事務局 電話078-393-1833 shin-ok@doc-net.or.jp


3)講演『九月、東京の路上で』著者・加藤直樹(鹿島拾市)さんの話を聴く 
日時:8月31日(日)14:00〜16:30
場所:神宮前穏田区民会館(原宿駅)。
参加費:500円
お問い合わせ先:実行委(090-7831-3383)


――――――――――――――――――――――――――――――――――
●4.今週のヘイト街宣・デモ Pick Up

カウンター行動(抗議行動)される際は、十分お気をつけ下さい。
経験が少ない方は、複数での参加をお勧めします。

1)嘘つき朝日新聞・見ない読まない買わない3ない不買街宣・行進
●日時:8月30日(土)時間未定
●集合場所:新町北公園(元大阪厚生年金会館の南隣)
●主催:現代撫子倶楽部・中谷良子
※京都朝鮮学校控訴審判決の日に嫌がらせした人たちです。

2)『〜検証〜いわゆる従軍慰安婦展』
●日時:8月30・31日11:00〜17:30
●場所:生駒市芸術会館 美楽来 展示室1
   (近鉄奈良線・けいはんな線 生駒駅より徒歩8分)
●主催:凛風やまと・獅子の会
※このような女性の人権侵害展示を許可した生駒市に抗議の声を。

3)防衛省激励街宣
●日時:9月1日(月)17:30〜19:30
●場所:防衛省〒162-8801 東京都新宿区市谷本村町5-1
●主催:護國千葉の会
※辺野古新基地建設抗議行動への嫌がらせ。沖縄を踏みにじって「護国」と
いうパターンは70年前と変わらない。


――――――――――――――――――――――――――――――――――
●5.新聞・雑誌記事・Webより

1)在日女性、在特会を提訴=「差別表現で苦痛」−大阪地裁
時事通信 8月18日

 インターネット上の差別的表現で精神的苦痛を受けたとして、在日朝鮮人
のフリーライター李信恵さん(43)が18日、「在日特権を許さない市民
の会」(在特会)と桜井誠会長に計550万円の損害賠償を求める訴訟を大
阪地裁に起こした。
 訴状によると、桜井会長は昨年1月〜今年7月、ネットや街宣活動で李さ
んを「朝鮮人のババア」などと繰り返し表現。李さん側は、在日朝鮮人への
人種差別で名誉毀損(きそん)や侮辱に当たると主張している。
 併せて、ネットの差別的な書き込みを集めたサイト「保守速報」の運営者
に対しても、2200万円の賠償を求め提訴した。
 李さんは提訴後の記者会見で「毎日のようにツイッターなどで嫌がらせや
差別的発言が来る。訴訟で歯止めがかかることを願っている」と話した。
http://news.nifty.com/cs/headline/detail/jiji-2014081800658/1.htm


2)ヘイトスピーチ:在日8割「憤りや恐怖」 NGOなど調査
毎日新聞 8月19日 

 特定の民族や人種に対する憎悪や差別をあおる「ヘイトスピーチ」について、
大学教授らが在日コリアン約200人に意識調査のアンケートを行ったところ、
約8割が「憤りや恐怖を感じた」と答えた。一方で、対処法を尋ねたところ、
何をしても仕方がないなどとして、約7割が「特に何もしなかった」と回答し
た。ショックや不安を誰にも打ち明けたことがない人も4割を超えた。
◇7割「対処せず」 相談受け皿なく
 アンケートはNGO「在日コリアン青年連合(KEY)」(事務局・大阪
市)と東洋大の井沢泰樹(金泰泳<キム・テヨン>)教授(共生社会学)が
昨年6月〜今年3月に実施。インターネット上も含め最近見たヘイトスピー
チについて、東京、大阪、兵庫在住の10?30代の計203人に聞いた。
 全体の85.7%がヘイトスピーチに接した経験があり、そのうち
78.2%が怒りや悲しみ、恐怖を感じたと回答。対処法については「直接
反論した」は2.3%、「公的機関などに通報」は1.7%で、「特に何も
しなかった」が70.1%を占めた。相談相手を聞いたところ「誰にも相談
したことはない」が42.5%に上り、友人27%、家族16.1%が続いた。
 接した後の心境は、「特に変化はなかった」が48.9%で最多だったが、
「在日であることが嫌になった」(1.1%)との回答の中には、自由記述欄
に「存在が全否定されたと思い、認めてもらいたくて、インターネットに『嫌
韓に共感』などと積極的に書き込んでいた」と書き込んでいた韓国籍の男性
(25)もいた。
 井沢教授らは「公的相談窓口の開設や、在日コリアン同士が安心して語り
合える場を作っていくことが重要だ」と話している。
 ヘイトスピーチ被害など在日コリアンが抱える悩みを一緒に考えようと、
「在日コリアン青年連合(KEY)」(事務局・大阪市)が今夏、無料相談
窓口「在日コリアンなんでも相談室 晴れほこ」を開設した。10?30代
が対象。メールで予約を受け、事務所がある東京、大阪、神戸のスタッフが
直接会って相談に乗る。
 KEY東京代表の梁英聖(リャン・ヨンソン)さん(32)は「在日コリア
ンという理由で差別を受け、就職や結婚を拒否されるケースもある。どんな小
さなことでもいいから相談して」と呼び掛けている。相談申し込みはホーム
ページ(http://key-j.org/harehoko/)から。
http://mainichi.jp/select/news/20140819k0000e040192000c.html


