石川源嗣のコラム : 「お疲れさまの一言も言えないのか」 | |||||||
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東部労組の石川です。 東部労組機関紙2014年7月号のコラム<二言三言>に下記の文章を掲載しました。 「お疲れさまの一言も言えないのか」今年のメーデー(5月1日)は日比谷集会とデモの後、上野駅の目の前にある東京メトロ 本社前に280人の仲間が結集し、抗議行動を行った。 この日朝、メトロコマース支部の組合員はストライキに決起し、正社員との賃金格差の 是正を求めて東京地裁に提訴した。正社員とまったく同じ仕事をしながら、非正規の労働 者は賃金やボーナスに大きな差をつけられ、退職金ももらえないのは、改正労働契約法2 0条が禁じる「非正規を理由とした不合理な差別」との主張だ。 集会での支部組合員の発言は参加者に感動と共感を与えたが、とくに瀬沼組合員の発言 が強く印象に残った。彼女は「正社員は退職ともなれば、祝う会があり表彰され、退職金 もある。私たちは『お疲れさま』の一言もなく、雇い止めにされる」と話した。 なぜ印象が強かったかと言えば、もう15年前になるが、弥生運送支部(現在、ネクスト 物流支部)の組合結成申し入れ行動のとき、中川委員長が社長に向かって言った言葉とま ったく同じだったからだ。 中川委員長は社長に向かって、「仕事から帰ってきたドライバーに、『お疲れ様』と言葉 をかけたことが一度だってあったのか」とタンカを切った(弥生運送支部結成を描いたビ デオ『組合づくり』は本部に在庫があります)。 労働者が労働組合として闘いに決起する時、その獲得目標は「要求」という形で表現さ れる。要求はそれぞれで千差万別である。しかしその根底には共通して、労働者を差別せ ず、「人間」として扱え、との根本的希求があるのではないか。 だから、戦前からの組合活動家である鶴五三は、「労働者というものは賃上げのためにの み団結するのではございません。・・・湯飲み場を作ってくれないということがストライキ の原因になり得る」と本質を突いている。 またアンドルー・ゴードンは、150年を通した日本の労働者の闘いの原動力は差別反対、 人間として扱えという、職場でも社会でも「正規の構成員」(フルメンバー)としての処遇 を求めてきたところにあった、と言うのである。 つまり労働者としての尊厳の獲得にこそ、闘うエネルギーの最大の根源があることを忘 れてはならない。(石) Created by staff01. Last modified on 2014-07-22 14:31:25 Copyright: Default |