3)「在日特権」バッシングは根拠なし 永住外国人の生活保護
東京新聞 TOKKYO Web 8月19日

 在日コリアンら永住外国人の生活保護受給がバッシングにさらされている。
「外国人は保護対象外」と判断した最高裁判決(七月)が根拠のようだが、法
律的な形式論を再確認したにすぎず、外国人の受給に何の問題もない。社会問
題化しているヘイトスピーチ(差別的扇動表現)デモでは、外国人の受給を
「在日特権」と攻撃してきた。事実と反する宣伝を許さないためにも、外国人
の受給権を法律に明記する必要があるのではないか。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014081902000152.html


4)次世代の党:「外国人生活保護は廃止」…保守色前面に
毎日新聞 8月21日 

 石原慎太郎氏らが1日に旗揚げした次世代の党が早速、保守色を前面に押
し立てて動き始めた。生活保護の給付対象から外国人を除外するための生活
保護法改正案を秋の臨時国会に提出することを決めたほか、来月には平沼赳
夫党首らが訪米し、保守強硬派「ティーパーティー(茶会)」関係者と意見
交換する予定だ。
  生活保護法改正案の提出は、7月に最高裁が「永住外国人は生活保護法の
適用対象ではない」と初判断したことが理由だという。同法では保護の対象
を「生活に困窮する国民」と定めているが、運用で外国人も支給対象にして
いる。改正案には、こうした運用を廃止する狙いがある。
(略)
http://mainichi.jp/select/news/20140822k0000m010119000c.html


4)国連 日本のへイトスピーチに懸念
NHK NEWSWEB 8月21日

 人種差別の撤廃を目指した国際条約に基づき、日本における人種差別への
対応を審査する国連の委員会がスイスのジュネーブで始まり、委員からは、
在日韓国・朝鮮人らに対する「ヘイトスピーチ」を懸念する意見が相次いで
出されました。
 これは、人種差別撤廃条約の加盟国を対象に、国連が人種差別への対応を
定期的に審査するもので、4年ぶりに日本を審査する委員会が、20日、ス
イスのジュネーブで始まりました。初めに日本政府の代表が「外国人に対す
る偏見や差別をなくすよう、啓発活動に取り組んでいるし、今後も状況を注
視していく」などと説明しました。
 しかし、18人の委員からは、在日韓国・朝鮮人らに対して民族差別をあ
おる街宣活動「ヘイトスピーチ」を懸念する意見が相次いで出され、このう
ち、パキスタン出身の委員は「あからさまな差別的言動が繰り返されている
ことを懸念している」と述べました。 また、ルーマニア出身の委員は「人
種差別を禁止する新しい法律が必要だ。差別的発言の禁止と表現の自由の尊
重は相反するものではない」と指摘しました。
 こうした意見に対して日本政府側が21日に見解を示し、それを踏まえ
て、委員会は改善すべき点などについての勧告を盛り込んだ「最終見解」を
来週、公表する予定です。日本での「ヘイトスピーチ」に対しては、先月、
基本的人権の状況に関する国連の審査で、国として禁止するよう求める勧告
が出されています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140821/k10013960621000.html


5)「極左・極右殺し合えば、ごみ排除」
教諭フェイスブック投稿 大分の県立高校 不適切と厳重注意
西日本新聞 8月21日

 大分県杵築市の県立山香農業高校の40代男性教諭が、自身の交流サイト
のフェイスブック(FB)に「極左・極右が殺し合って双方消えてしまえば
いい」などと投稿していたことが21日、分かった。同校は不適切発言とし
て教諭に口頭で厳重注意し、県教委に経緯を報告した。
 同校によると、教諭は18日、在日朝鮮人のフリーライターが「在日特権
を許さない市民の会」に対して損害賠償請求訴訟を起こしたとの報道をFB
上で紹介。「争うなら法廷ではなく、どこかの無人島で極左・極右と取り巻
き連中が殺し合って、双方消えてしまえば、日本からごみが排除されて大変
美しい国になる」と投稿した。
 また、日本の植民地支配からの解放を祝う韓国の「光復節」式典に、日本
の一部国会議員が出席した写真を投稿し「こんなさまつなことはどうでもい
いので、慰安婦捏造(ねつぞう)の件でさっさと国会で証人喚問して、外患
誘致罪で死刑にしてください」とも書き込んでいた。
 教諭はFBに氏名や高校名を公開しており、同校に20日、電話などで抗
議があったことから発覚。教諭は事実関係を認めた上で「深く考えず大変な
ことをしてしまった」と反省しているという。田中豊彦校長は「教員として
の立場をわきまえない極めて不適切な発言で、申し訳ない」と話した。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/oita/article/109195


6)ヘイトスピーチ規制勧告へ=日本国憲法に抵触せず−国連差別撤廃委
時事ドットコム 8月21日

【ジュネーブ時事】国連の人種差別撤廃委員会の対日審査の2日目の会合が2
1日、ジュネーブで開かれた。日本政府への勧告書となる「最終見解」では、
在日韓国・朝鮮人らに対するヘイトスピーチ(憎悪表現)の法規制導入を求め
る意見が盛り込まれる方向となった。
 人種差別撤廃条約の第4条は、人種差別をあおる表現を「犯罪」と明記し
ている。日本政府は憲法が保障する「表現の自由」との整合性を考慮する必
要があるとの立場で、4条適用を保留している。
 政府代表の河野章外務省総合外交政策局審議官は、「不当に言論を萎縮させ
る危険を冒してまで(ヘイトスピーチ)処罰法を制定する必要があるとは考え
ていない」と回答。外国人差別をなくす啓発活動に取り組んでいると述べ、理
解を求めた。
 ただこの日も委員からは「ヘイトスピーチは暴力だ」として、規制導入が
促された。勧告書作成を担当するケマル委員(パキスタン)は「(ヘイトス
ピーチ規制は)憲法と矛盾しない」と明言。29日に公表する勧告書に盛り
込む考えを示した。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201408/2014082100878&g=int


7)ヘイトスピーチ:国連委、法規制要求…在日コリアン期待
毎日新聞 8月21日

 在日コリアンらを差別的な言葉でののしるヘイトスピーチ(憎悪表現)に
対し、国連の人種差別撤廃委員会が20、21両日の対日審査で、日本政府
に法規制を強く求めたことを受け、在日コリアンらからは期待する声が上
がった。
  2009?10年に京都朝鮮第一初級学校(当時)周辺で「在日特権を許
さない市民の会(在特会)」らによる街宣行動を受けた被害者の教員、金志
成(キム・チソン)さん(46)は「ヘイトスピーチを規制する法律があれ
ば、警察はあの街宣をもっと積極的に取り締まることができたし、民事裁判
をするまでもなく、彼らの活動に歯止めをかけられる」と話す。
 学校側は10年夏に在特会メンバーらを相手に損害賠償などを求めて提訴し、
今年7月には2審の大阪高裁判決も1審を支持して街宣の違法性を認定したが、
在特会側の上告で裁判はまだ続いている。
 今月18日、インターネット上のヘイトスピーチで名誉を傷つけられたと
して、在特会などを相手に損害賠償を求めて大阪地裁に提訴したフリーライ
ターの李信恵(リ・シネ)さん(43)は、対日審査の様子をネット中継で
見守った。李さんは「個人が裁判でヘイトスピーチと闘うのは経済面で大き
な負担で、2次被害の覚悟も必要。被害者の犠牲があまりに大きい」と強
調。法規制に期待はしているが、「逆にマイノリティーが声を上げることも
抑圧される危険性がある。ヘイトスピーチ批判の声が各地で上がればそれが
抑止につながるので
は」と複雑な胸の内をのぞかせた。
http://mainichi.jp/select/news/20140822k0000m040123000c.html


8)Listening:ヘイトスピーチ 日本、世界と温度差
毎日新聞 8月22日

 人種差別撤廃条約の順守状況を監視する国連人種差別撤廃委員会は21
日、ジュネーブで行われた2日間の対日審査を終えた。人種差別を扇動する
焦点のヘイトスピーチ(憎悪表現)を巡っては、各国の委員らから日本に早
期の法規制を求める意見が続出。憲法が保障する「表現の自由」を理由に従
来通りの消極姿勢に終始した日本政府との間で、議論はかみ合わなかった。
委員会は月内にも勧告を公表する。日本政府は厳しい国際世論に背を押され
るように対応策の検討に動き出そうとしているが、法規制には慎重論も根強い。

◇国連審査、法規制求める声「これは演説ではなく、暴力的な威嚇だ」
 20日、非政府組織(NGO)との事前会合で日本のヘイトスピーチのビ
デオ映像を目にした米国のバスケス委員は、対日審査の場でこう驚きの声を
上げた。他の委員からも「なぜ憲法を盾に『犯罪』として取り締まらないの
か」と日本政府に早期の法規制を求める声が相次いだ。
 日本は1995年に人種差別撤廃条約に加盟したが、ヘイトスピーチの法
規制を求める4条については「表現の自由」への配慮などを理由に留保して
いる。
「立法措置が必要なほど人種差別思想の流布や扇動が行われている状況にはな
い」というのが政府の見解だ。
 今回の対日審査で、ヘイトスピーチを巡る日本政府と外国人委員との認識
の差は極めて大きかった。「憲法に定められた『表現の自由』に触れる恐れがあ
る」として、ヘイトスピーチを取り締まる新法の導入に消極的な日本に対し、
バスケス氏らは、そもそもヘイトスピーチは憲法で守られるべき「言論表現」
に当たらないと断じる。
 日本がヘイトスピーチに有効に対処できていないのではないか、との懸念
も出た。複数の委員は「警察がデモに付き添っているように見える」と指
摘。日本側は21日の審査で、「公平中立の立場からの警備で、デモを守っ
ているわけではない」と釈明に追われた。
 現地で傍聴したジャーナリストの安田浩一さんは「ヘイトスピーチは絶対
に許されないと考える国際社会と、消極姿勢を変えない日本との温度差が特
に印象的だった」と話す。
 もっとも、ヘイトスピーチを巡る法規制のあり方は、世界的にも判断や対
策が分かれている。欧州には規制に積極的な国が多い。第二次世界大戦でナ
チスがユダヤ人大量虐殺を引き起こしたドイツでは、60年に民衆扇動罪が
成立。刑法でナチ標識の使用や反ユダヤ主義的な吹聴を厳しく禁止してい
る。英国は65年成立の人種関係法にヘイトスピーチ規制を盛り込み、フラ
ンスも72年に包括的な人種差別禁止法を制定している。
 米国は日本と同様、「表現の自由」を尊重する立場から、ヘイトスピーチ
の処罰を求めた人種差別撤廃条約の第4条を留保している。だが、人種差別
的な動機に基づく暴力犯罪を行った場合は量刑を通常より重くしている。

◇首相、自民に検討指示
 安倍晋三首相は7日、「国際関係を誠実に築き上げてきた日本の誇りを傷
つけるものだ」と述べ、自民党に法規制も含めた検討を指示。党内には慎重
論もあるものの、21日には「ヘイトスピーチ対策等に関する検討プロジェ
クトチーム」(座長・平沢勝栄政調会長代理)が設置され、規制に向けた動
きが出始めている。
 7月下旬に韓国で朴槿恵(パククネ)大統領と会談した舛添要一・東京都
知事は帰国後、安倍首相に法整備を強く要望。橋下徹・大阪市長も7月の定
例記者会見で法規制には慎重な姿勢を示しながらも、第三者委員会の設置な
ど対応策を検討していることを明らかにした。 背景にあるのは在日特権を
許さない市民の会(在特会)が京都朝鮮第一初級学校周辺で行ったヘイトス
ピーチを巡る民事訴訟だ。1審の京都地裁は「北朝鮮のスパイ養成機関はた
たき出せ」などの街宣を「人種差別」として違法性を認定。大阪高裁も7月
に1審を支持し、在特会側に損害賠償を命じた。
 法規制を訴えている有田芳生・民主党参院議員は「ヘイトスピーチは表現
には値しない。日本は人種差別に関する議論があまりに遅れている」とし、
第一歩として、罰則規定のない理念法の「人種差別撤廃基本法案」を秋の臨
時国会に提出する準備を進めている。
 一方で、師岡康子弁護士(東京弁護士会)は「中身によって刑事規制、民
事規制、社会的規制を行うべきで、そうした法律が日本にはない」として、
ヘイトスピーチそのものを規制できる新法成立の必要性を強調する。
 では、規制対象とすべきラインをどこに引くか。「ヘイトスピーチ 表現
の自由はどこまで認められるか」(明石書店)の翻訳者の一人で関東学院大
非常勤講師の明戸隆浩さんは「人種など自分の意思では変えられない属性に
対するものへの中傷や侮辱が前提」とした上で「街頭やインターネットで公
に向かって発せられ、差別が扇動されるという要素も重要だろう」と話す。
 一方、山田健太・専修大教授(言論法)は「日本は戦時中の思想弾圧の歴
史を経て、表現の自由を保障してきた。(法規制する)欧州的な考え方はな
じまない。啓発教育の拡充などを優先すべきだ」と規制に反対した。
http://mainichi.jp/journalism/listening/news/20140822org00m040003000c.
html


――――――――――――――――――――――――――――――――――
●6.都庁交渉報告

現在のりこえねっとでは、ヘイトスピーチ・ヘイトクライムの根絶にむけ、
東京都に実効ある施策を求めて、交渉を行っております。8月21日には、
辛淑玉共同代表・川原栄一副事務局長が、人権部企画課・小河原課長に面談
しました。まだ具体的な要望書を提出するには至っておらず、総括的にヘイ
トスピーチ対策を求めました。都側は「舛添都知事も問題視していて、安倍
首相に何らかの法規制をとるように求めた。都としては国の動き待ちであ
る」として消極的な姿勢でした。啓発活動の充実に対しても、明確な回答を
得られませんでした。今後、カウンターの仲間や当事者、研究者の皆さんの
ご意見を伺いながら、交渉を進めていきます。また並行して都議会への働き
かけも行っていきます。皆さんのご意見をお寄せ下さい。


――――――――――――――――――――――――――――――――――
●7.編集後記

 8月もあと1週間を切りました。ジュネーブの国連人種差別撤廃委員会に
行かれた皆さんはお疲れ様でした。在特会はこの間私たちの闘いなどによっ
て、デモなどの参加人数を減らしてきました。しかし24日に行われた舛添
都知事リコールデモは、200人以上の動員を見せました。これは今年の都
知事選の田母神支持の反舛添層をレイシズムに引き込んでいる現れだと思わ
れます。嫌韓層の静かな広がり、これがレイシズムと結合させないように警
戒が必要です。
(か)


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★メールアドレスのご変更等は、info@norikoenet.org までご連絡下さい。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■のりこえねっと通信 0043号 2014年8月25日発行
info@norikoenet.org
発行:のりこえねっと事務局
運営団体:のりこえねっと

〒169-0072
東京都新宿区大久保2-7-1大久保フジビル 311 ペンの事務所気付
Tel.03-5155-0385/Fax.03-5155-0383

公式サイトURL http://www.norikoenet.org/
Twitter https://twitter.com/norikoenet

(C) のりこえねっと All rights reserved.
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


Created by staff01. Last modified on 2014-08-25 18:16:56 Copyright: Default

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について